危ないからという理由で、学校では子どもに刃物を使わせなくなったそうです。でも、「危ないから触らせない」のでは、本当の危なさは伝わらないのではないでしょうか。そして、使ってみてはじめて、刃物は“危ない”だけのものではなくて、“便利”なものだということもわかるのです。
そんな、刃物を通じて子どもを育む「刃育」にうってつけなのが、ファミリーキャンプ。家にいるときより刃物を使う機会が多いので、子どもに刃物の使い方を教えるいいチャンスです。では、キャンプでどんな「刃育」ができるのかを紹介していきましょう!
アウトドアならではの「薪割り」にチャレンジしてみよう!
アウトドアでないとなかなか体験できないのが「薪割り」。たいていのキャンプ場では、使いやすい太さに薪を割ってありますが、たまに太いものも混じっています。そんなときはナタを使って割っていきます。
薪を手に持ち、ナタの刃を木口(薪の切り口)に当ててそのまま地面に振り下ろす。それを繰り返していくと、力がない子どもでも比較的楽に薪が割れます。
初めての薪割り体験をした8歳の息子。はじめは思うようにできませんでしたが、薪が割れた瞬間、笑顔が弾けました。スパッといくと気持ちいいんですよね!
しばらく薪割りにハマっていましたが、あまり長い時間やっていると疲れてきてケガをする恐れがあります。ですから「もっとやりたい!」と言われても、ほどほどにしておきましょう。
小さい子どもでも楽しめる「アウトドアクッキング」
子どもに薪割りはちょっと教えられないな~、というパパやママは、子どもに「アウトドアクッキング」にチャレンジさせてあげましょう。
3歳くらいまでの子どもだと、まだ包丁は早いかもしれません。そんなときはピーラーでお手伝いがオススメ。ただし、ピーラーも刃物です。使い方を間違えればケガをしてしまいますので、大人がきちんと見てあげましょう。
野菜は手で持つより、まな板の上に置いてピーラーをかけたほうが安定するため、指先のケガをしにくくなります。
4歳以上なら包丁を使わせてあげましょう。初めのうちは、切れ味が鈍い子ども用の包丁でもいいですが、慣れてきたら大人が使う切れる包丁を使わせたほうがいいでしょう。切れないとつい力を入れてしまうので、かえって危険なのです。
今回は4歳の娘が包丁デビュー。子ども用包丁でキュウリを切りました。息子は経験者なので、大人と同じ包丁を使います。ただし、子どもの手にあまる大きい包丁は使いづらいので、軽くて小振りな包丁がいいでしょう。
ちなみに、初めて兄妹で一緒に作った料理がこちらのサラダ。中央の“お花”がポイントなのだそうです。
本格的に楽しむなら「クラフト」で作品を!
小学校低学年くらいであれば、ナイフを使った「クラフト」を経験させてあげてもいいでしょう。ただし、クラフトは包丁で野菜を切るよりも難しいので、握り方や刃の動かし方を、きちんと教えてあげる必要があります。
また、折り畳み式のナイフの場合は、刃を畳むときにケガをする場合があるので、畳み方もきちんと教えてあげましょう。大人が真剣に教えてあげると、子どもも「あ、刃物ってふざけて使っちゃいけないんだな」とわかってくれます。
そして一番大事なことは、子どもから目を離さないこと。夢中になってくると、刃の動く方向に手を置いたり、グリップの位置が刃に近づいたりします。そんなときは一度中断して、正しい使い方をもう一度教えてあげましょう。
息子は枝を短く切ったり、枝の表面を削って模様をつけたりと、その程度のことしかできませんでしたが、それなりに楽しかったようです。ちなみにこれは、マグネットでメモなどを留められるメッセージボードです。
刃物を使うのは、子どもにとって普段の遊びとは違う“真剣勝負”。そんな体験は、集中力や緊張感をもたらすため、脳の成長にも言い影響を与えるのだそうです。
「子どもに刃物を持たせるの、ちょっと怖いな~」と思っても、子どもがやりたいと言ってきたら、ぜひチャレンジさせてあげてください。きっといい経験になるはずですよ。
*撮影協力
千葉県・有野実苑オートキャンプ場
文・牛島 義之/提供元・.HYAKKEI
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