昭和の香りが残る「喫茶店」や「純喫茶」と、お洒落な雰囲気を感じさせる「カフェ」。これらは、言葉から感じる表面的なイメージだけでなく、法律的・歴史的に大きな違いがあるのをご存知だろうか。この記事では、喫茶店・純喫茶・カフェそれぞれの呼び方で、そのお店の特徴がどう異なるのか、詳しく解説する。

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(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

喫茶店とカフェの違いとしてあげるなら、まずは雰囲気についてだろう。喫茶店といえば、抑えめの照明や、レトロで落ち着いた雰囲気のイメージだ。かかっているBGMは落ち着いたクラシック・ジャズ(バラード)・歌謡曲などだ。また、個人経営で小ぢんまりと営業している店が多い。

一方のカフェは、店内が明るくお洒落で開放的な雰囲気が頭に浮かぶ。BGMには陽気なボサノバやモダンジャズのように、気分を楽しくさせてくれる陽気な曲がぴったりだ。また、喫茶店同様、個人で経営されている店もあるが、チェーン展開され規模の大きな店舗が多いのもカフェに見られる特徴だ。

イメージ的に上記のような違いがある喫茶店とカフェだが、食品衛生法という法律からみた違いも大きい。喫茶店を開業するためには、「喫茶店営業許可」が必要となる。喫茶店営業許可を持っていれば、コーヒーやソフトドリンク、菓子・ケーキなどの軽食の提供が可能だ。

対してカフェを開業するには、「飲食店営業許可」が必要だ。この許可があると、喫茶店ではできない複雑な調理を必要とする食事や酒類の提供も可能となる。カフェにインスタ映えするような洒落た「カフェ飯」が並ぶのも、この許可をとっているためだ。

このように解説すると、喫茶店でナポリタンやカレーのような定番メニューがあるのを不思議に思う方もいるだろう。それは、そのお店が飲食店営業許可をとっているためだ。飲食店営業許可さえあれば、喫茶店と名前をつけていてもカフェのように食事や酒類の提供が可能になるというわけだ。

昭和レトロ感が味わえる「純喫茶」とは

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(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

喫茶店の中には、「純喫茶」と名乗るお店がある。飲食店営業許可さえあれば喫茶店でも種類が提供できることは話したが、純喫茶では基本的にお酒の提供はしない。純喫茶で飲めるのはコーヒーやソフトドリンクに限られる。

純喫茶とは何か深く知るためには、喫茶店の歴史的な背景についても見ておきたい。日本で喫茶店が一般化した大正~昭和の初期には、アルコ―ルを提供したり女給(女性店員)による接客サービスを売りにしたりするお店が流行った。そんな風潮のなか、「うちでは純粋にコーヒーを楽しんでもらいたい」というお店が、「純喫茶」と名乗るようになったわけだ。

今でも純喫茶を名乗っているお店は、その頃の名残かコーヒーを売りにしており、昔ながらのレトロで落ち着ける喫茶店であることが多いようだ。くつろげる喫茶店を探しているなら、純喫茶というキーワードを目印に、お気に入りの店を探してみてもよいだろう。

男の隠れ家デジタル編集部
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我々は、あらゆるテーマから、徹底的に「隠れ家」というストーリーを求めていきます。

提供元・男の隠れ家デジタル

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