現在はカローラツーリングの販売好調でスポーツワゴン復権の兆しがあるトヨタですが、王者スバルの圧倒的シェアにもメゲず、地道にラインナップしてきたステーションワゴンの努力がやっと報われるのかもしれません。
そんなトヨタの歴代ステーションワゴンから、名車と呼ぶにふさわしい3台を厳選してご紹介します。
初代L20G系スプリンターカリブ(1982年)
ステーションワゴンと言えば「商用ライトバンの乗用登録版」だったトヨタが、1980年頃に商用車やオフローダーをカッコよく乗る「第一次RVブーム」に乗り、初のワゴン専用車として登場。
スバル車同様、エンジン縦置きFF車(ただし水平対向ではなく直列4気筒エンジン)で、後輪駆動のリア周り一式を追加すれば4WD化が容易だった2代目タコII(ターセル/コルサ/カローラII)をベースに、全車4WDでデビューしたのが特徴でした。
簡素なパートタイム4WDとはいえ、アウトドア志向なレジャー向けクロスオーバーSUVの先駆者であり、テールゲート脇の縦型テールランプなど、デザイン面でもさまざまな車種へ影響を与えています。
7代目E100G系カローラツーリングワゴン(1991年)
1990年頃からのステーションワゴンブームで、各社ともステーションワゴンへ力を入れたものの、商用ライトバンへちょっとお化粧した程度の乗用登録仕様では、人気が今ひとつ。
トヨタも7代目カローラのツーリングワゴンにスポーツエンジン4A-Gを積むなどのテコ入れでは煮えきらず、1997年に3度目のマイナーチェンジを敢行。
ライトバンからデザインを差別化、有名タレントにユニットを組ませた「カロゴンズ」にCMソングを歌わせた宣伝戦略で、1991年のデビューから6年目という、いい加減モデル末期に遅咲きのヒットとなりました。
通称「カロゴン」は、車自体は平凡でも、デザインや宣伝でいかようにもなる!という好例です。
11代目S170W系クラウンエステート(1999年)
11代目クラウンエステート アスリート 3ナンバー高級ワゴンは1990年代ワゴンブームでも意外と穴場で、1996年に日産が大型FRスポーツのステージアをヒットさせますが、カムリグラシア、マークIIクオリスなどトヨタの大型FFワゴンはいずれも低調。
そこで、FRのクラウンワゴンをモデルチェンジ、当時の11代目クラウンと同じくアグレッシブなフロントマスク、強力な2.5リッターターボ1JZ-GTEを搭載した「クラウンエステート」としてデビューさせると、その重厚さとパワーでヒットしました。
結果的にはワゴンブームの終焉で1代限り、最後のクラウンワゴンとなりましたが、塗装など品質の高さもあって、高級ビジネスワゴンとしても人気のあったモデルです。
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文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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