ミニマルデザインの宝庫、スカンジナビア半島なかで一番南側にあるデンマーク。アルネ・ヤコブセン、ハンス・J・ウェグナーといった有名デザイナーを多数の輩出しているデザイン大国である。
北欧スタイルのミニマルデザインはカジュアルウオッチを中心に時計の世界にも大きな影響を与えおり、いまや各社が北欧デザインを踏襲したミニマルウオッチを展開しているが、そんななかキラリ光る注目のブランドを今回は紹介したい。それがデンマーク・コペンハーゲン発のノードグリーンである。

同社は、大学の同級生であったパスカー・シバムとバジリ・ブラントが当時27歳という若さで2017年に創設した注目のブランド。ブランド名の“NORDGREEN(ノードグリーーん)”は“NORD(北欧)“と“GREEN(自然)”を組み合わせたもので、デンマークのライフスタイル、自然などからインスパイアされたコレクションを展開している。

時計のデザインについては、同国出身で、世界ブランドでプロダクトデザインを手がけてきたデザイナーであるヤコブ・ワグナーを起用。シンプルで機能的でありつつ、ディテールに独自の個性を備えたデザインがほかの北欧系ブランドとはひと味違う魅力を感じさせる。

ノードグリーンのデザインに対するこだわりが、代表モデルでもあるフィロソファー(写真左)とネイティブ(写真右)を見るとわかりやすい。北欧ブランドらしい極めてミニマルなデザインだが、ディテールは実に凝っており、ほかにはない個性をプラスしている。

例えば、定番モデルであるフィロソファーに採用されている、文字盤外周にレイアウトされたアワーリング。内側に向かって傾斜を付けたフォルムに加え、表面にマイクロレベルの細かい横線を施すことで視認性を高め、スタイリッシュな雰囲気を加えているというわけだ。時針、分針、秒針に、それぞれ違うデザインを採用している点にもこだわりが光る。
》秋色カラーの最新モデルに注目

今秋は定番コレクションであるパイオニアとネイティブから、ブラウン、グリーン、ブルーの新色を採用したモデルが登場。いずれのモデルも、文字盤の中央から放射状に筋目仕上げを施したサンレイダイアルを採用しており、見る角度によって光の反射が変化するのが魅力的だ。デンマークの自然を思わせる三つのカラーダイアルと、美しいコンビネーションを生み出している。