最近、大手キャリアや家電量販店では、iPhone SE(第2世代)が「一括10円」という驚きの価格で販売されているのをご存じだろうか? しかも、大手キャリアでは通信契約なしの“スマホ単体購入”でも3万円程度の値引きが行われているのである。これはいったいどういうことなのか? そこで今回はどうして今、iPhone SE(第2世代)が異常な価格で販売されているのか? その意外な裏ワザを解説しよう。
iPhone SE(第2世代)が7月頃から大幅値引きされている!
アナタは2021年7月ごろから大手キャリアや家電量販店(ドコモ、au、ソフトバンク)で「iPhone SE(第2世代)」の値引き合戦が過熱しているのをご存じだろうか? 詳しくは→こちらで確認してほしいが、AppleStoreの正規価格が64GBモデルで4万9,800円、128GBモデルは5万5,800円なのに、大手キャリアや家電量販店では、64GBモデルが一括10円で販売されているのである。
もちろん、iPhone SE(第2世代)が一括10円で買えるのは新規契約やMNPによる乗り換えが条件になるが、注目したいのは“通信契約なしでの単体購入”した場合でも、3万円程度の値引きが適用されることだ。
そもそも大手キャリアがスマホの値引販売をするのは、新規やMNPによって通信契約を獲得するための手段である。スマホの単体販売で値引きをするメリットはないはずなのに、どうしてこのような値引きが行われているのだろうか? そこには意外な裏事情が隠されていた……。

そもそも大手キャリアでスマホを単体で購入できるの!?
ここまでの説明で「そもそも大手キャリアでも、通信契約なしでスマホを単体購入できるの!?」と思った人も多いことだろう。
かつて、大手キャリアでは2年の長期契約をすることでスマホを大幅に安く購入することが当たり前だった。やがて、電話番号を維持したままキャリアを乗り換えられる「MNP(携帯番号ポータビリティ)」が実施されると、他キャリアからの引き抜き合戦が過熱し、しまいには「スマホは一括0円」「家族4人でMNP乗り換えすると20万円キャッシュバック」といった過剰なキャンペーンが実施され、社会問題となった。
そこで総務省では「スマホと通信契約をセットにする場合の値引きは2万円まで」「通信契約とスマホの分離販売」といった方針を打ち出し、大手キャリアを指導してきた。そのため、現在では大手キャリアの店舗や家電量販店のキャリア販売コーナーでは、通信契約なしでもスマホの単体購入を拒めない状況なのである。
ちなみに、ドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアでは一括販売と分割支払いの両方に対応している。ソフトバンクとドコモでは契約書類を書く必要があって面倒くさいが、auでスマホを一括払いで購入するときは、書類を書く必要はなく普通にスマホだけを購入できるそうだ。

