日・曜日・月の三つのカレンダー表示に加えて、月の満ち欠けを示すムーンフェイズ機構を備えた、トリプルカレンダームーンフェイズ。“トリカレムーン”の通称でも知られる機械式時計の古典的機構のひとつだ。

現在ではあまり採用されることのない少々マニアックな機構だが、機械式の黄金期とされる1950年代にはモバード、ジャガー・ルクルト、オメガ、さらにはロレックスもトリプルカレンダームーンフェイズとクロノグラフを組み合わせたモデルを製造しており、アンティークの世界では、コレクターズアイテムとして、いまも根強い人気を獲得している。

【5万円以下でクラシックウオッチを厳選】「トリプルカレンダームーンフェイズ」搭載モデル3選
(画像=1950年代製と思われるユニバーサルの傑作トリコンパックス。トリプルカレンダーとムーンフェイズに加え、クロノグラフも搭載していた。当時のムーンフェイズ表示には、月に表情が加えられたモデルも多かった。表情は様々あり、各社の違いを見比べてみるのも面白い。、『Watch LIFE NEWS』より 引用)

その最大の特徴は、三つのカレンダー表示を備えた実用性の高さだが、メカニカルな文字盤やムーンディスクが醸し出す神秘的な雰囲気など、独特のデザインも魅力と言えるだろう。

》手頃な5万円以下で、クラシックな“トリカレムーン”を楽しめる良作

これまでは、クラシックな機械式時計を象徴する機構のひとつであったが、近年はクラシックデザインの人気が再燃するなかで、手頃なクォーツモデルでもトリカレムーンモデルのラインナップが数を増やしてきている。

今回は、日常使いしやすい5万円以下の価格帯から、クラシックなテイストを楽しめる“トリカレムーン”モデルを厳選して紹介していく。

》編集部のおすすめモデル-其の1

MADISON NEW YORK(マディソン・ニューヨーク)

チャールトン

ニューヨーク発のファッションウオッチブランド、マディソン・ニューヨークの最新モデル。2時位置と10時位置に設けた小窓で月と曜日、文字盤中央の湾曲した指針で外周の数字を指し示すポインターデイト表示を備えたトリプルカレンダー機能に加えて、6時位置に月の満ち欠けを表すムーンフェイズを備える“トリカレムーン”モデル。服装やシチュエーションを選ばずに着けられるクラシックかつモダンなデザインが魅力的だ。

【5万円以下でクラシックウオッチを厳選】「トリプルカレンダームーンフェイズ」搭載モデル3選
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

ネイビーで文字盤とストラップの色合いを統一したトレンド感のあるデザインが魅力。知的な雰囲気とおしゃれ感を兼ね備えたネイビー文字盤にレッドのポインターデイト針がアクセントを加えている。

【5万円以下でクラシックウオッチを厳選】「トリプルカレンダームーンフェイズ」搭載モデル3選
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

■Ref.MA011008-6。SS(38mm径)。5気圧防水。クォーツ。2万350円

【問い合わせ先】
ミスズ
TEL:03-3247-5585

》編集部のおすすめモデル-其の2

IRON ANNIE(アイアン・アニー)

アマゾナス トリプルカレンダー

ドイツのポインテック社が、創業30周年を記念して創設したブランド、アイアンアニーのトリプルカレンダームーンフェイズ。1930年代のクラシカルな時計のテイストに、飛行機からインスパイアされたデザインを取り入れたスタイルが同社の特徴だが、このモデルは南米 エクアドルで運用された、ユンカースの航空機Ju52、通称“AMAZONAS(アマゾナス)”がモチーフとなっている。小窓を使った月・曜日表示、ムーンフェイズ機能に加えて、文字盤外周で日付けを指し示すポインターデイト機能も備え、王道のクラシック時計に仕上げられている。

【5万円以下でクラシックウオッチを厳選】「トリプルカレンダームーンフェイズ」搭載モデル3選
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

■Ref. 5976-5QZ。SS(41mm径)。5気圧防水。クォーツ(Cal.MIYOTA 6P80)。4万700円

【問い合わせ先】
元蔵
TEL:03-3957-2827

》編集部のおすすめモデル-其の3

KARL-LEIMON(カル・レイモン)

クラシックパイオニア

ムーンフェイズにこだわる新鋭カル・レイモンの代表作。黄金バランスを追求した“トリプルカレンダームーンフェイズ”に加えて、12時位置にポインターデイト、3時に月表示、9時に曜日のインダイアルを備える。

【5万円以下でクラシックウオッチを厳選】「トリプルカレンダームーンフェイズ」搭載モデル3選
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

38㎜という程よいサイズ感に複数の表示機構をバランス良くまとめて、クラシックな雰囲気を醸し出している。ケースバック側にメタルリングを入れることでムーヴメントをケースに固定し、安定感と適度な重厚感で高級な雰囲気を作り出しているのもポイントだ。上品な雰囲気なのでビジネスシーンでも着けられる。

【5万円以下でクラシックウオッチを厳選】「トリプルカレンダームーンフェイズ」搭載モデル3選
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

■シルバー×ホワイト。SS(38mm径)。日常生活防水。クォーツ(Cal.Miyota 6P00)。3万4100円

【問い合わせ先】
カル・レイモンまで

文◎船平卓馬(編集部)

提供元・Watch LIFE NEWS

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