イオングループ最大の武器「販売網」で既存サービスの地位を脅かす?

イオンがついにQRコード決済「AEON Pay」導入も、 PayPay、楽天ペイとのシェア争いに勝算はあるのか?
(画像=iAEON上からAEON Payが利用可能だ(イオンリリースより引用)、『オトナライフ』より 引用)

 しかしQRコード決済業界は、すでに大方のシェアは固定されてきている感も見受けられる。圧倒的な業界シェアを誇るPayPayやそれに対抗するためグループのシナジーを最大限に活かして成長を図る楽天ペイをはじめ、シェア拡大のためサービス各社が競うように行っていた過去の“バラマキ”とも言える大規模な還元キャンペーンも、今や各社が散発的に実施する程度になってきた。これはおそらく「シェアがある程度固まってきたから」とも考えられるだろう。

 ではイオンはどのようなシェア獲得の勝算があってAEON Payを送り出したのだろうか。それはやはりグループの持つ圧倒的な販売網だろう。総合スーパーの「イオン」からショッピングセンターの「イオンタウン」「イオンモール」、スーパーマーケットの「マックスバリュ」、さらには東京都と神奈川県で960店舗以上(2021年8月30日現在)を構える都市型ミニスーパー「まいばすけっと」に至るまで、街のいたるところにイオングループの店舗が存在する。それらの店舗すべてで、他のQRコード決済にはない優待を得られるとすれば、AEON Payが一気にユーザー数を獲得してもおかしくはない。

 また「モバイルSuica」や「QUICPay」、「楽天Edy」などを抑えて総合満足度1位を獲得(MMD研究所「2021年7月 スマートフォン決済(非接触)の満足度調査」)したモバイルWAONの存在も、アプリの普及に役立つことは間違いない。モバイルWAONユーザーがアプリを入れ、そのままAEON Payの利用も始める、というケースも増えそうだ。

 もしかするとAEON Payは、今後イオングループの店舗を頻繁に利用するユーザーにとって最もおトクなサービスとなるかもしれない。ひとつ懸念があるとすれば、モバイルWAONとの住み分けだろうか。同じアプリに共存している時点で何らかの秘策はあるのだろうが、万が一そのアテが外れた場合はむしろお互いのシェアを食い合うことにもなりかねない。AEON PayがQRコード決済へと成長していくのか。今後の展開を見守りたい。

文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ

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