サムスン電子の「NXP買収説」が浮上している。

(参考記事:「サムスンがルネサスを買収か…11兆円の現金資産活用」)

以前から、サムスン電子が、日本のルネサスを含む自動車向け半導体メーカーのいずれかを買収するため、さまざまな検討を行っていると伝えられてきたが、ここに来て、オランダのNXPが最有力候補になっているとの見方が出ている。

最近、米投資専門メディア「バロンズ」はJPモルガン所属アナリストのク・チョンジュン氏の報告書を引用し、「サムスン電子がNXPの買収に最大の関心を示している」とし、「これはサムスンの立場では、妥当な(make sesne)選択をすることができる」報じた。

NXPは2004年、フィリップス半導体事業部門が分社して設立した自動車用半導体専門メーカーだ。 昨年、ドイツのインフィニアンに続き世界シェア2位になったが、インフィニアンがサイプレスを買収する前の2018年まではNXPが1位だった。

業界によると、NXPは、マイクロコントロールユニット(MCU)で最も優れた技術力を確保しているとされる。2016年には米半導体企業クアルコムが、NXPと440億ドル規模の買収契約を締結したが、中国政府が承認せず実現しなかった経緯がある。

サムスン電子は今年1月、チェ•ユンホサムスン電子経営支援室社長(最高財務責任者•CFO)が実績発表後のカンファレンスコール(電話会議)において、「今後3年以内に意味あるM&Aを実現する可能性がある」と異例の発言を行っており、業界では自動車半導体企業の買収が有力であるとの見方が出ていた。

韓国メディアなどの分析によると、サムスン電子がNXP買収に乗り出す場合、その買収価格は70兆ウォン(約6兆7723億円)に達するとみられている。 NXPの時価総額が23日現在で541億ドル(約5兆8355億円 )であり、買収価格が時価総額より通算10~15%高くなることを考慮すれば、買収価格は70兆ウォン(約6兆7723億円)ぐらいになるだとうとの計算だ。

サムスン電子の昨年末の現金保有高は104兆ウォン(約10兆695億円)を超える。 短期金融商品を含めれば、1年以内に現金化できる資産は120兆ウォン(約11兆6067億円)に達することから、買収資金に問題はない。

(参考記事:「サムスンが韓米で約7兆円規模の半導体投資か…文・バイデン会談時に発表可能性」)
(参考記事:「サムスンのASML保有株価値が10年で10倍超に」)
(参考記事:「インテル事業買収で韓国勢のプレゼンスが更に拡大…メモリ半導体」)
(参考記事:「サムスン、車両用LEDモジュール「PixCell LED」発売」)
(参考記事:「サムスンの1~3月営業利益が前年同期比で約45%増加(暫定)」)

提供元・コリア・エレクトロニクス

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