今の時代、出歩く際にスマートフォンを持ち歩かない人のほうが少数派だ。読者の方々も、出先であったり移動中にメール・チャットやちょっとした調べもの、暇つぶしなどの際に重宝していることだろう。しかしそんなスマホの利用データが、知らない間にスマホの製造メーカーなどに送られていたとしたらどうだろうか。

今回は、世界の研究チームが発表した、スマホで行われているユーザーの意思にそぐわない利用データの流出についてお伝えしていきたい。

サムスン・シャオミなどのスマホが知らぬ間にユーザーデータを取得している?

Androidユーザー要注意!? サムスン・シャオミなどのスマホが大量のユーザーデータを取得か
(画像=Framesira / Shutterstock.com、誰でも1つくらいは「他人に知られたくないアプリ」が入っているのでは?、『オトナライフ』より引用)

誰でも1つくらいは「他人に知られたくないアプリ」が入っているのでは?

 Haoyu Liu氏とDouglas Leith氏の研究チームの調査発表によれば、調査対象となったサムスンやシャオミといったスマホメーカーが独自に開発する6種類のAndroid OSのうち、実に5種類ものOSで「最小限の構成で端末が待機状態の場合でも『かなりの量』のデータを送信していることが判明」したという。また確認された送信の中には、OSを開発したメーカーのものだけでなく、グーグルやマイクロソフトといったサードパーティー企業のものも含まれていたという。

 具体的に収集されていたデータとして伝えられているのは、「インストールされたアプリのリスト」「アプリの使用時間」「キーボードアプリの入力情報」など多岐にわたる。アプリのリストはデータ送信の判明した5種のOS全てで確認されており、スマホにインストール済みの全アプリのリストが収集されていたという。イスラム教徒の礼拝用アプリや特定政党の支持者向けニュースアプリ、同性愛者向け出会い系アプリといった、インストールしていることでユーザーの思想や嗜好が知られてしまうアプリ情報の漏えいが懸念されている。

 またシャオミ製スマホはユーザーがどのアプリをいつどれだけの時間使用したかなどのデータを送信していたといい、ファーウェイ製スマホではマイクロソフトの仮想キーボードアプリ「SwiftKey」の使用状況をマイクロソフトに送信し、テキストを書いたり検索バーを使用したタイミングや入力文字数などがわかってしまうのだという。