中国東部・杭州市のとある小学校では、新型コロナウイルス対策の一環として、左右に翼のついた特徴的な帽子が取り入れられています。
これは、「生徒同士がソーシャルディスタンスを取れるように」との目的から導入されました。
一見ちょっと冗談みたいなこの方法ですが、実は「古代中国のある慣習にインスパイアされた」という真面目な理由があるんだとか。
一体昔の文化にどんなヒントが隠れていたのでしょうか。
宋王朝の帽子がヒントに
帽子はすべて生徒たちの手づくりです。
左右との間隔を少なくとも1メートルは空けられるよう、細長く切った厚紙や風船が取り付けられています。
このアイデアは、宋王朝(960〜1279年)の初代皇帝である趙匡胤(ちょう きょういん)に由来しています。
彼は宮廷会議で隣同士との雑談をさせないよう、両脇に長い翼のついた帽子を大臣たちに被らせたそうです。
しかし発案者の皇帝も、まさか雑談ではなく、ウイルスの蔓延を防ぐために自身のアイデアが使われるとは思ってもいなかったでしょう。
皇帝の肖像画にも、しっかり横長の翼がついた帽子が描かれています。
世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、人との間隔を少なくとも1〜2メートルは空けるよう推奨しています。
学童教育の専門家は「こうした帽子の導入は、ソーシャルディスタンスといった抽象的な概念の理解がまだ難しい子供たちに、その意味や目的をうまく伝える良い方法だ」と指摘します。
例えば、1〜2メートルが感覚的に分からなくても、翼が友だちにぶつかってしまうことで、物理的にその距離感を理解することが可能です。
日本でもネット上で昔の文化を元にしたアイディアが話題
また日本でも、これと似たようなアイデアとして「壷装束がコロナ対策に最適なのでは」と話題になっています。
壷装束は、平安〜鎌倉時代にかけて、女性が外出時に着用したファッションです。
幅広の市女笠はソーシャルディスタンスを取るのに最適ですし、虫よけの垂れ衣は飛沫感染を防ぎます。
確かにこれなら飛沫感染も怖くない…?
こうした予防対策の他にもネット上では、余った牛乳を用いて奈良時代の貴族が愛したチーズである「蘇」が作られたりしているようです。
新型コロナウイルスは、古代の文化を復習する機会にもなっているのかもしれません。
reference: scmp
提供元・ナゾロジー
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