時計好きの憧れであったトゥールビヨンだが、近年はミドルレンジの価格帯から手頃な価格で購入できるモデルが登場している。今回は、ドイツの新鋭“ヴァルドホフ”の新作モデルに注目してみた。
》ドイツ品質にこだわるデイリーユースのトゥールビヨン
時計師アブラアム=ルイ・ブレゲが200年以上前に発明した複雑機構であり、時計好き憧れの機構として知られているトゥールビヨン。脱進機と調速機をキャリッジの中にまとめて回転させ、姿勢差を平均化する独自の機構が最大の特徴であり、小さなパーツを高い加工精度で製造し、それを組み上げて調整するためには熟練の技術とコストが必要となることが知られている。
これまでは、一般的に数百万円という高額なモデルが当たり前だったのだが、近年は製造技術の進歩により状況が変化。手頃な価格帯でトゥールビヨンを展開するブランドが登場し、デイリーユースできる“トゥールビヨン”が注目を集めている。今回紹介する“ヴァルドホフ”もそのひとつだ。
“ヴァルドホフ”は2015年にドイツのフォルツムハイムで創設された新鋭ブランド。
21年に日本での本格展開を開始しており、今年の1月にクラウドファンディングサイトで実施された先行発売プロジェクトで“4414万2408円”という、時計ジャンルでは驚異的な支援金を集め、時計好きからも注目を集めることとなった。
今回、クローズアップしたのは、前述したクラウドファンディングで先行発売された“ザ・インペリアル”と“ザ・ヴァンガード“の最新モデルだ。
フルスケルトン仕様のトゥールビヨンという基本コンセプトと、ドイツブランドならではのクオリティーをそのままに、ゴールド、ブルー、ブラックと、これまでにないカラーリングを採用したことでトレンド感のあるスタイリングを実現。代名詞であるトゥールビヨンをより際立たせることに成功している。
機能美あふれる機構とこだわりのドイツ品質に加えて見逃せないのが、憧れのトゥールビヨンを手軽に楽しめる10万円台の価格だろう。時計好きはもちろんだが、機械式をはじめて手に入れる人にも、チェックしてほしいモデルである。
》ドイツ品質にこだわる、デイリーユースのトゥールビヨン
搭載するムーヴメントは、専業メーカーであるPTS社の機械を採用しているが、企画立案、組み立て、品質管理をドイツで行っているという点がヴァルドホフの特徴。フォルツハイムにある工房で時計のデザインと組み立てを行っており、モデルによっては精度や美観を高めるためにムーヴメントの改良も行う。ドイツで品質管理を徹底することで、ほかの安価なトゥールビヨンとはひと味違う、確かな品質を実現している。
》編集部の注目モデル-其の1
WALDHOFF(ヴァルドホフ)
ザ・インペリアル
バロック様式からインスピレーションを得たスケルトン文字盤が目を引く“ザ・インペルアル。模様を透かして見える機械式ムーヴメントと、6時位置に配されたトゥールビヨンが独特の機能美を生み出している。代表的なモチーフであるアカンサス(葉あざみ)の装飾を文字盤と裏面に採用した立体的な装飾とトゥールビヨンの組み合わせが、ドイツブランドらしい高級感を醸し出している。
今回の先行発売では、既存の4モデルに加えて、ブルーの針とインデックスがアクセントを加える“エベレスト”のほか、レッドゴールドとステンレススチールのコンビ仕様2モデルが新たに登場。立体的なデザインに、これまでにないカラーリングが高級感とアクセントをプラスしている。
■エベレスト。SS×サファイアクリスタル(43mm径)。3気圧防水。手巻き(Cal.Hangzhou 3452)。一般販売予定価格28万7000円
※クラウドファンディングサイト“machi-ya(マチヤ)”にて先行発売
■レッドゴールドアジュール。SS×サファイアクリスタル(43mm径)。3気圧防水。手巻き(Cal.Hangzhou 3452)。一般販売予定価格28万7000円
※クラウドファンディングサイト“machi-ya(マチヤ)”にて先行発売
■レッドゴールドオブシディアン。SS×サファイアクリスタル(43mm径)。3気圧防水。手巻き(Cal.Hangzhou 3452)。一般販売予定価格28万7000円
※クラウドファンディングサイト“machi-ya(マチヤ)”にて先行発売