J.フロントリテイリングは10月12日、2022年度第2四半期決算(6〜8月期、国際会計基準)を発表した。第2四半期の総額売上高は2114億円(前年同期比2.3%増)、営業利益は24億円(同62.4%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は10億円(同73.5%減)だった。上期(3〜8月期)の総額売上高は4021億円(前年同期比25.4%増)、営業損益は13億円の赤字(同206億円の赤字)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は19億円の赤字(同161億円の赤字)だった。コロナ禍による政府・自治体の休業要請、時間短縮、入場規制など影響が長期化したものの、事業利益は黒字を確保し、また事業利益、営業利益、当期利益とも6月予想を上回った。

主軸となる百貨店事業においては、新型コロナ感染第5波の影響により第2四半期に入ってからの回復テンポが想定より鈍化してしまったことがあり、販管費のさらなる圧縮には努めたものの結果として事業利益は黒字確保には届かず。営業利益は、休業に伴う雇用調整助成金などその他の営業収益増加により前年同期比で大きな回復を見せた。大丸松坂屋百貨店の主要店舗別売上を見てみると、外商顧客など固定客に強みを持つ神戸店、名古屋店は堅調に回復しており、一方鉄道旅客輸送への依存度が高い東京店、梅田店は相対的に苦戦を強いられているようだ。

SC事業においては、百貨店と同じく緊急事態宣言、まん延防止重点措置による休業や営業時間短縮の影響を大きく受けたが、原価圧縮、販管費削減に努め、事業利益、営業利益ともに黒字は確保できている。エンタメ関連は各種制限が続き、ヌーヴ・エイ社は6月末で株式譲渡により連結除外となる。

下半期に関しては、国内は徐々に行動制限や時短要請が緩和され第3四半期後半から第4四半期にかけて百貨店における国内消費の回復テンポが上昇し、インバウンドは今年度中の入国制限緩和はないという2点の想定のもと、総額売上高は5,198億円になるという業績予想が立てられた。ただし、同社は状況悪化にも備え、複数のシナリオで打ち手を検討している。

文・西岡愛華/提供元・SEVENTIE TWO

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