利益率の良さからアマゾンの主役に大躍進?
そんなアマゾンの“本業”になりつつあるAWSについて、ニュースメディア・CNBCが様々な専門家へのインタビューなどを実施しAWSの利益化の仕組みについて考察した記事が話題となっている。
それによれば、Duckbill Groupのチーフクラウドエコノミストであるコーリー・クイン氏は、AWSの収益の50%は仮想サーバー構築サービス「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」によるものだと指摘したという。さらにクラウドストレージサービスも人気のようで、アマゾンのストレージサービス担当ヴァイスプレジデントMai-Lan Tomsen Bukovec氏は「数百ペタバイトから数エクサバイトのストレージを使っているユーザーもいます」と、超ヘビーユーザーがいることを明かしている。“ペタバイト”は“テラバイト”の上の単位。“エクサバイト”はさらにその上に存在する単位だ。このことからも、想像を超える規模のヘビーユーザーがいることがわかるだろう。
一方でAWSのライバルとも言えるクラウドストレージサービス・wasabiのCEO、デイビッド・フレンド氏は、AWSのストレージに保存したデータを他サービスに転送するときに非常に高額な料金が発生するため、「多くのユーザーが同サービスを使い続けることになっている」と厳しく指摘した。「下手に持ち出して無駄な料金を取られるよりも、ずっと居続けたほうがおトク」という、かつての日本の携帯電話業界の囲い込みのような話にも感じられる。
これまでのアマゾンを代表するEC事業やプライムビデオは、言ってしまえばプラットフォームを提供しているだけで、利益の中心はメーカーや出店者、映像作品の版権元が持つことになるだろう。 しかしアマゾンが自社でサービスを提供するAWSであれば、他企業に渡っていた利益もアマゾンが丸ごと獲得できる。だからこそアマゾンとしては、今後伸長させたい事業なのかもしれない。今後のアマゾンがどのように環境を整備するかにも注目していきたい。
※サムネイル画像(Image:nikkimeel / Shutterstock.com)
文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ
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