INDEX
- ソロトレッカーに聞く、ひとりで山へ向かう理由
- ソロテント泊のスタイルは人さまざま。あなたは何を重視する?
- CASE1:ライター・山畑理絵さんの“ストレスフリー”なテント泊
- 山畑さんのウエア&バックパック
- 山畑さんの食料拝見!
- CASE2:ハイカーズデポ スタッフ・長谷川晋さんの“ウルトラシンプル”なテント泊
- 長谷川さんのウエア&バックパック
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心を許せる友達はいるし、仲間とワイワイ楽しむのも好き。でも、山にはあえてひとりで行く。なぜなら、自然の圧倒的な大きさと自分の小ささを思い知ることができるから。
……アウトドアライター・ホーボージュンさんのこの言葉に共感する人は少なくないはず。確かに誰もいない山の中、ひとり冷たい雨に打たれながら歩くのは惨めで寂しい。夜中にテントの外で何かがうごめく音を耳にすれば、怖くて気が狂いそうになる。
でも、だからこそ雨後の空に見つけた大きな虹や、音の正体が枯れ枝だったことにホッとして見上げた満天の星空は、とてつもない喜びや感動となって胸に迫るのだ。そんなソロ登山の魅力を知り尽くしたみなさんに単独行に臨む思いを聞き、気になるソロテント泊を拝見させてもらった。
ソロトレッカーに聞く、ひとりで山へ向かう理由
ひとりで山へ向かうのには、その人なりの理由がある。4人のソロトレッカーに「ソロ登山の魅力」と「(1)登山歴(2)好きな山域(3)好きなアウトドアブランド(4)年間山行日数(5)山で食べる好きなもの」を聞いてみた。
◎鈴木涼奈さん(右)
(1)2年(2)雲取山(3)パタゴニア(4)1回(5)緑のたぬき
◎やすこさん(左)
(1)6年(2)行ける範囲であればどこでも(3)ザ・ノース・フェイス(4)15日くらい(5)焼肉、鍋
03◎高野国嘉さん(右)
(1)25年〈ソロは7、8年〉(2)八ヶ岳、雲取山(3)パタゴニア(4)12回〈月1ペース〉(5)すき焼き
◎松森紀典さん(左)
(1)1年(2)高尾山、陣馬山(3)アークテリクス(4)5、6回(5)カップラーメン
ソロテント泊のスタイルは人さまざま。あなたは何を重視する?
「多少装備が重くなろうがテント場で快適に過ごしたい」「最小限の装備で身軽に山を歩きたい」「写真撮影や野鳥・植物観察など趣味も一緒に楽しみたい」「テントではなくタープやツエルトで自然との一体感を味わいたい」……テント泊とひと口に言っても、その考え方やスタイルは十人十色。自分に合ったノウハウを取り入れ、オリジナルのスタイルを作っていこう。以下でご紹介する2人のテント泊を、ぜひ参考にしてほしい。
CASE1:ライター・山畑理絵さんの“ストレスフリー”なテント泊
「パワーではなくメンタルで歩くタイプ」というライター・山畑理絵さんが目指すのは、ストレスのない装備。テント泊では少しのストレスも疲労に直結するため、快適さを優先した道具選びとパッキングを心がけているという。初夏の信越トレイル(3泊4日)の装備を見せてもらった。
●山畑理絵
音楽プロダクションの制作、アウトドア専門店の販売員を経てライターになる。日帰りテイクからテント泊縦走、トレラン、ボルタリング、スキー、キャンプなど四季を通してフィールド三昧の日々。昨夏、仕事場兼ギアの収納場所として4畳半のログハウスをセルフビルド。愛着のある道具に囲まれ仕事がはかどらないこともあるとか、ないとか。
山畑さんのウエア&バックパック
雨天時のストレス軽減のため、視界の狭さや音の聞こえにくさが気になるレインウエアのフードは避け、防水キャップを活用。テント場ではトップスとソックス、汗のかき具合によってはタイツも予備のものに着替え、気温に合わせて化繊ジャケットをプラス。足元はサンダルでリラックス度を高める。
バックパックは7年愛用するグラナイトギアの「メリディアンヴェイパーKi(容量48L/総重量10.65㎏)」。フロントパネルのI字型ジッパーで荷室へ簡単にアクセスできる。雨蓋は取り外し可能で軽量化でき、サブバッグとして使える利点も。
山畑さんの食料拝見!
1 保冷バッグには冷凍したお肉や傷みやすい野菜を入れて携行
2 大好きなアマノフーズの各種フリーズドライ
3 パイン飴、茎わかめ、なつめのグラノーラミックスなどの行動食
4 アクエリアスのパウダー
5 スーパーヴァームとアミノバイタル
6 スノーピークのチタン製クッカー
7 テトラドリップ
8 ベルモントのチタンシェラカップ深型250FD
9 ユニフレームのFD先割れスプーンチタン
10 ベルモントのチタンシェラカップ深型600FD
11 コーヒーセット
12 SOTOのウィンドマスターとガス缶
13 SOTOのスライドガストーチ
14 ポーションタイプの寄せ鍋のつゆ
15 調味料
16 フリーズドライのスープ類。そのときの体調や気分で選べるように味を複数用意
17 マロニーはお腹の減り具合によって鍋やスープに適量投入
18 モンベルのプルトップアクティブボトル 0.7L
19 プラティパスの水容器は0.5Lと2.0Lを使用
20 ウィスキー
21 おつまみにもなるツナとサラミ
22 五木の棒ラーメン
23 おにぎり(1日目の昼用)
24 じゃがりこやベビスターラーメンをミックスした塩分系の行動食
25 かりんとうとビスケットをミックスした糖分系の行動食
CASE2:ハイカーズデポ スタッフ・長谷川晋さんの“ウルトラシンプル”なテント泊
ハイカーズデポのスタッフである長谷川晋さんが追求するのは、ムダを削ぎ落としたシンプルな装備。アメリカでのロングトレイルの経験から「UL(ウルトラライト)は道具を軽くすることではなく、道具を簡素化すること」だと気づき、以来、道具の精査を続けているのだそう。春・秋に行く奥秩父の旅(2泊3日)なら、装備はこんな風になる。
●長谷川晋
東京三鷹のハイカーズデポに勤務する傍、トレイルバムなど製品プロデュースにも多く関わる。2010年アメリカを横断するパシフィックレストトレイルをスルーハイクしてロングトレイル文化に触れ、以来店を訪れるスルーハイク志望者たちの良き相談役に。著書に『LONG DISTANCE HIKING』(TRAILS)がある。
長谷川さんのウエア&バックパック
パンツはハイランドデザインのスルーハイカージップオフパンツ、シューズはアルトラのローンピーク3.0。行動中はウインドシェルを着用することが多いそう。
0808DMA-IMG_2901バックパックは初期ULパックのスタイルを現代によみがえらせるトレイルバムの「ステディ(容量50L/総重量7.5㎏)」。ユーザーの手でいかようにも活用できるのは、そのシンプルな作りなればこそ。
長谷川さんの食料拝見!
1 エバニューのパスタポットSはアルミ箔を巻いて熱伝導率を上げ、蓋の取手を改造して軽量化している
2 100円ショップの容器で作った保温カップ
3 チタン製の風防
4 木製のスポークと短くカットした箸
5 エバニューのアルコールストーブ&ハイランドデザインのクアトロストーブ
6 ソーヤーの浄水器
7 サイズ感が良いお気に入り。スマートウォーターのペットボトル
8 お茶
9 ナルゲンの水筒
10 アルコールを計量するカップ
11 フェルト片は鍋つかみや布巾になる
12 山でコカコーラは外せない
13 マウンテンハウスのフリーズドライ
14 ラーメンはサッポロ一番みそラーメン一択
15 コーヒー
16 どら焼きは朝食によく食べる
17 グミ
18 チーズ
19 大好物のレーズンブレッド
20 ごまスティック
21 ポテトチップは2袋はほしい
22 セブンイレブンのカルパスとスモークタン
23 柿の種とかりんとう
いろいろなノウハウを取捨選択し、そこに自分なりのエッセンスをプラスしてスタイルを作っていくことが、ソロテント泊エキスパートへの第一歩。ひとりで山を歩く醍醐味を存分に味わうべく、道具やウエア選びに勤しもう。
(出典:『PEAKSアーカイブ ソロトレッキング』)
(エイサイト編集部 ヨシダ)
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