堅牢な作り、質実とした意匠などの評価が高く、日本の時計ファンの間でも支持を集めるドイツ時計。ドイツ時計と一口に言っても、バウハウス系のシンプルウオッチであったりグラスヒュッテ産の高級時計など、多様なイメージが浸透していると思うが、まだまだ日本では知られていないドイツ時計が存在している。

 今回紹介する “DETOMASO(デトマソ)”もそんなドイツ時計ブランドのひとつで、日本に上陸を果たしたばかり。IT起業家だった創業者が、愛車のヴィンテージカブリオレに乗りイタリアへ旅に出た経験を表現することをコンセプトにスタート。ドイツブランドでありながら、イタリア的スローライフ“ドルチェヴィータ”なスタイル、イタリアのレザークラフトへのオマージュを時計で表現しているのだ。

 2020年7月にクラウドファンディングサイトの“Makuake”でプロジェクトが開始(日本初上陸)され、目標金額を大幅に越す2911%の支援を集めた。

【イタリアの夏を感じる色合いを手首に!】ドイツ時計ブランド“デトマソ”の新コレクションが日本上陸
(画像=2020年7月に先行発売された、ソルパッソ クロノグラフ、『Watch LIFE NEWS』より引用)

 なかでもイタリア語で“追い越し”を意味する“ソルパッソ”はサブダイアルを持つクロノグラフだが、すっきりとしたシンプルな文字盤デザインゆえに視認性に優れる。そしてこの度様々なカラー文字盤モデルが新たに仲間入りを果たした。

DETOMASO(デトマソ)

ソルパッソ コローレ

【イタリアの夏を感じる色合いを手首に!】ドイツ時計ブランド“デトマソ”の新コレクションが日本上陸
(画像=■すべてSS(42mm径)。5気圧防水。クォーツ(Cal.Miyota 6S21)。各3万9603円〜、『Watch LIFE NEWS』より引用)

イタリア語で色彩という意味をもつ新作コレクションのコローレ。モデル名のとおり、まさに文字盤で“色”を主張するクロノグラフだ。

 カラー展開はブリュウ(青)、ロッソ(赤)、ヴェルベ(緑)、そしてジャロ(黄)の計四つ。ブリュウは水の都ヴェネツィアや、南イタリア宝石の街アマルフィ、青の洞窟などイタリアにとってなじみのある色だ。なかでもコローレで表現した青は、イタリアの濃い空の青をイメージ。それに合わせてケースとメッシュブレスにも深海を彷彿とさせる、ダークブルーのIP加工が施されている。

 ロッソはフィレンツェの赤屋根や、イタリアンオレンジ、眩しい太陽で育ったトマト“フェラリー”、情熱と博愛の心を表す国旗の赤をイメージ。

 ヴェルベは北イタリアのドロミテ街道やトスカーナ地方の美しい緑の丘、ジェノヴァのオリエンタール市場、そして人々を和ませる自然を象徴する国旗の緑を表している。

 最後にジャロではレモンをはじめ、太陽の恵をいっぱい受けた黄色いズッキーニや、黄色い人参“ジャンヌドウブス”といったビタミンたっぷりのベジタブルを表現。

 これらのカラフルな色合いによって、イタリアの夏を全面に表現しているのだ。

【イタリアの夏を感じる色合いを手首に!】ドイツ時計ブランド“デトマソ”の新コレクションが日本上陸
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

 ヴィンテージカーのバンパーを時計のラグに、リューズは燃料キャップ、そしてすり鉢状の文字盤はスピードメーターなど、既存のビアジーオのディテールは踏襲。

 デトマソのもうひとつの魅力は、ドイツで生産したパーツとイタリアから取り寄せたパーツ(風防、パッケージ)とムーヴメントをドイツで組み立て、検品をしていること。洗練のデザインと確かなクオリティを備えているのだ。

 今回もクラウドファンディングサイト、Makuakeで先行販売のプロジェクトが開催中。販売数量は各色30個のみと僅少。

 これまでのデトマソとはまた印象がガラッと変わった今作。夏に嬉しいメッシュブレス仕様のため気軽に着けられるのもうれしい。筆者は赤のロッソが特に気に入った。それぞれのモデルは差し色に針とブレスのカラーをそれぞれ変えてあるのだが、ロッソの深い渋みのある赤をベースに針に黄色を組み合わせた、いちばん夏らしい色合いが好みだ。まだまだうだるような暑い夏が続く。手首だけでも爽やかさを演出したいところだ。

【問い合わせ先】
モントルロロイ
TEL.03-5728-5321


文・松本由紀(編集部)/提供元・Watch LIFE NEWS

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