Point
■ドラッグを実際に服用しなくても、同じような幻覚症状を体験するお手軽な方法がある
■視覚や聴覚へのインプットを完全に均一な状態にすることで、幻覚が生じるという仕組み
■この現象を「ガンツフェルド効果」と呼び、爽快感もドラッグ使用時に近いものがある
およそ800億のニューロンで作られている人間の脳は、予想以上に脆弱で騙されやすいものです。時として脳は、実際に怪我や故障を経験しなくとも、それ自体で不可思議な働きをすることがあります。
錯覚や幻覚症状がその一例です。
今回紹介する方法は、2人の男性が公開した動画に基づいています。必要な道具も家にあるような身近なものばかりなので、もし興味のある方は自宅で試してみてください。
まったく同じ幻覚…驚異の「ガンツフェルド効果」とは
この方法は、特殊な感覚遮断状態を人為的に作り出すことで、視覚と聴覚に強い幻覚を引き起こすというものです。
必要な道具はこちら。
・薄くて光の通る白い紙
・コットン
・ゴムバンド
・はさみ、テープ、ホッチキス、ヒモなど(必要な場合)
・ホワイトノイズまたはノイズが30分間以上継続して発生するYouTubeの動画
・ノイズキャンセリング仕様のヘッドホン
次に具体的な方法です。
まずは光を通す程度の白い紙を大きめのアイマスク型に切り取ります。それを顔に当てて、外れないようにゴムバンドで固定します。目や鼻の隙間から光が入り込まないよう、コットンで栓をしましょう。
こうして視覚が完全に真白な状態を作り出します。
次にリラックスできる場所で仰向けになり、ノイズキャンセリングのヘッドホンを装着してホワイトノイズを再生します。これですべての準備は完了です。
幻覚が生じるまで20〜30分ほど横になっていましょう。
早ければ10分ほどで効果が現れる人もいるそうです。
2人の男性は開始20分後に、多くの色が花開くようにして目の前に現れたと報告しています。その後、片方の男性は悲鳴のような声が聞こえ、もう片方は笑い声が聞こえたといいます。
ドラッグを使っていないのに同じような幻覚が見られる理由は「ガンツフェルド効果」にあります。
ガンツフェルドとは「全体野」という意味で、視覚や聴覚として受け取るインプット情報に差がなく、完全に均一・平等な状態のことです。このように具体的な感覚情報が遮断された状態で近くを続けると、多彩な色の変化が見えたり、実際には鳴っていない音が聞こえたりするといいます。
実際に爽快感や中毒性の点でも近い効果があるようで、その証拠に上記画像に映る左側の男性はおかわりをする最中です。
幻覚など体験しないに越したことはないですが、どしても幻覚を体験したい人は、ドラッグを使うよりもまだこちらのほうが良いのかもしれません。
提供元・ナゾロジー
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