さつまいもの歴史と名前の由来、旬や生産地とは? さつまいもの栄養素とカロリー、美容やダイエットに良いとされる効果効能について徹底解説! また、さつまいもダイエットの正しいやり方と効果的な食べ方もご紹介。さつまいもダイエットの注意すべき点まで詳しくお伝えします!
目次
さつまいもとは?さつまいもの豆知識
栄養補給にも便利な食材として、昔から多くの人に親しまれているさつまいも。 焼きいもをはじめ、天ぷらや大学いも、スイートポテトにさつまいもチップスなど、さまざまな料理やお菓子に使われている、身近な食材のひとつです。
さつまいもは、ヒルガオ科サツマイモ属の一種で、植物の根が肥大した部分のことを指します。別名「甘藷(かんしょ)」とも呼ばれています。
さつまいもの歴史と名前の由来
さつまいもの原産地は熱帯アメリカと考えられており、熱帯アメリカからヨーロッパ、中国、そして日本へと伝えられてきました。その後、400年ほど前に琉球(今の沖縄県)から薩摩(今の鹿児島県)へと伝えられたといわれています。 中国から伝わったことから「唐いも(からいも)」と呼ばれるようになり、江戸幕府へと伝えられた時に薩摩藩から伝わったことから「薩摩いも(さつまいも)」と呼ばれるようになりました。
さつまいもの旬と生産地
さつまいもの旬といえば秋のイメージが強いですが、さつまいもの収穫は8月から始まり11月頃まで続きます。実はさつまいもは採れたてより、収穫してから2~3ヵ月貯蔵した方がおいしくなります。なぜなら、2~3ヵ月貯蔵することで余分な水分が抜け甘みが増すからです。このことから、旬の食べ頃は10月~1月といえるでしょう。
さつまいもは日本の全都道府県で作られていますが、農林水産省が出した統計(令和2年)によると、もっとも生産量が多い産地は鹿児島県で、2位が茨城県、3位に千葉県と続きます。北海道や東北地方でも栽培はされていますが、さつまいもは寒さに弱いため、生産量は少なめです。
おいしいさつまいもの見分け方
おいしいさつまいもを見分けるコツは、皮の色が濃くツヤがあり、でこぼこが少ないものを選ぶことです。色の濃いさつまいもはしっかりと育った証でもありますし、でこぼこが少ないものは筋が少なくなっています。くぼみが深いとひげ根が生えている場合もあるため、できるだけくぼみの浅いものを選ぶようにしましょう。
さつまいもの保存方法
さつまいもは適切な方法で保存することで半年間ほど貯蔵できます。 おすすめの保存方法は、土がついたまま1本ずつ新聞紙に包んでダンボールに入れ、高温多湿を避けた場所で保存することです。傷が付いているものや皮がむけているものは保存に向いていないため、早めに消費しましょう。
加えて、スーパーで買ってきたさつまいもは、冷蔵庫の野菜室で約1週間保存が可能です。 スーパーで売られているさつまいもは、ほぼ洗浄されているので長期保存はできません。さつまいもは水に弱いため、一度濡らしてしまうと痛みやすくなってしまいます。常温ではなく、野菜室で保存し、1週間以内に食べきるようにしましょう。
使いかけのさつまいもについては、ペーパータオルで包んだ後ラップでくるみ、野菜室で保存するのがおすすめです。この場合も長期保存はできないため、早めに食べきるようにしてください。
さつまいもの効果・効能と、おならの仕組み
さつまいも さつまいもはずっしりとしていて甘みがあり、糖分が高いことから「さつまいも=太る」というイメージがあるかもしれません。 しかし、最近はダイエット向きの食材なのでは?と、アスリートの間でも注目されています。 その理由として、さつまいもには糖質だけでなく、ビタミンや食物繊維といった豊富な栄養素が含まれていることが関係しています。
では、具体的にどのような栄養成分があるのか見ていきましょう!
さつまいもの栄養素
さつまいもは調理法によって、栄養成分が変わってくるのをご存じでしょうか。ここではさつまいもを蒸した場合と焼いた場合の栄養成分をチェックしてみましょう。
◆さつまいもの主な食品成分(可食部100gあたり)
対象 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ビタミンC | カリウム |
蒸し | 131kcal | 1.2g | 0.2g | 31.9g | 2.3g | 29mg | 480mg |
焼き | 151kcal | 1.4g | 0.2g | 39.0g | 3.5g | 23mg | 540mg |
さつまいもを蒸した時のカロリーは100gあたり131kcalですが、焼いた時のカロリーは100gあたり151kcalとなっており、同じ量でも焼いた時の方がカロリーが高いことがわかります。
加えて、炭水化物が増えているのも注目すべきポイントです。これは焼いたことによって、水分が飛ばされ、炭水化物中のでんぷん質が糖化した証です。糖化することで甘みも凝縮されるため、じっくり時間をかけた焼きいもが甘くておいしい理由のひとつとなっています。
ちなみに同じ炭水化物類でもある、白米は100gあたり約160kcal、小麦は100gあたり349kcalなので、さつまいもの方がカロリーが低いことがわかります。 また、さつまいもの方が栄養価も高いことから、ダイエット向きの食材であると言えるのではないでしょうか。
さつまいもの効果・効能とは?
表から見てもわかる通り、さつまいもは食物繊維やビタミンC、カリウムなどの栄養素が豊富です。これらの栄養素には、美容やダイエットにも良い効果が期待できると言われています。
それでは早速、さつまいもの効果、効能について詳しくお伝えしていきます!
◎『食物繊維』による便秘予防や整腸効果、血糖値の上昇を抑える効果
さつまいもに含まれる食物繊維には、便秘を予防する整腸効果に加え、血糖値の上昇を抑えコレステロール値を下げる効果も期待できます。食べることでお通じが良くなり、スッキリとしたお腹周りを目指せます。
また、腸内環境が整うことで、肌の状態も良くなると考えられています。肌荒れに悩んでいる方や、コレステロール値が気になる方は積極的に食べてみると良いかもしれません。
◎『ビタミンC』によるシミやシワを予防する効果
ビタミンCは有害な活性酸素を除去し、抗酸化作用を高める働きがあるため、紫外線からのシミやシワを予防する効果があると言われています。
また、さつまいもに含まれるビタミンCは、でんぷん質に包まれているため、加熱しても壊れにくい性質を持っています。そのため、ビタミンCをしっかりと吸収することができるのも嬉しいポイントです。
◎『カリウム』によるむくみ防止や血圧を下げる効果
カリウムは、摂り過ぎた塩分を調整し体外へ排出してくれる働きがあるため、むくみ防止にも役立ちます。
また、カリウムがナトリウムとのバランスを調整してくれるので、血圧を下げる効果も期待できます。血圧が高めの人や、普段偏った食事で塩分を摂り過ぎてしまっている人は、さつまいもを食べることで健康に近づけるかもしれませんね。
さつまいもを食べるとおならが出る理由とは?
さつまいもには豊富な食物繊維が含まれています。実はこの食物繊維の働きが、おならが出る理由と関係しているのです。 食物繊維は善玉菌に分解される時と腸がぜん道運動をする時に、二酸化炭素などのガスを発生します。特にさつまいもは消化されにくく、腸のぜん道運動が活発になるため、おならが出やすくなるというわけです。
しかし、さつまいもを食べて出るおならは臭くないとも言われています。なぜなら、さつまいもを消化する時に発生するガスは、アンモニア臭がほとんど含まれていないからです。 とはいえ、食物繊維の量が増えるほどおならも出やすくなるため、気になる人は食べ過ぎないように気をつけましょう。
さつまいもはダイエット向き?正しいやり方とは?
さつまいも さつまいもの効果を見ると、ダイエットにも向いている食材だということが分かります。
ですが、間違った食べ方をしてしまうと、効果が得られないどころか太ってしまうことも。そうならないためにも、適切なさつまいもダイエットの方法をご紹介します。
ダイエットに効果的な食べ方
◎朝食や昼食時の主食をさつまいもに置き換える
さつまいもは、血糖値が上がりにくい低GI食品です。GI値とは食後血糖値の上昇度を示す指標で、GI値が高いと、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが過剰に分泌される場合があります。このインスリンが、血中の糖分を脂肪に換えて溜め込む結果、太りやすくなってしまうのです。高GI値食品とされる、ごはんや麺類をさつまいもに置き換えることで、ダイエット効果が期待できます。
ポイントとして、消費されなかった糖質が脂肪として蓄積される可能性があるため、夕食や夜食ではなく、朝食や昼食を置き換えるようにしましょう。
◎おやつ代わりに食べる
さつまいもは脂質が低いことに加え、食物繊維が豊富なため、腹持ちが良いのも利点です。その上、便秘も予防でき、むくみ防止やデトックス効果も期待できるため、おやつが食べたくなった時には蒸したさつまいもを食べることをおすすめします。
さつまいもダイエットの注意点
◎食べ過ぎに注意
さつまいもダイエットの失敗理由のひとつに、食べ過ぎが考えられます。さつまいもは決してカロリーが低いわけではありません。糖質も多いため、主食の置き換えだからと言って食べ過ぎては逆効果です。ごはん150gの代わりにさつまいも150gにする、というように同じ量に抑えるよう心掛けましょう。
◎じっくり加熱するとGI値が高くなる!
さつまいもは低GI値食品であるとお伝えしましたが、調理法によってGI値が高くなってしまう特徴があります。特に、じっくり低温で焼いたさつまいもは、GI値がごはんよりも上回ってしまうことも。
GI値が上がる理由としては、じっくり加熱することによって、でんぷん質が糖に変わることが挙げられます。そのため、ダイエット効果を感じるためには、蒸して食べることをおすすめします。
◎バターや砂糖を加えない
さつまいもを食べる時には、バターや砂糖を加えないようにしましょう。バターは脂質も多く、砂糖は糖質が高いため、ダイエットには不向きです。せっかく置き換えやおやつ代わりにさつまいもを食べているのに、脂質や糖質を増やしてしまってはもったいないので、バターや砂糖を加えるのは控えましょう。
さつまいもを簡単に調理する方法
さつまいもを食べたいと思っても、「調理が面倒だな」と感じる人もいるかもしれません。実は、蒸し器を使わなくても、電子レンジやオーブンで簡単に甘くておいしい焼きいもの味を再現することができるのです。
◆電子レンジで温める
【用意するもの】
・さつまいも 1本(300g程度)
・ペーパータオル
・ラップ
・竹串
【作り方】
①さつまいもをサッと水洗いし、濡れたままペーパータオルで全体を包み、さらに上からラップでくるみます。ラップが蒸気を閉じ込めて温度を保持するため、隙間ができないようにきっちりとくるむのがポイントです。
②電子レンジ600Wで約1分30秒ほど加熱し、その後200Wに切り替え8分~10分加熱します。200Wが無ければ解凍モードでも構いません。2段階にわけて加熱する理由は、600Wで一気に70℃まで加熱し、その状態をキープするためです。70℃を保ちながらじっくり加熱することで甘みが引き出されていきます。
③ラップとペーパータオルを少しめくって竹串を刺し、スーッと通ったらOKです。硬い場合は、もう一度ラップとペーパータオルで包み200Wで2~3分、追加で温めます。竹串が通るようになったら完成です。
【ポイント】
電子レンジで温める場合は適度な水分が必要なため、さつまいもが濡れた状態でペーパータオルに包むのがポイントです。オーブンに比べて時短ができるため、忙しい時や早く食べたい人におすすめの調理法です。
◆オーブンで焼く
【用意するもの】
・さつまいも 2~3本
・塩 適量
・キッチンペーパー
・アルミホイル
・竹串
【作り方】
①さつまいもをサッと水洗いし軽く水気を切り、塩を適量まんべんなく振りかけます。さつまいもをキッチンペーパーで包み、その上からさらにアルミホイルで包みます。
②200℃に温めたオーブンで50~60分ほど加熱します。
③アルミホイルとキッチンペーパーを少しめくり、竹串がスーッと刺さったらそのままオーブンの中で粗熱が取れるまで置いておきます。ゆっくり冷ますことでより甘みを引き出します。竹串を刺して硬い場合はさらに15分ほど追加で焼いてください。粗熱が取れたら完成です。
【ポイント】
さつまいもは洗ってから塩を適量かけることで、甘みが引き立ちます。電子レンジに比べて時間はかかりますが、一度オーブンに入れてしまえば後は放置しておくだけなので、手間はあまりかかりません。時間をかけて甘みを引き出すため、ねっとりとした濃厚な焼きいもが味わえます。
調理したさつまいもを保存する方法
次に、調理したさつまいもが食べきれなかった時の保存方法を紹介します。
◆常温保存
調理済みでも手を付けていないさつまいもであれば常温保存も可能です。新聞紙にくるんで1~2日は保存できます。しかし、食べかけやカットしたさつまいもは常温保存に適していないため、冷蔵や冷凍保存がおすすめです。
◆冷蔵保存
手で触れるくらいまでさつまいもを冷まし、ラップで包んで冷蔵庫で保存します。保存目安は4日程度です。食べかけやカットしている場合は傷みやすいため、2日以内に食べ切るようにしましょう。
◆冷凍保存
さつまいもを完全に冷まし、水気がある場合はペーパータオルなどでしっかりと拭き取ります。冷凍の場合はカットして保存するのがおすすめです。包丁で角切りにし、1食分ずつラップに包み冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。保存可能期間は2週間~1ヵ月です。食べる時は冷蔵庫で自然解凍するか、電子レンジの解凍モードを使いましょう。
まとめ
美容やダイエットにも効果が期待できるさつまいも。食べ過ぎは注意ですが、今回紹介したさつまいもダイエットの正しいやり方を参考にしながら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
旬のおいしいさつまいもを楽しみながら、健康で美しい体を目指していきたいですね。
提供元・店通-TENTSU-
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