Point
・4歳から94歳までの自己肯定感の平均推移が発表された
・自己肯定感は、10代の頃に停滞するものの60代まで高まり続けることが分かった
・90代になると急激に自己肯定感が低下することも判明した
自己肯定感は60代で最も高くなるという研究結果が発表されました。研究結果はPsychological Bulletinに掲載されました。
研究者らが分析したのは、過去に行われた191個もの自己肯定感に関する研究。その研究データは約16万人にも及びます。彼らは、人口統計と年代を調査することで年齢と自己肯定感の関係について広範囲な結果を示すことに成功しました。
研究によると、自己肯定感が初めに高まるのは4歳から11歳の間です。その年頃の子どもたちは社会的にも認知的にも発達し、自立心を養います。
興味深いことに、中学生前後の11歳から15歳の頃には、自己肯定感の上昇は見られませんでした。10代前半の多感な時期は自己肯定感が低下すると考えられてきましたが、グラフでは横ばいです。
15歳からは安定して上昇し、30代まで大幅な上昇が見られます。そしてその後徐々に高まり60代でピークを迎え、70代まで安定します。
しかし、70代を過ぎると自己肯定感の低下が見られます。90代になると大幅に低下してしまいます。これは、退職などによって社会的役割を失ってしまい、家に引きこもりがちになって自己肯定感が低下すると考えられています。また、経済状況や認知能力、健康による影響も要因に挙げられます。
論文共著者のオース・ウルリヒ氏は、「多くの人にとって中年というのは、人間関係や仕事などで非常に安定した生活を送れます。さらに、個々人の社会的役割を果たすことができるために自己肯定感が高いのでしょう」と述べました。
via: Time / translated & text by ヨッシー
提供元・ナゾロジー
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