ドイツ生まれのミリタリーシューズとして広く愛され、現在はファッションアイテムとして数多くのブランドからも注目されている「ジャーマントレーナー」。どのようにして生まれ、どのような特徴があるのか、その魅力に迫ります。また、おすすめのアイテムもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ジャーマントレーナーとは?
その名の通りドイツで誕生したスニーカーであり、ごくシンプルなデザインが大人の男性を中心に人気を集めるジャーマントレーナー。まずは、その歴史や特徴について詳しく解説していきましょう。
ジャーマントレーナーの歴史
ジャーマントレーナーは、1970~90年代ごろに旧西ドイツ軍がトレーニングシューズとして着用していたスニーカーです。大手スポーツブランドであるアディダスやプーマが、自社工場にて軍規格として生産しており、これらの製品が軍で使用されていました。
ホワイトは一般人向けにも販売されていましたが、ブラックに関しては指導者などが履くスニーカーだったため、あまり馴染みはなかったということです。
その後、1900年代初めごろに誕生した老舗のシューズメーカーである「セボ社」が当時のデザインを引き継いで復刻させたことで、ファッション用のシューズとしても大変注目を集めました。現在では、様々なブランドが製造しており、セレクトショップなどでも多く取り扱われています。
ジャーマントレーナーの特徴
軍用シューズだったこともあり、一切無駄のないシンプルな構造とデザインが特徴です。機能面を重視して作られているため、非常に合理的で動きやすい作りとなっており、アッパーとソールが強い力で結合された「バルカナイズ製法」を採用しているのがオリジナルのデザインです。
基本的にはスエードとレザーを組み合わせており、その多くは細身のシルエットとなっているため、人によっては普段よりサイズアップして購入しないときつく感じることがあるでしょう。ミニマルな外見は大人な印象を与えてくれ、スタイリッシュなコーディネートにピッタリな一足です。
ジャーマントレーナーの上手な選び方
最近では、オリジナルのジャーマントレーナーの形をベースとして、様々なデザインのものが販売されています。そこで、簡単にその種類や選び方について解説していきます。
まずカットに関してですが、ほとんどがくるぶし下あたりまでのローカットスニーカーとなります。ミリタリー用として作られているため、足を柔軟に動かすことができ、着脱が楽で通気性の良いローカットが基本だと言えます。
しかし、ごく稀にハイカットのモデルも存在します。デザインはローカットのものと同じくシンプルでベーシックな作りとなっていますので、着こなしを選ぶことなく合わせることができ、こちらもおすすめです。
また、レースアップのものとマジックテープになっているベルクロタイプのものがあります。オリジナルのジャーマントレーナーに近いものを求めているのなら、レースアップの一択になりますが、少しアレンジが欲しい方や、着脱の簡単さを求めたい方であれば、ベルクロも良いでしょう。
一方で、シューレースを全て取ってしまい、スリッポンのようにして履ける製品も販売されています。このタイプは、シューレースホールもしっかり作られており、紐を通しても履けるような仕組みになっているものがほとんどなため、2通りの履き方を楽しみたい方は探してみると良いでしょう。
ジャーマントレーナーの人気ブランドアイテム10選
ここからは、ジャーマントレーナーを展開する人気ブランドのアイテムについて、詳しくご紹介していきます。ベーシックな作りを基本としながらも、それぞれのブランド特有のデザイン性を感じることができますので、気になるアイテムがあれば、ぜひチェックしてみてください。
おすすめ①メゾン・マルジェラ ジャーマントレーナー
フランスの人気ブランド、メゾン・マルジェラが展開し、定番の人気アイテムとなっている「REPLICA」ロートップスニーカーです。2002年のコレクションで登場した際に大きな注目を集めて以来、毎シーズンニューモデルを発表しています。
カーフスキンとスエードを合わせ、ライトグレーやオフホワイトなどホワイト系のトーンでまとめた、定番のデザインです。シュータンにはお馴染みのカレンダータグが、ヒール部分にはシグネチャーのステッチが施されています。
アウトソール裏にも「靴のコレクション」を意味する22番の数字が刻まれており、細部までこだわりつつもクラシカルなマルジェラらしい一足となっています。
おすすめ②リプロダクション オブ ファウンド ジャーマントレーナー
世界各国の歴史ある軍用シューズを復刻することで注目を集めているスニーカーブランド、リプロダクション・オブ・ファウンド。このジャーマントレーナーもその一つとして、オリジナルの良さを存分に生かしつつも、進化して登場しています。
素材には1100デニールのコーデュラナイロンを使用し、耐久性の高さに加えて耐水性も備えています。また、生地表面にはデュポン社のテフロン加工を施し、撥水性と防汚性にも優れているため、全体的に雨や砂ぼこりなどに強くなっています。
タン部分にはゴアを採用しているため、シューレースを全て取り除きスリッポンとしても活躍するという2WAY仕様なのも嬉しいポイントです。
おすすめ③タナカユニバーサル ジャーマントレーナー
1994年に廃盤となり、長く置き去りにされてしまったジャーマントレーナーを世界で初めて復刻し、伝統あるオリジナルの製法を引き継いで世に送り出した日本のシューズメーカーである、タナカユニバーサルのスニーカーです。
ブランド名は存在せず、ドイツ軍のトレーニングシューズであったジャーマントレーナーという原形のままで販売されています。そのため、当時と同じラストやアウトソール、マテリアル、シューレースを用いた仕様で製造されているのが特徴です。
クッション性と耐久性に優れたBWソールは、人体工学に基づいて作られたものであるため疲れにくく、高い機能性を備えています。デザインやシルエットも大きく変化することなく、伝統ある歴史を尊重した一足だと言えるでしょう。
おすすめ④エクリプス バイ マカロニアン ジャーマントレーナー
ルーマニアの工場で生産するシューズブランドであり、前述したタナカユニバーサルのデザイナー、田中清司氏によって設立された、マカロニアンが手掛けるジャーマントレーナーです。
アジア向けにアレンジしたモデルであり、本革スエードで仕上げたアッパーデザインとガムソール風のレトロ感がポイントとなる一足です。ブラウンやグレー、ワインレッドなど珍しいカラーバリエーションを展開しており、アッパーからシューレースまで統一されたカラートーンが特徴的です。
クラシカルなジャーマントレーナーにおしゃれなアレンジを加え、大人でスタイリッシュなデザイン性の高いアイテムとして、コーディネートをより一層引き立ててくれるでしょう。
おすすめ⑤タケオキクチ ジャーマントレーナー
タケオキクチがプーマに、メイドインジャパンのジャーマントレーナーとして別注した人気モデルです。プーマは、ドイツ軍が着用していた当時、実際にスニーカーを生産していたブランドでもあるため、クラシカルでオリジナルのデザインを尊重した作りが特徴となっています。
素材はカラーによって異なり、ホワイトにはスムースレザーとスエードを、ネイビーにはオールスエードが採用されています。ソールをあえてホワイトにし、上品な印象を放った大人な一足です。シュータンにはプーマのロゴが、ヒールにはタケオキクチのブランドロゴが刻まれています。
おすすめ⑥エイト ジャーマントレーナー
オリジナルを忠実に再現し、履き心地も抜群なエイトのジャーマントレーナーです。ソールが厚めに作られているため、履き心地が良く長時間の歩行でも疲れにくくなっています。ホワイトとブラックの2色展開で、カジュアルスタイルにもきれいめスタイルにも合わせやすいデザインとなっています。
また、フェイクレザーを使用しているため、リーズナブルな価格設定を実現しており、気軽に手に取りやすいアイテムだと言えるでしょう。
おすすめ⑦ユナイテッドアローズ ジャーマントレーナー
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8,690円(10/25 00:13時点) Amazon ユナイテッドアローズが当時のオリジナルをリプロダクションして手掛けた、ベーシックなモデルとなっています。牛床革の光沢が非常に高級感のある一足となっており、ジャンルを選ばず大人ごなしなスタイリングに最適なデザインが魅力的です。
おすすめ⑧エムエイチエー ジャーマントレーナー
[エムエイチエー] M.H.A.style ジャーマントレーナー ホワイト ドイツ軍レプリカ 白 靴 スニーカー 10039 ...
5,390円(10/25 00:13時点) Amazon ドイツ軍が着用していたジャーマントレーナーを忠実に再現したレプリカモデルとして、リーズナブルな価格で展開しているM.H.A.Styleのアイテムです。フェイクレザーを使用しながらも、丈夫な作りとシンプルなデザインが魅力となっており、ホワイトの色味が爽やかな印象を与えます。
おすすめ⑨エンダースキーマ ジャーマントレーナー
独特なデザイン性が注目を集めるデザイナー、柏崎亮氏によってスタートしたドメスティックブランド、エンダースキーマが展開するジャーマントレーナーです。アッパーはもちろんのこと、ソールからシューレースまで全てカウレザーを使用して作られた、手の込んだ一足となっています。
通常の革靴の5倍にも及ぶパーツを組み合わせており、全て職人の手作業にて行われているため、個体差があり全く同じものは仕上がらないという、こだわりの深さがこのブランドならではとも言えます。使用される革は、履きこむほどにアメ色に変わっていき、本革特有の経年変化を楽しむこともできます。
また、スニーカーと同様のクッション材を使用し、履き心地や履き馴染みも良くなっているので、タウンユースとしても着用できるでしょう。民芸作品のような趣ある世界観や雰囲気を感じることのできる、ファッショナブルな逸品であり、デザイン性にこだわりたい方におすすめです。
おすすめ⑩テットオム ジャーマントレーナー
日本人デザイナーの加藤和孝氏によって創立されたドメスティックブランド、テットオムのジャーマントレーナーです。スロバキアの工場で作られた一足で、カラーバランスの良いシャープでスマートなデザインが魅力となっています。
ソールには凹凸が作られており、足場の悪い道でも歩きやすく、クッション性の良いソールは長時間の歩行でも疲れにくいでしょう。スタイリッシュなシルエットが、大人な印象を与えてくれます。
ジャーマントレーナーのおすすめコーデ術
ここでジャーマントレーナーを取り入れた、おしゃれなおすすめコーディネートをご紹介します。一見スポーティーやカジュアルなコーデにしか合わないように見えますが、実はきれいめフォーマルな着こなしにもマッチする万能アイテムなので、ぜひ参考にしてみてください。
おしゃれコーデ①コート × ジャーマントレーナー
オールブラックでタートルニット、スリムなチノパン、チェスターコートとシックにまとめ、あえてホワイトのジャーマントレーナーを足元に持ってくることで、重たすぎない抜け感をしっかりと出しています。
フォーマル感を出したスタイリッシュな大人コーデで、革靴を合わせがちですが、上品でスマートなジャーマントレーナーでもしっくりきます。デートなどは、気張りすぎない着こなしのほうが相手にも安心感を与えられるため、きれいめなスタイルにも非常におすすめです。
おしゃれコーデ②ライダースジャケット × ジャーマントレーナー
ジップタイプのライダースジャケットに、ブラックデニム、そしてブラックのジャーマントレーナーとワイルドな男らしいスタイルです。レザーを使用しているジャーマントレーナーに、レザージャケットを合わせることで、通常の上品な印象とはまた違った表情になり、かっこよくキマります。
あえてライトベージュのインナーにしているところも、ごつくなり過ぎず、ライダースの高級感とレザーの質感をしっかり引き立たせています。
おしゃれコーデ③パーカー × ジャーマントレーナー
スポーティーな印象の無地ブラックパーカーときれいめなグリーンのスラックス、ホワイトのジャーマントレーナーという、カジュアルベースにきれいめをミックスしたシンプルなコーディネートです。
ブラックとホワイトのカラー展開が基本となり、柄も描かれないジャーマントレーナーには、色モノや柄モノのアイテムがとても良く合います。
特にこのスタイルのように無地のパーカーを着用した際には、デニムや無地スキニーなどのシンプルなカジュアルスタイルも良いですが、色や柄のあるアイテムを中間に挟むことで、一気におしゃれ度がアップします。
特にレザーやスエードを使用したジャーマントレーナーは、スラックスのようなフォーマルなパンツとの相性もピッタリなので、ぜひ試してみてください。
自分に合ったジャーマントレーナーを見つけよう
通常のスポーティーなスニーカーとはまた異なった雰囲気を持つジャーマントレーナーですが、シンプルかつ上品なシルエットが特徴なためどのようなコーディネートにも合わせやすく、使いまわしの効くアイテムとして非常に高い人気を誇ります。
季節を選ばないところも魅力的であり、オールシーズン活躍するシューズです。現在では様々なアレンジがなされたモデルも数多く販売されているため、自分好みのアイテムを見つけて、ぜひコーディネートに取り入れてみてください。
提供元・KASHI KARI
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