2021年8月31日、NHKがテレビを持たない人へのインターネットによる番組配信を社会実証することを発表した。テレビ離れが進み、テレビを持たない人が増える中で、「受信料の支払いを増やすために行う措置なのでは?」と懸念する人が多数いるようだ。今回、NHKが発表した実証内容やネットの声を紹介しよう。

ネット配信の拡充により、テレビを持たなくても受信料の支払いが発生!?

 事の発端は、8月27日の閣議後の武田良太総務相の記者会見。武田氏は、「ネットしか利用しない層に正確な情報を伝えるため」と、NHKに対し、ネット配信をNHK未契約者に提供する社会実証を要請することを表明した。ネットには真偽不明の情報が多く、テレビ離れが進めば政治の動きや国際情勢などの民主主義の基盤となる正確な情報伝達が損なわれることを政府として懸念しているようだ。

 NHKのネット配信が「NHKインターネット活用業務実施基準」で、放送法上の任意業務と決まっている。そのため、NHKは政府の要請を受け、新たな実証事業を進めるために基準変更を発表した。ネット配信の対象のサービスは、NHK総合やNHK Eテレを同時配信や見逃し配信している「NHKプラス」。現在は、NHKが受信料を支払っている人で、利用登録をした人がサービスを利用できる。今回の実証により、テレビを持っていなくても、スマホやパソコンを持っているだけで、受信料を支払わないといけないようにするのではと懸念されているようだ。