世界の自動車市場に「電気自動車(EV)ブーム」が吹き荒れる中、韓国のバッテリー企業の堅調な成長が続いている。

中国の主要バッテリー企業が3ケタの成長率を記録した状況の中、韓国企業は完成車企業との協力関係を強固にし、市場競争力を維持しているものと分析される。NewsQuestが報じた。

市場調査会社SNEリサーチが29日に発表したところによると、今年1月から8月にかけて販売された世界の電気自動車(EV、PHEV、HEV)に搭載されたバッテリーエネルギー総量は162ギガワット時(GWh)で、前年同期比2.4倍増加した。

このうち、韓国国内企業は34.8%のシェアを記録し、成長を続けた。前年同期(35%)とほぼ同じ水準を維持している。

このうち、LGエナジーソリューションは24.5%のシェアで2位に名を連ねた。バッテリー使用量は39.7GWhで、昨年同期(15.6GWh)より約154.4%増加した。

SKイノベーションのシェアは5.4%で、今回もライバル会社のサムスンSDI(4.9%·6位)を抜いて5位となった。SKイノベーションは今年1~7月に上位5位圏入りするのに初めて成功した。

SKイノベーションは1~8月、バッテリー使用量が8.8GWhで、前年同期(3.7%)より140.9%成長した。同期間、サムスンSDIのバッテリー使用量は7.9GWhで、昨年同期の4.4GWhより77.9%増加した。

3社の成長の背景には、各社のバッテリーを搭載した完成車企業各社の販売好調がある。

LGエナジーソリューションはテスラモデルY(中国製)、フォルクスワーゲンID.4、フォードマスタングマッハE、SKイノベーションは起亜(キア)自動車でEV·現代(ヒュンダイ)自動車アイオニック5、メルセデスベンツGLE PHEVなどの販売増加の影響を受けた。

サムスンSDIも、フィアット500やアウディE-トロンEVなどの販売増加で、成長の勢いを示した。ただ、フォルクスワーゲンのe-ゴルフの販売が急減し、他の国内企業より強い成長振りを見せていないものと見られる。

中国企業も躍進している。最も注目されている企業は中国のCATLだ。CATLの1~8月、電気自動車用バッテリーシェア30.3%を記録し、1位の座を守った。

バッテリー使用量は49.1GWhで、前年同期(15.8GWh)より210.8%成長した。昨年1~8月にはLGエナジーソリューションと似たような使用量を記録したが、約1年で格差をさらに広げた。

中国のBYDもシェア7.7%を達成し、SKイノベーションを抜いて4位につけた。バッテリー使用量も12.5GWhで、前年同期(4.0GWh)より216.1%成長した。

このほか、CALBはシェア2.9%で7位、Guoxuanは2.0%で8位を記録した。これらのシェアは昨年それぞれ1.8%だったが、1年ぶりにサムスンSDIを追いかけている。

SNEリサーチは「中国系企業の厳しい圧迫にも国内3社が善戦している」としながらも「CATLとBYDをはじめ中国系企業の攻勢は短期間で収まらないものとみられる」と診断した。

続いて「国内3社は競争力強化と成長戦略整備などを推進する必要がある」と指摘した。

一方、日本のバッテリー企業は、市場平均に及ばない成長率を記録し、大半のシェアが低下したことが分かった。

パナソニックの1~8月のシェアは13.3%で3位を守ったが、昨年同期の20.8%より7.5ポイント下落した。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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