フロートの定番といえば、メロンソーダやコーラにアイスクリームを浮かべたものを想像するだろう。しかし、身近なコンビニで売っているその他の炭酸ジュースを使っても、美味しいフロートが作れる。実際、筆者はコンビニで買える炭酸ジュース5種でフロートを作ってみて、家族や友人に飲んでもらった感想を集めた。それぞれの感想とあわせて、作り方やコツを紹介しよう。
炭酸ジュースにバニラアイスをのせるだけ
フロートは、グラスに注いだジュースにバニラアイスをのせるものだ。必ずしも炭酸ジュースだけとは限らないが、今回は炭酸ジュースに絞ってみた。
実際に使った炭酸ジュースは次の5種類。
(1)SPICEFACTORYザ・クラフトコーラ(ポッカサッポロ)
(2)カルピスソーダやさしいくちどけ(アサヒ飲料)
(3)三ツ矢サイダーソルティ(アサヒ飲料)
(4)オロナミンC(大塚製薬)
(5)ゆずレモンサイダー(7プレミアム)
浮かべるバニラアイスに決まりはない。好みのものを用意するといいだろう。
作り方は3ステップ
作り方は簡単で、次の3工程だけ。
(1)グラスに氷を入れる
バニラアイスと炭酸ジュースの触れる面積が大きいと、モクモクと泡が立ち上がりグラスから溢れてしまうことがある。泡立ちを防ぐために、氷をグラスの半分以上に多めに入れるのがポイントだ。
(2)炭酸ジュースを注ぐ
氷を入れたグラスに、炭酸ジュースを注いでいく。ドボドボと勢いよく注いでしまうと、泡立ちすぎる原因になるので、グラスのふちを伝わせるようにゆっくりと注ぐ。これがコツである。
(3)バニラアイスをのせる
バニラアイスをスプーンですくって、注いだ炭酸ジュースにのせる。この時、泡立ちを防ぐために、浮かんでいる氷の上におくようにするといい。
また、固いバニラアイスだと、すくうときにスプーンが曲がってしまうこともあるため、柄がしっかりとしたスプーンを使うようにしよう。
筆者はアイスクリームを丸い形にくり抜きたいため、アイスクリームディッシャーを使っている。柄がしっかりしているので、大変使い勝手がいい。
参考までに、アイスクリームディッシャーはホームセンターやディスカウントショップの調理器具コーナーで販売していることが多い。もちろん、ネットでも購入できるのでフロートを作る頻度が増えたら自宅にひとつ用意しておくといいかもしれない。
SPICEFACTORYザ・クラフトコーラ(ポッカサッポロ)
コーラフロートは、レストランやカフェにたいていある定番メニューである。その味を既に知っている人は多いだろう。ここで紹介するのは、通常のコーラとは一味ちがう「ザ・クラフトコーラ」だ。
ナツメグやシナモンなど世界各地の香辛料が複数含まれていて、通常のコーラよりもスパイシーな味わいで、近年人気を集めている。
このザ・クラフトコーラならではのスパイシーな風味が、バニラアイスと絶妙にマッチする。「ちょっと大人なコーラフロート」として楽しめるのだ。
ザ・クラフトコーラを絡めながら、バニラアイスを一口食べる。バニラアイスのやさしい甘みが、鋭いザ・クラフトコーラの味を包み込んでいく。
そしてバニラアイスの甘みの後から、スパイスと柑橘の香りが追いかけてくる。ザ・クラフトコーラには瀬戸内レモンピールが含まれており、これが柑橘の爽やかな香りを演出してくれるようだ。
カルピスソーダやさしいくちどけ(アサヒ飲料)
二つ目はアサヒ飲料の「カルピスソーダやさしいくちどけ」だ。通常のカルピスソーダより炭酸が繊細なので、まろやかな味わいである。バニラアイスを加えることで、よりミルキーでリッチな感じに変わる。
通常のフロートは炭酸の刺激とバニラアイスの甘みが対照的なのだが、カルピスソーダやさしいくちどけは、もともとが柔らかい味わいであるせいか、他のフロートとは少し違う印象になる。
ミルキーな味わいが、さらに濃厚になる感じ。よくある炭酸ジュースの刺激ではなく、まるでシェイクのような一体感が生まれる。炭酸の刺激が苦手な人や、リッチな濃厚な味わいを楽しみたい人には、ぴったりなフロートである。
三ツ矢サイダーソルティ(アサヒ飲料)
「三ツ矢サイダーソルティ」は、通常の三ツ矢サイダーに沖縄の海塩が加わった、熱中症対策にもいい炭酸ジュースだ。強めの炭酸が、乾いた喉をシャキッと潤してくれる。バニラアイスをのせると爽やかなフロートとなる。
なんといっても沖縄の海塩が、とてもいい仕事をしてくれる。この海塩は、「しょっぱい」と感じるほどではない。かといって存在感が薄いわけではない。
炭酸の向こうにほんのりと感じる絶妙な塩加減が、バニラアイスの甘みを引き立て、沖縄の海を感じさせるように爽やかな味わいになるのだ。三ツ矢サイダーソルティの強炭酸と爽やかさで、疲れを吹き飛ばそう。
オロナミンC(大塚製薬)
四つ目に紹介するのは、大塚製薬の「オロナミンC」だ。オロナミンCは、コンビニの栄養ドリンクコーナーでもおなじみの飲み物で、疲れているときや元気を出したい日に飲みたくなる人は多いだろう。
オロナミンCとバニラアイスの組み合わせに意外性を感じるかもしれないが、これが非常に合う。オロナミンCに絡めたバニラアイスを口にすると、思わずテンションが上がってしまうほど。
ビタミンの酸味がバニラアイスとやさしくマッチし、柔らかくクリーミーに仕上げる。一度試してみると、つい癖になってしまいそうだ。元気をチャージできそうな飲み物となった。
ゆずれもんサイダー(7プレミアム)
最後に紹介するのは、セブン‐イレブンのPBである7プレミアムの「ゆずれもんサイダー」だ。国産のゆずとレモンの果汁に百花蜜をブレンドし、スッキリとした味わいの中にコクを感じる炭酸ジュースである。
バニラアイスをのせ、フロートを作る。淡いイエローカラーが、見た目からも柑橘の果汁を感じさせる。
ゆずれもんサイダーを絡めたバニラアイスを一口飲むと、ゆずれもんの甘酸っぱさと、バニラアイスのクリーミーな味わいが見事にマッチし、シナジー効果で互いの魅力がパワーアップする。
果汁1%にもかかわらず、柑橘の香りがしっかりと感じられる。甘すぎず、すっぱすぎず、とてもバランスがとれている。
さらに百花蜜のコクが柑橘の香りを際立たせ、夏の青空を想像させるような爽やかな味わいだ。
あえて1位を選ぶなら
今回、バニラアイスと5種類の炭酸ジュースでつくったフロートを、家族や友人にも飲んでもらい、それぞれの感想や好みを聞いてみた。その結果がこちらだ。
(1)SPICEFACTORYザ・クラフトコーラ(ポッカサッポロ)。世界のスパイスとレモンピールで「ちょっと大人のコーラフロート」。酒好きな友人は、このフロートが一番好きと言う。
(2)カルピスソーダやさしいくちどけ(アサヒ飲料)。ミルキーでソフトな味わい。例えるならバニラシェイクのよう。甘いものや乳製品が好きな女性から票を集めていた。
(3)三ツ矢サイダーソルティ(アサヒ飲料)。沖縄の海塩がバニラアイスの甘みを引き立てる。爽快で夏らしい味を感じたい人から人気。
(4)オロナミンC(大塚製薬)。ビタミンとバニラアイスの絶妙な組み合わせに高評価。元気をチャージしたいときに良さそうとの声をもらった。
(5)ゆずレモンサイダー(7プレミアム)。柑橘の風味とバニラアイスが、爽やかな味わいに。一口目で「これ好き!」との声が最も多かった。
どれもバニラアイスとの組み合わせがよく、美味しく感じたので甲乙つけがたい。しかし筆者が勝手に1位を選ぶとするなら、7プレミアム「ゆずれもんサイダー」だ。
酸味と甘みのバランスが絶妙で、両者の魅力が活かされていた。家族や友人に飲み比べをしてもらっても、ゆずれもんサイダーが最も反応が良かった。
フロートは、何もコーラやメロンソーダだけというわけではない。定番に縛られずに色々な炭酸ジュースにバニラアイスをのせてみると、思わぬ発見があるかもしれない。日常に小さな楽しみを見つけていこう。(GEAR)
提供元・BCN+R
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