コットンの価格が上昇しており、ファッション業界に影響が広がる可能性があると海外メディアが報じている。10月第2週に1ポンド(約454グラム)あたりのコットンの価格が1.16ドル(約132.24円*)まで上昇し、これは2011年7月以来の高水準記録である。

 2011年7月、コットンの価格は1ポンドあたり2ドル(約228円*)を超え、世界の主要なコットン生産国であるインドでは当時、国内のパートナーたちを守るために輸出を制限したほどだった。「リーバイス(Levi's)」の最高責任者チップ・バーグ(Chip Bergh)は「(価格高騰によるダメージが深刻で)2011年には祈祷会をしなければならなかった」と投資家に語った。

 当時、コットン製のTシャツは平均1.5ドルから2ドル(約216円から228円*)値上がりし、企業の収益だけでなく消費者にも影響を及ぼした。今回のコットン値上がりによるファッション業界への影響について、専門家は2011年の時ほどの被害をもたらすものではないと分析している。

 今回の価格高騰の原因として考えられるのは、異常気象とアメリカの中国・新疆ウイグル自治区に対する政策だ。コットン生産量3位のアメリカでは干ばつや熱波などの被害があり、世界最大の生産量を誇るインドでもモンスーン(季節風)による雨が不足するなど、異常気象が原因の一つだと考えられている。もう一つの原因として、昨年12月にトランプ政権が、少数民族に強制労働をさせているとし、新疆ウイグル自治区からのコットンやコットン製品の輸入を禁じた政策が挙げられる。この制限はバイデン政権下でも継続しており、価格高騰に影響を及ぼしたと考えられる。 

*1ドル=114円(10月17日時点)

文・安江侑花/提供元・SEVENTIE TWO

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