世界トップの半導体ファウンドリ(委託生産)会社である台湾TSMCが、米政府の核心機密資料の提出要求に拒否する方針を明らかにし、国内半導体企業の今後の対応策に関心が集まっている。サムスン電子·SKハイニックスは米国政府の要請を完全に拒否しにくいだけに、韓国政府と協力して敏感な資料は提出対象から除外するなど情報提供範囲を制限する方向で米政府との合意点を模索するという見通しが出ている。韓国ファイナンシャルニュースが報じた。

11日、関連業界によると、TSMCは今月14日に開かれる投資家カンファレンスで米政府が要求した半導体関連資料に対する対応策を主要案件として取り上げ、議論する予定だという。米商務省が11月8日までに各メーカーに提出を要求したアンケート調査資料は計14項目だ。グローバル半導体メーカー各社は、この3年間生産した半導体の種類や販売実績、主要顧客3社と各顧客の注文量、主力製品の在庫、増設計画など、企業の生き残りに直結する営業機密が多く含まれている。企業の極秘資料が外部に漏れた場合、顧客企業との価格交渉などで不利になるうえ、顧客企業との法的紛争の可能性も排除できないという点で、半導体メーカーの悩みは深まっている。

現在、TSMCは公式的な立場を示さず、米政府が提出を要求したアンケートの内容を精密に評価している段階だ。しかし、TSMC側は、顧客企業の情報など、重要機密資料を提出しない意思を明確にしている。シルビア·パンTSMC法務責任者は「心配するな。会社の敏感な情報、特に顧客企業関連情報は絶対漏らさない」と強調した。

台湾政府もTSMCへの援護射撃に踏み切った。台湾現地メディア台北タイムズによると台湾NDC(国家発展協議会)のクンミンシン長官は「機密顧客情報を漏らさなくてもワシントンに十分な情報を提供できる」と述べた。クンミンシン長官は、TSMCの持分6%を保有している台湾の政府系ファンド・国家発展基金(NDF)の代表だ。

サムスン電子とSKハイニックスは、米政府の資料提出要求と関連し、まだ具体的な立場を明らかにしていないが、内部に当惑の色がありありと見える。

個別企業レベルでは対応が難しいだけに、政府が主導的に乗り出すべきだという声が高まる中、韓国政府は米国側に懸念を伝え、18日に「対外経済安保戦略会議」を開き、半導体業界と対応策を議論することにした。米国政府が資料提出を拒否する際、軍需法人「国防物資生産法(DPA)」の動員まで示唆しているだけに、営業機密を露出することを最小化する水準で資料提出を検討するという観測が出ている。業界関係者は「資料提出を完全に拒否した場合、米国の制裁が避けられない」とし「営業機密露出の可能性などを検討した後、米政府と妥協点を模索する可能性が高い」と述べた。

文・korea-marketing/提供元・コリア・エレクトロニクス

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