ビットコインをはじめとする仮想通貨はインターネット上で売買できるが、その際に「取引手数料」がかかる。手数料は売買の方法のほか、ビットコインやイーサリアムなど売買する通貨によっても変わることがある。国内には複数の仮想通貨取引所があるため、できるだけ取引コストが低いところを利用したい。

そこで今回は、ビットコインを売買する際にかかる取引手数料が低い仮想通貨取引所を紹介し、売買時にかかる取引手数料の種類や注意点も詳しく解説する。

目次

  1. 1,ビットコインとは
  2. 2,ビットコインの取引にかかる手数料
  3. 3,ビットコイン取引手数料の安い仮想通貨取引所ランキング
  4. 4,ビットコイン取引で手数料を節約するポイント
  5. 5,ビットコインの手数料に関してよくあるQ&A

1,ビットコインとは

ビットコインの売買・送付手数料はいくら?ローコストな取引所も紹介
(画像=(写真=Farknot Architect /stock.adobe.com))
ビットコインは、インターネット上でやり取りされる仮想通貨(暗号資産)の一種です。

数千種類ある仮想通貨の中で時価総額が最も大きく、10年以上取引されている

ビットコインは2008年に「サトシナカモト」と名乗る者によって構想されたが、サトシナカモトの性別や年齢、国籍など詳しいことはわかっていない。

サトシナカモトの構想をもとに、ビットコインは2009年1月にインターネット上で稼働を開始し、急激な価格上昇や下落を繰り返しながら市場を拡大してきた。

ビットコインは発行の上限が2,100万枚と決まっているため、需要の高まりとともに価格が高騰し、たびたびニュースでも取り上げられている。

ビットコインの大きな特徴は、銀行などの第三者を介することなく、個人間で直接送金ができることだ。

取引には国境がなく、特に海外に送金する場合は格安な手数料で資金を移動できる。また、取引はスマートフォンやパソコンで完結する。

清水 マキ

日本円やドルなどの法定通貨と違い、通貨を管理する人物や組織がいないのも大きな特徴です。特定の国家や企業が発行や流通に関与せず、非中央集権的な仕組みになっています。

また、ビットコインは送金情報を第三者が閲覧できるのも大きな特徴だ。

すべての履歴はブロックチェーンに記録されているため、どこからどこのウォレット(アドレス)にビットコインが送られたのかを追跡できる

「エクスプローラー」と呼ばれる専用ツールを使い、ビットコインのアドレスを入力すると、そのアドレスにある残高やビットコインの移動履歴を確認できる。

取引記録の改ざんは、極めて困難だ。

清水 マキ

特にインターネット上で保管した場合は、ビットコインにもハッキングなどのリスクがありますが、それでも近年は株や為替などと同様に投資先の一つとして選択されるようになっています。

実際に、テスラやマイクロストラテジー、ネクソンなど大手企業が次々に資産としてビットコインを購入し、話題になった。

ビットコイン自体もアップデートを繰り返しており、より多くの取引データを処理できるようにしたり、イーサリアムのようにスマートコントラクトという契約機能を付帯させたりするといった取り組みが行われている。

2,ビットコインの取引にかかる手数料

ビットコインの取引にかかる手数料
(画像=編集部作成)
ビットコインの取引は基本的に仮想通貨取引所で行われますが、取引には手数料がかかる場合があります。

取引所によって取引手数料の有無や金額は異なるが、無料のところも多いため、取引所選びの参考にしたい。

注意したいのは、ビットコインを売買する場所には「販売所」と「取引所」という2つの形態があることだ。

例)
取引所は、仮想通貨を売買したいユーザー同士が取引をする場所で、売買したい仮想通貨の数量や価格を指定し、その条件に合う注文をマッチングさせて、取引を成立させる。一方の販売所は、ユーザーと仮想通貨取引所(業者)側で取引する。

販売所は取引所と違い、取引の条件に合う注文を待つ必要がなく、売買したいタイミングで24時間いつでもすぐに取引が成立するのが特徴だ。

では、取引所取引と販売所取引について、より詳しく見ていこう。

取引所取引(板取引)の手数料

取引所取引は、注文を並べて一覧にした「板」を使うため、「板取引」とも呼ばれます。

板には売買の注文がリアルタイムで反映されるため、現在どのような注文が入っているのかが即時に把握できる

売買したい価格や数量を確認できるため、自分にとってメリットの大きい取引を成立させやすい。

板取引の手数料は、無料の取引所もあれば有料のところもある。

例えば、bitFlyerでは取引額に応じて0.01~0.15%の取引手数料がかかるが、GMOコインではMakerに対して-0.01%、Takerに対して0.05%の手数料がかかる。

Maker(メイカー)
板(取引所)へ指値注文を出していたユーザーを指す。指値(さしね)とは、売買する仮想通貨の数量や価格を指定すること。
Taker(テイカー)
板(取引所)に出ていた指値注文を受けるユーザーを指す。

Maker、Taker双方の注文がマッチングすると取引が成立するが、その際マイナスの手数料が設定されている取引所では、手数料を支払うのではなく、受け取ることになる

市場にとってMakerはスムーズな売買ができる環境をもたらしてくれる存在なので、マイナス手数料、つまり売買が成立すると手数料を受け取れる仕組みによって優遇されることがあるのだ。

例)
Takerはすでに出ている注文に対してアクションを起こすためすぐに売買できるが、MakerはTakerの注文が入るまでは売買できない。また仮想通貨の取引にあたっては、Makerの注文がなければTakerは注文を出せない。
清水 マキ

板取引においてできるだけ取引手数料を抑えたい場合は、Makerのマイナス手数料が導入されている取引所や、取引手数料のパーセンテージが低い取引所を選ぶとよいでしょう。

販売所取引の手数料

続いて、販売所取引の手数料について見てみよう。

販売所取引はユーザー同士の売買ではなく、仮想通貨を売買したいユーザーと業者である取引所の間で行われる取引です。

販売所利用時の手数料は、多くの取引所で無料となっている。

しかし、販売所には「スプレッド」があるため、取引所取引(板取引)に比べて取引コストがかさみやすいことを覚えておきましょう。
スプレッドとは?
スプレッドとは、買値と売値の差額のことだ。

ビットコインなどの仮想通貨は常に価格が変動するため、希望する価格で売買できるとは限らない。

各販売所が取引状況に応じてスプレッドを設定しているため、スプレッドの額は取引所によって異なり、また取引のタイミングでも異なる

例)
例えば、ビットコインを購入できる価格が1BTC=300万円、売却できる価格が1BTC=299万円だとしよう。この場合、スプレッドは差額の1万円だ。別の取引所ではスプレッドが1万円以上のところもあれば、5千円のところもあるだろう。

ビットコインを売却する時は、買値以上の値段で売れなければ利益を出せない。

スプレッドが広いと、利益を出すのに必要な値上がり幅も大きくなる。つまり、スプレッドが広くなるほど利益を出すのが難しくなるのだ

板取引(取引所)に比べて操作・売買がしやすいからといって、スプレッドが発生する販売所ばかりを利用するのはおすすめしません。

また、そもそもスプレッドの存在を知らなければ、気づかぬ間に実質的な手数料を取られることになるため、思うように利益を上げられなくなるだろう。

各取引所のスプレッドは日々変わるため、取引所を利用する前に必ずその日のスプレッドを確認しておこう。

スプレッドは、販売所の買値と売値から算出できる。

清水 マキ

スプレッドは、通常の取引手数料とは別に発生する取引コストであるため、できるだけスプレッドが狭い取引所を選びましょう。

入出金手数料

ビットコインなどの仮想通貨を購入するためには、まず日本円を取引所の口座に入金する必要がある。

仮想通貨を売却して日本円にし、自身の銀行口座へ出金して利益を得ることもできる。

その際にかかるのが、入出金手数料だ。

取引所によって入出金手数料は異なりますが、入金手数料はほとんどの取引所で無料です。
ただし、入金方法によって手数料が異なる場合もあるため、自身が利用できる方法かどうかを確認しておきましょう。出金手数料は、出金先の銀行や口座の種類、出金額によって異なる。

送金手数料

仮想通貨を他の取引所に送る際にも手数料がかかります。多くの場合、仮想通貨によってそれぞれ手数料が設定されています。

ただし

清水 マキ

送金手数料がかからない取引所もあるため、複数の取引所を利用していて頻繁に送金する場合は、送金手数料が無料の取引所を選びたい。

レバレッジ手数料

取引所によっては、元手の資金を超える金額の取引ができる「レバレッジ取引」が可能なところもある。

レバレッジ取引で各取引所が定める時間をまたいで未決済の注文を持ち続けていると、一日ごとに手数料がかかります。これをレバレッジ手数料といいます。

未決済の買い注文や売り注文を「建玉(たてぎょく)」や「ポジション」というが、長く建玉を保有していると、それだけレバレッジ手数料がかかる。

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手数料額は、ビットコインの時価や建玉の数量、各取引所が定める手数料率をもとに計算されるため、一日ごとに変化します。

ロスカット手数料

レバレッジ取引をすると利益が大きくなる可能性があるが、その分損失が膨らむ可能性もある。

急激な価格変動で損失が出た場合、さらに損失が大きくなることを防ぐために保有しているポジションが強制的に決済される「ロスカット」が発動されます。ロスカットが発動した場合、取引所によっては手数料を支払わなければなりません。

ロスカット手数料は、数量や決済価格、取引所が定める利率によって計算される。

例えば、Liquidは数量×決済価格(closed価格)×0.2%がロスカット手数料として徴収される仕組みだ。(出典=Liquid

しかし、ほとんどの国内取引所ではロスカット手数料はかかりません。
清水 マキ

また、どのタイミングでロスカットされるかは取引所によってルールが異なるため、レバレッジ取引の前に必ず確認しておきましょう。

3,ビットコイン取引手数料の安い仮想通貨取引所ランキング

ビットコイン取引手数料の安い仮想通貨取引所ランキング
(画像=編集部作成)

では、ここからビットコイン取引手数料の安い仮想通貨取引所を紹介する。

取引所取引(板取引)にかかる手数料をはじめ、販売所取引でかかる手数料、つまり「スプレッド」も掲載する。

各社のスプレッドについては、執筆時点での価格差をもとに算出した。

見出しが入ります。
順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
取引所名 bitFlyer Coincheck DMM Bitcoin GMOコイン SBI VC トレード BITPOINT Huobi Japan bitbank 楽天ウォレット Zaif
取引所取引(板取引)の手数料 0.01~0.15% 無料 なし Maker:-0.01%
Taker:0.05%
無料 無料 Maker・Takerともに 0.00% Maker:-0.02%
Taker:0.12%
なし 0~0.1%
スプレッド※ 402,396円 413,100円 8,035円 193,450円 167,691円 14,504円 240,514円 202,227円 6,660円 682,211円
入出金手数料 ・入金:SBI住信銀行…無料 それ以外…330円 ・出金:220~770円 ・入金:銀行振込…振込手数料のみ負担 その他入金…770円 ・出金:407円 無料 無料 ・入金:無料 ・出金:住信SBIネット銀行…無料 それ以外…145円 無料 ・入金:無料 ・出金:330円 ・入金:無料 ・出金:550円 3万円以上…770円 ・入金: 振込手数料のみ負担 ・出金:300円 ・入金
銀行振込:手数料のみ負担
コンビニ入金・ペイジー入金:3万円未満…495円
3万円以上…605円
送金手数料 0.0004BTC 0.0005BTC 無料 無料 無料 無料 0.0005BTC 0.0006BTC 0.001BTC 0.0001~0.01BTC
レバレッジ手数料 (建玉金額の絶対値×0.04%/日)の合計 レバレッジ取引なし ポジション金額の0.04%/日 買いの場合:買建数量×買値(終値)×0.04% 売りの場合:売建数量×売値(終値)×0.04% レバレッジ取引なし 建玉金額×0.035%/日 建玉ごとに0.03%/日 レバレッジ取引なし 無料 無料
ロスカット手数料 無料 なし 無料 建玉レート×建玉数量×0.5%/回 なし 無料 無料 なし 無料 無料
bitFlyerCoincheckDMM BitcoinGMOコインSBI VCトレードBITPOINTHuobi Japanbitbank楽天ウォレットZaifのサイトをもとに筆者作成。スプレッドは執筆時点(2021年10月27日)での売買価格から算出

4,ビットコイン取引で手数料を節約するポイント

ビットコイン取引で手数料を節約するポイント
(画像=編集部作成)

ビットコインなど仮想通貨の取引を行う際、さまざまな手数料がかかることがわかった。

ここからは、ビットコイン取引で手数料を少しでも節約するための、5つのポイントを紹介する。

板取引を活用する

仮想通貨取引所を利用する場合は、取引所(業者)と売買する販売所形式ではなく、「板取引」を活用しましょう。

板取引は取引手数料が安く設定されていることが多く、販売所で発生するスプレッドもない。

余計な取引コストをかけたくない場合は、できるだけ板取引で売買しよう。

板取引では、価格と数量を指定して注文する「指値注文」や、数量のみを指定して売買する「成行注文」などの方法を利用する。

指値注文の場合、指定した金額より不利な金額で売買が成立することはなく、取引手数料も販売所より低いため、特に取引コストを抑えられる。

ただし、板取引は販売所取引のように、注文を出してもすぐ売買が成立するわけではありません。取引の相手方は他のユーザーなので、自分が出した注文を受けてくれるユーザーが現れないと売買が成立しないからです。

板取引はリアルタイムで注文が反映されるため、次々に内容が変化して慌てることがある。

清水 マキ

売買のやり方に慣れるまでは難しいかもしれませんが、販売所より有利な手数料で売買できるため、ぜひ板取引にチャレンジしましょう。

スプレッドの変動を注視する

販売所を利用する際は、常に変動するスプレッドを注視し、売買のタイミングを見極めましょう。

各取引所のスプレッドについて紹介したが、スプレッドは一定ではなく、ビットコインの価格のように常に変動することを改めて伝えておきたい。

スプレッドが広がるタイミングとして、相場の急変時や、売買するユーザーが少なく流動性が低い時などが挙げられる。

例)
急な価格変動が起こると、特定の銘柄に買い注文や売り注文が殺到するため、需要と供給のバランスが崩れやすい。取引を行うユーザーが少ない場合も需要と供給のバランスが崩れやすく、スプレッドが広がりやすい。つまり、売買のタイミングによってはスプレッドが広がり、取引コストが増えてしまうのだ。
清水 マキ

売値(Bid)と買値(Ask)の差額をチェックし、できるだけ差が小さい時に売買しましょう。

即時入金ができる口座を持つ

ビットコインなど、仮想通貨の価格は短時間で大きく乱高下することがある。

相場の急変時に素早く売買できるよう、即時入金ができる口座を準備しておきましょう。

日本円を入金した後、取引所口座への反映に時間がかかると、売買のチャンスを逃すことがある

即時入金に対応する口座の多くはネットバンキングに対応しているため、自宅や外出先にいながらパソコンやスマートフォンですぐに入金できる。

価格が

清水 マキ

大きく下落した場合は絶好の買い場となるため、短いスパンで細かくトレードをしない人こそ、即時入金ができる口座を持っておきましょう。

よく使う取引を見極めて、該当する手数料が安い業者を選ぶ

手数料が安い仮想通貨取引所を利用するためには、まず自分がどのような取引スタイルなのかを見極める必要があります。

販売所取引、板取引のどちらを利用するのか、また各取引所の取引手数料をチェックして安いところを選びたい。

板取引では、注文が成立するとMakerが手数料を受け取れる「マイナス手数料」の仕組みを導入しているところもある。

清水 マキ

アルトコインを売買する場合、取引所によってはそれを取り扱っていないところもある。

各通貨に設定されている取引手数料を確認するとともに、売買したいアルトコインの取り扱いがあるかどうかもチェックしよう。

アルトコインについては、板取引(取引所)がなく販売所取引のみという場合も多いため、こちらも併せて確認しておきましょう。

ビットコイン取引が活発な取引所を選ぶ

低コストでビットコインの取引をしたいなら、取引が活発な取引所を選びましょう。

多くのユーザーが仮想通貨の売買をしている取引所は流動性が高く、価格が安定しやすい

スプレッドも狭めで、板取引でも注文が成立しやすい。

どの仮想通貨も、取引所によってスプレッドの設定は異なる。

取引所によって、売買される仮想通貨の需要と供給が異なるからだ。

例)
例えば同じ取引所でも、ビットコインは積極的に取引されているためスプレッドが狭いが、取引量が少ないアルトコインは価格が不安定でスプレッドが広い、ということがある。同様に同じビットコインでも、流通が活発な取引所とそうでない取引所で価格の安定性やスプレッドは異なる。
清水 マキ

取引所ごとにあらかじめ設定されている取引手数料だけでなく、スプレッドについても少しでも狭い取引所を選ぶのが、取引コストを下げるポイントといえるでしょう。

5,ビットコインの手数料に関してよくあるQ&A

最後にビットコイン取引における手数料について、よくある質問とその回答を紹介しよう。

ビットコインとは何か?
ビットコインは、インターネット上でやり取りされる仮想通貨の一種だ。数ある仮想通貨の中で最も規模が大きく、世界中で取引されている。日本円やドルのような法定通貨とは違い、国境を越えた直接的なやり取りが可能で、政府や企業など特定の誰かから制限を受けることはない。
2009年に登場したビットコインは発行枚数が2,100万枚と決まっているため、注目度と需要の高まりによって価格が年々高騰し、世界的な企業も資産として購入している。日本ではビットコインを中心とした仮想通貨売買で大きな財を成した、いわゆる「億り人」が話題となり、株や為替と同様に投資先の一つとして注目されている。
取引所取引(板取引)とは何か?
仮想通貨取引所には、仮想通貨を売買したいユーザー同士で取引する「取引所取引」と、ユーザーと取引所(業者)が取引する「販売所取引」がある。取引所取引は「板」と呼ばれる注文表があり、売買したい数量と価格を指定して、板に注文を出す。板を見た他のユーザーが、同じく希望の売買額・数量を指定して注文を出し、それらがマッチングすると取引が成立する。
このように、板(注文表)を用いたユーザー同士の取引を「板取引」という。板取引は、販売所取引に比べて取引に係る手数料が低く、有利な価格で取引が成立しやすいというメリットがある。
ビットコインの取引にはどんな手数料がかかるか?
ビットコインの取引には、板取引でかかる取引手数料をはじめ、ビットコインを買うために日本円を入金する際の入金手数料、利益を日本円に換えて出金する際の出金手数料などがかかる。
・取引手数料
取引所取引(板取引)の利用時にかかる手数料。売買する仮想通貨の種類や、取引所によって手数料額は異なる。

・スプレッド
販売所取引の利用時にかかる実質的な取引手数料。買値(Ask)と売値(Bid)の価格差を指し、この差が大きくなるほど取引コストも大きくなるため、スプレッドが狭い取引所を利用したい。スプレッドが広いと、同じ通貨でも買値と売値の価格差が大きいため利益を出しにくくなる。

・入出金手数料
日本円の入出金時にかかる手数料。ビットコインを取引所で購入する場合は、日本円を取引所の口座へ入金してから購入する。ビットコインを売った場合は日本円に換え、自身の銀行口座に出金する。こまめに利益を確定して出金する場合、手数料が高いと負担が大きくなるため、できるだけ安いところを選びたい。

・送金手数料
ビットコインなどの仮想通貨を別の取引所やウォレットに送金する際、取引所によっては手数料がかかる。送金する仮想通貨の種類ごとに、手数料が設定されているケースが多い。

・レバレッジ手数料
自身が保有する資金を超える金額の取引ができるレバレッジ取引だが、利益を確定していない未決済のポジションを保有し続けていると、一日ごとに手数料がかかる。手数料がかかるタイミングは、取引所によって異なる。

・ロスカット手数料
未決済のポジションを保有している時に急激な価格変動が起きて損失が拡大した場合、ロスカット(強制的にポジションが決済されること)が発動し、その手数料が徴収される。
ビットコインの取引手数料が安い仮想通貨取引所は?
多くの取引所では販売所形式の取引手数料は無料だが、日々変動するスプレッドを注視して取引しよう。取引所形式(板取引)の取引手数料は固定なので、できるだけ無料もしくは格安のところを選びたい。
ただし、取引手数料の安さにこだわるあまり、使い勝手が悪い取引所を使い続けるのはおすすめしない。操作に不慣れで買い場を逃したり、注文ミスが発生したりしては、手数料を節約している意味がない。取引手数料と使いやすさ、取扱銘柄数などのバランスを見ながら、自分に合う取引所を探そう。
ちなみに、GMOコインやbitbankはMakerに対してマイナス手数料を導入し、流動性を高める取り組みを行っている。
ビットコイン取引で手数料を節約するポイントは?
ビットコインの取引で手数料を節約するためには、自分が使いやすく、自分の取引スタイルに合う取引所を見つけることだ。販売所で売買したい場合は、できるだけスプレッドが狭い取引所を使い、板取引の場合は取引手数料が安いところを利用しよう。
売買が活発な取引所ならば板取引の注文が約定しやすく、スプレッドも狭い。また、取引にかかる手数料だけでなく、入出金や送金時にかかる各種手数料もチェックしておきたい。ビットコインが下落した際はスムーズに入金して購入できるよう、即時入金ができる口座を持っておこう。多くの取引所では、即時入金時の手数料は無料だ。

もちろん、利益を銀行口座に出金する際の出金手数料も安いに越したことはない。

手数料を抑えたい場合は、できるだけ板取引で売買することも大切だ。販売所形式の売買は、簡単にビットコインを取引できるが、スプレッドという取引コストがかかるのがネックだ。板取引は販売所よりも複雑に見えるかもしれないが、慣れればスムーズに注文を出せるだろう。販売所のスプレッドと板取引の取引手数料は、圧倒的に板取引のほうが安い。ビットコインを取引するなら、板取引に慣れてできるだけ手数料を節約しよう。


清水 マキ
執筆・清水 マキ
フリーライター。3人の子育てをしながら、2017年より仮想通貨投資を始める。海外プロジェクト公式のホワイトペーパー翻訳やPR記事作成や、複数の仮想通貨メディアへ寄稿中。

フリーライター。3人の子育てをしながら、2017年より仮想通貨投資を始める。海外プロジェクト公式のホワイトペーパー翻訳やPR記事作成や、複数の仮想通貨メディアへ寄稿中。

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