》アンティークの軍用時計を思わせる、小振りでオーセンティックなデザインが特徴
Serica Watches(セリカ・ウォッチ)は、フランス・パリを拠点とする日本未上陸の独立系ウォッチブランド。メンバーは、それぞれ独自の方法でセリカに貢献しており、リエイティブ・ディレクションはジェローム・ブルジェで、最初のコレクション“Serica 4512”を誕生させた。
ジェロームのほか、時計業界での豊富なメディア制作経験があるガブリエル・バァシェット、時計デザイナー兼プロダクションマネージャーでスイスのサプライヤーとのマネジメントを行っているデビッド・ギャネビン、写真家で作家でもあるマット・フラネックという、個性的なメンバーによって、独自のウオッチメイキングを展開。時計製造のプロとその友人からなるチームで構成されており、2019年にファーストコレクションを発表している。
デザイン性があり、耐久性に優れ、エレガントで手の届きやすい価格で販売されている時計が、当時のマーケットに存在しなかったことがブランド創設のきっかけだったようだ。
時計コレクターでもあった彼らは、前段で述べた自分たちが求めている機能を備えた時計が、2万米ドル(約220万円)以上の価格で販売されていることに不満を感じ、自分たちがその求めている機能をすべて備えた時計を手頃な価格で提供することを目標にブランドを立ち上げた。
フランスのオフィスで企画立案、デザインなどを行っているフランスのブランドだが、セリカ・ウォッチでは、すべてのコレクションに関して、製造、組立て、検証、テストをスイスで実施し、ミリタリーテイストのフィールドウオッチと本格スペックを備えたダイバーズウオッチ、二つのコレクションで、品質にこだわったモデルを展開している。
特に注目したいのが、新作として2021年に発表されたダイバーズウオッチ。数多くのモデルが展開され、混沌とした状況となっている現在のダイバーズウォッチ市場の中で、確かな品質と手の届く価格、さらに独自性を持ち合わせているモデルは意外に少ない。この時計は、そんなダイバーズウオッチ市場のなかで、かなり魅力的なモデルであることは間違いないだろう。
Serica Watches(セリカ・ウォッチ)
セリカ 4512
2019年に発表されたセリカ・ウォッチのファーストコレクション。第二次世界大戦で使用された時計をデザインのモチーフにしており、フィールドウォッチならではの機能的でミニマルなデザインと、復刻モデルがトレンドとなっている現代的な感覚を融合している。
この時計で特徴的なのが“ボンクリップブレスレット”を採用している点だろう。1920年代後半に英国で誕生し、40年代から60年代にかけてRAFや英国軍の支給品を含むミリタリーウォッチに採用されたクラシックなブレスレットだ。
現在ではほとんど見かけることのない仕様だが、誕生から50年以上の時を経て、フランスの時計アクセサリーメーカーであるジョセフ・ボニー社がボンクリップ・ブレスレットを復活し“セリカ 4512”コレクションの標準ブレスレットとして採用された。
ラインナップは、カリフォルニア、コマンド、WMB と、3種類のダイヤルバリエーションを揃えている。カリフォルニアは文字盤の上半分はローマ数字、下半分はアラビア数字のインデックスを採用したデザインが特徴。
左のコマンドはオープンミニッツトラック、それに対し右のWMBは線路のようなレイルロードチャプターリングを採用している。 ケースサイズはいずれも37.7mm。200mの防水性を備えており、スイス製の手巻ムーブメントSTP1-11を搭載している。販売価格は650米ドル(約7万1千円)だ。
Serica Watches(セリカ・ウォッチ)
セリカ 5301
最新コレクションの“セリカ 5301”は、ヴィンテージ感あふれるダイバーズウオッチ。2年の研究開発を費やし、2021年4月に発売されたこの時計は、ブラックとシルバーの2種類のバリエーションが展開されている。
ケースサイズは39mmで内部にはスイス製の自動巻ききムーブメント、キャリバー・ソプロッド・ニュートンを搭載。クリスタル風防は厚さ2mmのダブルドーム型で、ネジ込み式リューズと機密性の高い外装により300m防水を実現。
セラミックを使用したベゼルは傷がつきにくいポリッシュ仕上げとなっており、第2時間帯を表示することができる。テーパリングフォールドメッシュインテグレーテッドエンドリンクを使用した特殊なメッシュブレスレットは、幅20mmからクラスプ部分で16mmまで細くなる設計となっており装着感と美観を両立。販売価格は1200米ドル(約13万2千円)だ。
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
提供元・Watch LIFE NEWS
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