中国EC業界最大のセールイベント独身の日(ダブル11)が10月20日20時から予約販売を開始した。今年も中国の伝統的なECプラットフォームであるタオバオを初めとし、京東(JD)、新興のライブコマースプラットフォームdouyin(抖音)、kuaishou(快手)の戦いが始まった。

13年も継続されているこのイベントは、近年「割引の計算がわかりにくい」「もう興味ない」など、期待しない声も上がっていたが、今年はイベントがスタートしてタオバオサイトが一時ダウンするほど買い物ラッシュとなり、好スタートを切った。

この中で一番注目を集めたのは、トップ級ライバーのAustin(李佳琦)とViya(薇娅)だろう。ライブ配信による2人の当日売上は、Austinが106億元(約1,894億円))、Viyaが82億元(約1,461億円)と、他のライバーと桁違いであった。

販売した商品は合計900点を超え、視聴者数は合計4億7,000万人に到達。データの統計方法はさておき、中国の人口14億人中、4億人が視聴しており、去年より1億7,000万人増加した。

中国「独身の日」開始 トップライバーの「神エクセル」が話題に
(画像=▲予約販売当日のAustinとViyaのライブ配信(チャイトピ!より撮影)、『チャイトピ!』より 引用)

Austinの「神エクセル」作戦
ダブル11の開始前から、あるオンラインエクセルが話題に。
このエクセルにはAustinが販売する商品情報と購入方法をまとめられており、公開されてすぐweiboやwechatでたくさん拡散され、閲覧数は9億回を超過。

中国「独身の日」開始 トップライバーの「神エクセル」が話題に
(画像=『チャイトピ!』より 引用)

内容が豊富で、全部で16シートもある。ダブル11全期間のスケジュールや、予約販売スタート当日のナビ、ライブ配信で紹介された商品の順番、およびカテゴリー別の商品リストなどが細かく記入されている。
コスメだけでも、クリーム、パック、化粧水、乳液など、カテゴリ別にまとめられており、一つ一つの商品の割引詳細をチェックすることが可能だ。430品という、膨大な商品の中、買う人がすぐ欲しい商品を見つけることができる。
このようなエクセル作戦は、今後たくさん活用されていくかもしれない。

チャイトピ!編集部より
トップライバーは自身の影響力で人々の注目を集め、ダブル11の到来を宣言。しかし、
ライブコマースが見せた盛り上がりと、ダブル11そのものの盛り上がりはイコールではないと考えた方がいいかもしれない。
というのも、近年セールイベントの増加により、ダブル11の影響力が減退していることが明らかになってきている。ここ数年、EC各社はセール期間を延長することで、全体のGMV数字を伸ばしてきたが、裏では消費者のダブル11への注目度が下がったとも言われているのも事実だ。
大型セールイベントの魅力は、今後はさらに日常のライブコマースに奪われて行くだろう。

提供・チャイトピ!

【関連記事】
【2020年】中国EC業界を振り返る【三大トレンド】
中国Z世代の消費習慣、20代前半の女性3人に聞いてみた
中国企業2020年Q1決算まとめ(アリババ、テンセント、バイドゥ含)
2020年中国ビジネストレンド10大ニュース
利用有料化に批判殺到、中国配達ロッカー普及の課題