さまざまな時計の機構の中でも、最もロマンを感じられると言っても大げさではないムーンフェイズ。通常の3針時計はもちろん、クロノグラフとも異なる独自の魅力を放ちます。

高級感もさることながら、モノによっては芸術性や神秘的な雰囲気すら感じさせるのがこの機構の魅力。ブランドによってさまざまなバリエーションが展開されています。

今回はムーンフェイズの特徴と、おすすめのモデルについて紹介します。

ムーン フェイズの腕時計解説

ムーン フェイズとは?

男心をくすぐる「ムーン フェイズ」を搭載したおすすめの腕時計10選
(画像=askmen.com/style/watch_snob/moonphase-watches.html、『KASHI KARI』より引用)

ムーンフェイズは、月の満ち欠けをダイヤル上の窓から表示する機構です。

昔から人類は太陽の動きで”1日の時刻”を、月の満ち欠けで”一ヶ月”を判別していました。新月が満月になり、再び新月になるまでの1周期がおよそ29.5日で、この一巡する周期を「朔望月」と呼びます。ムーンフェイズのディスクも、この周期を基準に一周します。

暦を表す役割とともに、デザインとしても魅力的なムーンフェイズは、数ある時計の機構の中でも極めて複雑なもの。そのため、どのメーカでもムーンフェイズを搭載できるわけではなく、技術力の高いブランドのみが作ることができます。

また、基本的に高価なモデルにのみ採用されるので、ムーンフェイズは”高級時計の証”とも言える意匠です。

ムーン フェイズの腕時計の歴史

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(画像=引用:hodinkee.com、『KASHI KARI』より引用)

ムーンフェイズの起源には諸説ありますが、その歴史は非常に古く、16世紀にはフランスの時計職人ヴォルターコルンによって搭載されていたという記録も残っています。

古来より月と時間に密接な関わりがあることが認識されていたことを考えると、かつての懐中時計に月の動きを読み取るムーンフェイズが取り入れられるのは自然の流れだったと言えるでしょう。

18世紀には、”時計界のレオナルド・ダ・ヴィンチ”と称された天才時計師、ブレゲが懐中時計に採用。現在とほとんど同じ仕組みのムーンフェイズを考案しています。

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(画像=引用:monochrome-watches.com/、『KASHI KARI』より引用)

腕時計にも多く使われるようになるのは、1940年代に入って移行のこと。その後、太陽と月で午前・午後を表示する「サン&ムーンフェイズ」機構なども開発されました。

現在でもムーンフェイズは、クラシックな意匠としてはもちろん、美しいデザインとしての意味でも多く採用されています。

ムーン フェイズの仕組み

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(画像=引用:watchreviewblog.com/、『KASHI KARI』より引用)

ムーンフェイズの一般的な仕組みとしては、月を描いたディスクを回転することによって満ち欠けを表示するというものです。

デザインはブランドによって異なりますが、夜空を表すブルーの下地に、ゴールドやシルバーの星空、そして月を2個描いたものが主流です。

現実の月の動きは複雑で、一巡する周期は29.530589日と実際には端数が存在します。ムーンフェイズはこの端数を切り捨てて29.5日周期で1周するため、数年で1日分の誤差が表示します。

ところが精巧に作られた高級時計の場合は、複数の歯車を追加して歯数を増やすなどの工夫で、高い精度を実現。中には100年〜数100年に1日しか誤差が表示しないムーンフェイズを備えたモデルも存在します。