「金持ちに課税を」！？　今年の「METガラ」はメッセージ性の強い衣装も　大坂なおみからBLACKPINKまで

米国の世界最大級の美術館のコスチュームインスティテュート（メトロポリタン美術館服飾研究所）のためのチャリティーイベントである「METガラ」が、9月13日（現地時間）に開催された。今回の「METガラ」はBLACKPINKのロゼや大坂なおみなどのニューフェイスから、常連のキム・カーダシアン（Kim Kardashian）やジェニファー・ロペス（Jennifer Lopez）まで豪華な顔ぶれが登場した。

きらびやかで個性的な衣装に身を包んだセレブ達が次々とメトロポリタン美術館に登場する中、まず注目を集めたのはテニスの大坂なおみ選手である。今年の「METガラ」で共同ホストを務めた彼女は「ルイ・ヴィトン（LOUIS VUITTON）」のアーティスティックディレクターであるニコラ・ジェスキエール（Nicolas Ghesquiere）と姉・大坂まりのコラボレーションによって製作された衣装で登場した。日本の文化とハイチの文化を合わせたようなドレスにストーンが散りばめられたツインテールのような特徴的なヘアスタイルや、服とマッチした鮮やかな赤のアイメイクで話題を呼んだ。

さらに今回はアメリカの連邦議会議員の女性2人も登場。真っ白なロングドレスのバックに赤色で大きく「Tax The Rich」の文字が書かれた衣装で登場したのは民主党の下院議員であるアレクサンドリア・オカシオ＝コルテス（Alexandria Ocasio-Cortez）議員。「Tax The Rich」は日本語で「金持ちに課税を」という意味で、彼女の主張をはっきりと表明したドレスが話題を呼んだ。リッチなセレブ達が集まる「METガラ」でのこの主張はなんとも大胆。もう1人の議員は同じく民主党の下院議員であるキャロライン・マローニー（Carolyn Maloney）。彼女は「Equal Rights for Women（女性にも平等の権利を）」と「ERA（時代）」という文字が書かれた衣装を着て会場を訪れた。ドレスには、女性参政権運動の団体で疲れるカラーである紫、白、金のカラーがデザインされていた。「METガラ」は、各ブランドがセレブとともに腕をふるって豪華な衣装を披露するだけでなく、政治的主張を表現する場にもなってきている。

また、「METガラ」の常連であり、度々世間を騒がせている現在離婚調停中のキム・カーダシアン（Kim Kardashian）とカニエ・ウェスト（Kanye West）は「バレンシアガ（Balenciaga)」の頭からつま先まで全身黒で覆われた衣装で登場し、話題を呼んだ。しかしこの二人の衣装に既視感を覚える人もいたのではないだろうか。二人は「バレンシアガ」のアーティスティックディレクターのデムナ・ヴァザリア（Demna Gvasalia）と交友があり、彼は先日行われたウェストの新アルバム『ドンダ（Donda）』のリリースイベントでもディレクションを担当し、そこでもカニエは顔までフェイスマスクで覆った黒づくめの衣装で登場していた。

さらにその美しさで注目を集めたのは、キム・カーダシアンの異父妹でカイリー・ジェナー（Kylie Jenner）の妹、かつモデルのケンダル・ジェナー（Kendall Jenner）だ。ラインストーンやクリスタルのフリンジがあしらわれた「ジバンシィ（GIVENCHY）」のゴージャスなネイキッドドレスで登場した。また、ケンダル・ジェナーの衣装と似ていると、「サン・ローラン（Saint Laurent）」のチェーンドレスを着た女優のゾーイ・クラヴィッツ（Zoë Kravitz）も注目を集めた。

今回初参加のBLACKPINKのロゼは、「サン・ローラン（Saint Laurent）」のイメージキャラクターとして活躍し、白リボンが際立つ黒のミニドレスを身にまとっていた。クリエイティブディレクターのアンソニー・ヴァカレロ（Anthony Vaccarello）とともに現れた。大坂なおみとともに共同ホストを務めたビリー・アイリッシュ（Bille Eilish）は「オスカー・デ・ラ・レンタ（Oscar de la Renta）」の薄橙のコットンキャンディのようなゴージャスなドレス、ティモシー・シャラメ（Timothee Chalamet）は「ハイダー・アッカーマン（HAIDER ACKERMANN）」だ。白のサテンジャケットに白のスウェットパンツ、そして「コンバース（CONVERSE）」の白スニーカーで登場。アマンダ・ゴーマン（Amanda Gorman）は「ヴェラ・ウォン（Vera Wang）」のブルーのドレスで参加した。