Bonjour!
フランスでも知らない人はいないほど有名なファッションデザイナー高田賢三氏。数々のクリエイションは高く評価され、2020年10月の逝去の際にはフランス大統領官邸も追悼声明を発表するほどフランスで功を成し、またフランスに愛された日本人でした。
2021年5月、高田氏の遺した美術品や家具がご家族の意向により、パリでオークションに出品されることになりました。今回はそんな高田賢三氏のパーソナルコレクションの一般公開の様子をご紹介します。
目次
シャンゼリゼのオークションハウス「アールキュリアル」
オークションが行われたのはシャンゼリゼ通りに本社を構える「アールキュリアル」。大統領官邸であるエリゼ宮や美術館グラン・パレにほど近い、瀟酒な19世紀の建物内にあります。
競売にあたり、家具、絵画、骨董品などおよそ600点がサンジェルマン・デ・プレ地区にある高田氏のアパルトマンから運び込まれました。
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高田氏のアパルトマンの素晴らしいインテリアを丁寧に再現
高田氏が晩年を過ごしたサンジェルマン・デ・プレのアパルトマンは、その類稀なるインテリアセンスでしばしば話題になり、日仏の様々なメディアでも紹介されていました。
アールキュリアルはそんな高田氏のアパルトマンの雰囲気を壊さないよう丁寧に再現して展示。エントランス、仕事場、応接間....高田氏の息吹が感じられるかのようでした。
また、多くのフランス人が訪れており、フランスでの高田氏の人気の高さを感じました。
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デザイナー本人の絵画や有名アーティストの作品がズラリ
出品は家具や食器から骨董品、絵画まで多岐にわたります。高田氏は絵画も多く描かれており、ご自身の作品も何点か出品されていました。
中でも美しかったのは日本の伝統衣装を描いた絵。能装束の「能面シリーズ」や、デザイン画から高田氏のインスピレーションの源を垣間見ることができました。
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デザイナー自身の絵画やデザイン画の他にも、多くの有名アーティストの作品が所狭しと飾られていました。こちらはアメリカ人アーティスト、ビリー・サリヴァンの作品「ポートレ・ドゥ・サヨコ(Portrait de Sayoko)」。日本人モデル山口小夜子さんを描いた絵画かと思われます。その他にもフランスの有名アーティスト、ジャンコクトーの作品も多数ありました。
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エキゾチックとエレガンスが融合する和洋折衷の美
展示室の中でも特にマダム達の注目を集めていたのは食器のコレクションです。バカラなどの洋食器と漆器などの和食器が絶妙に組み合わされた食卓は、エキゾチックながらも高貴で不思議な美しさがありました。
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未発表のモードのクリエイションも出品
オークションには高田氏がこれまでブランドのためにデザインした未発表のクリエイションもオンライン限定で100点あまり出品されました。独特の形と色使いに圧倒されます。こちらの展示室にも高田氏の筆による自画像が飾られていました。
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出品はすべて、評価額を大きく上回る価格で落札され、大成功のうちに幕を下ろしたそうです。アートキュリアルによると落札総額はなんと2,444,090ユーロ(約3億3千万円)!さすが日本の、フランスの、そして世界のKENZOです!
誰でも気軽に見学できるオークションハウスに行ってみよう
今回ご紹介したアートキュリアルや9区にあるオテル・ドゥルオーなどのオークションハウスでは、ほぼ毎日、美術品やアンティーク、ジュエリーのオークションが行われています。
誰でも予約なしで無料で見学できますので、観光の際にはギャラリーに立ち寄る感覚でぶらり覗いてみるのもオススメです。
文・写真・N.L.Paris/提供元・たびこふれ
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