SKイノベーションの素材事業子会社であるSKアイイーテクノロジー(SKIET)が最近、欧州初生産拠点のポーランドで、リチウムイオン電池分離膜工場の竣工式を開催したと、韓国newdailyが報じた。

11日、SKイノベーションによると、今回完成したSKIETポーランド第1工場は、約21ヵ月間の工事を終え、6月の機械的完成に続き、8月にテスト稼動に入り、第4四半期に商業稼動を開始する計画だ。

グローバル自動車市場の中で最も大きい電気自動車(EV)市場に挙げられる欧州で、SKIETが初めて年産3億4000万平方メートル規模で分離膜生産基地を現地で確保したのだ。これは30万台以上の電気自動車に搭載可能な量で、SKオンなどグローバルバッテリー社に供給される。

SKIETのノ·ジェソク社長は「電気自動車バッテリーの核心材料である分離膜をSKIETが初めてヨーロッパ·ポーランド工場で生産したことにより、会社の成長とともにヨーロッパの電気自動車市場の活性化に貢献するものと期待している」とし「ポーランド内にあるバッテリー会社だけでなく、ハンガリーをはじめとするヨーロッパや米国に供給することで、ポーランド地域の経済発展にも役立つよう努力している。

SKIETはポーランド·シロンスク州に2024年までに総額2兆ウォン(約1894億円)を投資し、欧州で最大規模となる15億4000万平方メートルの分離膜生産能力を確保するという計画だ。

テスト稼動中の第1工場をはじめ、年産3億4000万平方メートル規模の第2工場は2020年の商業稼動を目標に建設中であり、それぞれ4億3000万平方メートル規模の第3、4工場も7月に着工に入った。これにより韓国、中国、ヨーロッパを含むSKIETのグローバル生産規模は総額27億3000万平方メートルに達する見通しだ。

強力なエコ政策の推進を受け、電気自動車の普及が最も活発に行われている欧州は、中国や米国と共に、グローバル電気自動車3大市場の一つといわれている。

市場調査機関のIHSマークィットによると、欧州の電気自動車バッテリー市場は、今年の82GWhから2026年には5倍以上増加した約410GWhに増えたことを受け、バッテリー分離膜需要も共に増加するものと見られる。

リチウムイオンバッテリーの4大核心素材の一つである分離膜はバッテリーの安定性と密接な素材で、SKIETは主要グローバルトップバッテリー会社に供給している。

特に高密度バッテリーに対する需要が高まると同時にバッテリーの安定性に対する重要性が高まり、高品質分離膜に対する需要も高まっている。 まだ一件の火災も発生していないSKIETの分離膜は、欧州市場でも高品質な分離膜として認められている。

ティア1(Tier1)湿式分離膜市場で世界トップのSKIETは、ポーランド第1工場の商業稼動を皮切りに、欧州バッテリー分離膜市場における先行シェア獲得に向け本格的にエンジンをかける。欧州のSKIET生産基地で生産される分離膜はすでに第2工場はもちろん、第3·4工場で生産される物量まで速やかに契約が締結されるほど「ラブコール」を受けている。

ティア1分離膜市場とは、電気車市場を率いるトップ完成車メーカーに搭載されるバッテリーに供給される分離膜製品市場を指す。グローバル1位のSKIETをはじめ、日本の旭化成、東レなど高品質な分離膜を生産できる企業だけが参入している。

一方、SKIETポーランド法人は先月末、海外市場への投資ポーランド企業とポーランドへの投資海外企業を対象に授与される「第5回国境なき投資者(Investor without Borders)」にアマゾン、トヨタなどのグローバル企業とともに今年の受賞者となった。

この賞は頭角を現した海外市場への投資ポーランド企業とポーランド市場への投資海外企業を対象に毎年授与されるもので、受賞者はポーランドへの投資者誘致およびポーランド企業の海外進出を支援する団体、自治機関、政府機関などが参加して選定する。今年はポーランド企業4社と海外企業5社が受賞した。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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