アメリカ東部・デラウェア州の海岸で撮影された一枚の写真が話題を呼んでいます。
アマチュア写真家のサム・デイビスさんが撮影したもので、写っているのは、お腹にヘビのような生き物をぶら下げたサギ。
なんとこれはサギに丸呑みされたヘビウナギで、お腹を突き破って出てきたのだそうです。
サギのお腹を食い破ったのはウナギ?
デイビスさんは、最初にこの光景を見たとき、「ヘビがサギの首に噛みついているのだろう」と思ったとのこと。
100メートルほど離れた地点から、望遠レンズを使って撮影していましたが、ヘビらしき生物は一向にサギから離れないのです。
「サギも異変に気づかないようで、悠然と空を飛んだり、水辺を歩いていました」とデイビスさんは言います。
一方で、ヘビらしき生物は懸命にからだをクネらせていましたが、途中から動かなくなったそうです。
デイビスさんが、ことの真相に気づいたのは自宅で写真を編集しているときでした。
肉眼ではわからなかったものの、写真を拡大してみると、サギにぶら下がるのはヘビウナギで、首に噛みついているのではなく、お腹から直接突き出ていたのです。
鳥のお腹を突き破るのは滅多にない
この写真について、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の生物学者、ジョン・ポゴノスキー氏は「実にめずらしい現象」と評します。
「肉食魚に丸呑みされたウナギがお腹に穴を開けて這い出てくることはありますが、私が知っている限り、鳥でこの光景が見られたことはない」と続けます。
丸呑みされたウナギは普通、捕食者の体腔(体壁と内臓のすき間)や筋肉組織に入り込んで窒息死し、外に逃げ出すことはありません。
しかし、まれに硬い頭や尾を使って消化管に穴を開け、脱出することもあります。
デイビスさんは「近くにいた動物たちもサギに興味津々な目を向けていた」と話します。
特に数羽のワシとキツネは水辺を歩くサギをつけ回して、捕食の機会を狙っていたそう。
結局、サギはウナギをぶら下げたまま飛び去っていき、その後の生死はわかっていません。
このままだと何らかの感染症を起こして死ぬ可能性が高いですが、ウナギがうまく抜けて、傷口が治癒すれば完治もあり得るそう。
しかし、この状態で平然としているサギが不気味ですね…
参考文献
livescience
提供元・ナゾロジー
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