大分大学は8月25日、開発中である新しいタイプの国産ワクチンの臨床試験を開始する準備に入ったと発表した。新しいワクチンは、自己増殖型mRNAワクチン(レプリコンワクチン)のため、少量の接種で体内で十分な抗体がつくられ、持続時間も長くなることが期待されている。このワクチンは、VLPセラピューティクス・ジャパン(VLPTジャパン)社の自己増殖RNA技術が使われている。
わずか127gで日本の全人口分がまかなえるワクチン
大分大学医学部附属病院の研究チームは、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて、VLPTジャパン社や富士フイルム、全国の研究機関、大阪市立大学、北海道大学などから日本発のワクチン開発チームを組成。非臨床・臨床解析やワクチン製造、臨床試験などをそれぞれが担う。
今回、臨床試験の計画が、大分大学医学部附属病院治験審査委員会で審査され、8月3日付で承認された。VLPTジャパン社によると、治験の開始は10月を目指すという。
世界で新型コロナの感染が広がる中、海外で先行開発されたmRNAワクチンやウイルスベクターワクチンの接種が国内でも開始されているが、ワクチンの供給量と供給体制が十分ではなく、またデルタ株を含むウイルス変異株の出現で、ワクチンの効果が減弱することも懸念されている。
そうした中、開発中のレプリコンワクチンは、体内で自己増殖するため少量の接種で抗体を得ることができる。VLPTジャパン社によると、日本の全人口にワクチンを接種すると想定した場合、モデルナ製のmRNAワクチンは25kgが必要なのに対し、レプリコンワクチンはわずか127gで済むという。
逆にワクチン量127gを基準に計算すると、ウイルスベクターワクチンは6万人、mRNAワクチンは60万人に接種できるのに対し、レプリコンワクチンは1億2700万人に接種できるというのだ。
ほかにも、先行する非自己増殖型のmRNA型ワクチンが、ウイルス表面の突起状のSタンパク質全体を標的にするのに対し、レプリコンワクチンは新型コロナウイルスが人の細胞に結合して感染するRBDと呼ばれる部分のみを標的にするという。
変異株については、RBDのうち遺伝子変異の入りにくい箇所を免疫に提示できるようにすることで、変異種に対する汎用性を高める対策も取り得ることから、副反応が起こりにくく、変異株に対しても効果が弱まりにくいワクチンとなることが期待されているという。
提供元・BCN+R
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