目次

  1. 1. ローラースケートを履いて仮面舞踏会へ
  2. 2. 学生寮に現れたお化け
  3. 3. ハロウィンの定番ゲーム「キャンドル吹き」
  4. 4. 魔法や異国文化への憧れを象徴するコスチューム
  5. 5. ハロウィンのダンスパレードに向かう少女たち
  6. 6. 「アップルボビング」ゲームでりんごを咥える少女

もうすぐハロウィン本番。

日本ではすっかり「コスプレパーティ」に変化しましたが、100年前に米国の人々が実際にしていたハロウィンのコスプレも中々気合が入っており、日本では味わえない「本場感」が満載です。そして仮装の裏にあるハロウィンの歴史や背景を知れば、日本のハロウィンパーティーをもっと楽しめるかもしれません。

1. ローラースケートを履いて仮面舞踏会へ

やたらシュールな100年前のハロウィンのコスプレ。その裏にある歴史秘話とは
(画像=Credit: Dazo Vintage Stock Photos, Images.com, Corbis、『ナゾロジー』より引用)

100年前の米国では、頻繁に仮面舞踏会が行われており、バレンタインデーや年越しパーティにも仮装して参加するのは普通のことでした。特に「社交クラブ」が開くハロウィンパーティーは、夏を避暑地で過ごし、夏の終わりに地元に帰って来た人々が再会する最初の大きな行事だったので、誰もが気合いを入れて仮装していたのだとか。この女性が履いているローラースケートも、そんな「気合」のうちの一つかもしれませんね。

しかし、決して上流社会だけの楽しみというわけではありません。人々は身分の上下に関係なく、思い思いのコスチュームを身にまとってお祭り気分を満喫したのです。ちょうどこの頃は、民主化運動が盛んになり、大衆文化が花開いた時代でもありました。すべての人々が自分らしい方法で祝うことができるハロウィンは、まさに「平等」を象徴する行事だったのです。

2. 学生寮に現れたお化け

やたらシュールな100年前のハロウィンのコスプレ。その裏にある歴史秘話とは
(画像=Credit: Historic Photo Archive, Getty Images、『ナゾロジー』より引用)

この写真は、1905年、米国のとある田舎町の学生寮でお化けの仮装をして立つ人。

卓上にはハロウィンのデコレーションが所狭しと並んでいます。100年前の人々はハロウィンのコスチュームやデコレーションを、トウモロコシの茎、野菜、木の枝葉といった、自然の中にある事物からヒントを得て手作りしていました。

特に1840〜1900年にかけてのビクトリア時代の米国では、ハロウィンは「土臭い田舎のお祭り」と見なされていたようです。産業革命がもたらした貧困、公害、労働問題などの問題の中で、人々は大地や自然界とつながることができるシンプルな時間を欲していたのだとか。ハロウィンが持つ旧世界的で素朴な世界観が、人々を惹きつけたのでしょう。

3. ハロウィンの定番ゲーム「キャンドル吹き」

やたらシュールな100年前のハロウィンのコスプレ。その裏にある歴史秘話とは
(画像=Credit: Bettmann, Corbis、『ナゾロジー』より引用)

目隠しをした子どもたちが、キャンドルの火を吹き消す”blow out the candle”(キャンドル吹き)を行う様子。

1900年代の米国で人気だったハロウィンの定番ゲームで、当時出版されたハロウィンパーティーの本にもたびたび登場します。この頃、米国のハロウィンは主に小さな子どもたちのためのお祭りだったのですが、1978年にホラー映画『ハロウィン』が公開されて以降は、映画に登場する血まみれの衣装や演出の影響で、若者や大人の間でも人気が出るようになりました。

4. 魔法や異国文化への憧れを象徴するコスチューム

やたらシュールな100年前のハロウィンのコスプレ。その裏にある歴史秘話とは
(画像=Credit: Vintage Images, Alamy、『ナゾロジー』より引用)

1910年に撮影された魔女か魔術師、もしくはピエロに扮した女性の写真。星や月の模様は、ハロウィンの象徴「夜」を表すとともに、ハロウィンの「不気味な雰囲気」に結びついた神秘主義や魔法に人々が魅了されていたことの証かもしれません。

初期のハロウィンのコスチュームは、人々の異国文化への関心を反映しています。たとえば、エジプト風の衣装からは、神秘的な古代エジプト文化に対する人々の憧れを伺い知ることができます。

5. ハロウィンのダンスパレードに向かう少女たち

やたらシュールな100年前のハロウィンのコスプレ。その裏にある歴史秘話とは
(画像=Credit: Bettmann, Corbis、『ナゾロジー』より引用)

1918年10月25日に撮影された、ハロウィンのダンスパレードに向かう少女たちの写真。

一人は「卍」模様の衣装を身に纏っていますが、20世紀半ばにナチスの台頭以前は、この模様は古代のインド宗教における「生命」の象徴などのまったく異なる意味を持っていたとのこと。

20世紀前半、舞踊学校、協会、婦人団体、軍隊などの公的・私的組織のほとんどで、子ども向けのハロウィンパーティーが行われていました。ハロウィン時期の子どもたちの夜遊びを防ぐため、パーティーを開いて子どもたちを忙しくさせたのがその理由の一部だったようです。

6. 「アップルボビング」ゲームでりんごを咥える少女

やたらシュールな100年前のハロウィンのコスプレ。その裏にある歴史秘話とは
(画像=Credit: Underwood & Underwood, Corbis、『ナゾロジー』より引用)

1900年代初頭、たらいに浮かんだりんごを咥える少女。写真はちょっと怖いですが、これはApple Bobbing(アップルボビング)というハロウィンの伝統的なゲームの一コマです。

ハロウィンは、ヨーロッパのケルト人が2,000年前に始めたサウィン祭(ケルト歴における1年の始まり、つまり夏の終わりと冬の始まりを祝った祭)がその起源だと言われています。夏の収穫を祝う祭だったため、りんご、木の実、キャベツなどの農作物と結びつけられていました。今日、ハロウィンは特定の個人、民族、行事とは無関係のお祭りに変化し、「指標」として世相を表すものになりました。たとえば、2011年の9.11直後のハロウィンでは、多くの米国人が消防士の仮装をしたそうです。

提供元・ナゾロジー

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