歴史に名を残す冒険家やダイバーたちが愛用してきた実績もあって、いまでも多くの時計ファンを魅了しているセイコーダイバーズ。初代モデルの誕生は1965年までさかのぼり、86年には1000m飽和潜水防水仕様のクォーツモデルが生まれている。
今回紹介するプロスペックス マリーンマスター プロフェッショナルは、その1000m防水クォーツモデルの誕生35周年を記念したアニバーサリーモデルだ。
■Ref.SBBN051。TI×CE、SSベゼル(49.4mm径)。1000m防水。クォーツ(Cal.7C46)。世界限定1200本。29万7000円
50mm近い直径のケースは、厚みも16.3mmとボリュームたっぷり。ダイヤシールド加工されて耐傷性を高めたオールチタンのケースはワンピース構造になっており、いわゆる“ツナ缶”の愛称で呼ばれるちょっとレトロなフォルムでインパクトは満点。このケースにジルコニアセラミックスのプロテクターを組み合わせて耐衝撃性を高めており、実用性とデザインをうまく両立させつつ、1000mダイバーとしての迫力をアピールしている。
4時位置のねじ込み式リューズに加え、ケースサイドに4個配置された大振りのビスもマッシブさを強調している。リューズの操作感も良好で、全体にダイバーズウオッチとしての信頼感は高い。ちなみにダイバーズにチタンケースを採用したのも、外胴プロテクターを付加したのも、すべてセイコーダイバーズが世界初なのだ。
文字盤はデイデイト表示に白いドットインデックスがバランス良く配されていて、ダイバーズらしく視認性は高い。表面のトーンはブルーからブラックに変化するグラデーションになっており、深海を制するこの時計の世界観をうまく表現している。秒針のイエローも差し色として効果的だ。海中でも瞬時に読み取れるように太い針を採用しているが、この針を駆動するためにトルクの強いクォーツムーヴメント(Cal.7C46)を採用している点も時計ファンとしては注目したいポイントだ。
ストラップはブラックのシリコンストラップだが、素材自体が柔らかいうえに蛇腹タイプになっているので装着感が非常に良い。そのため時計自体がこれだけゴツイのにも関わらず、着け心地は良好だ。ストラップは別にブルーも付属しているので、気分によって付け替えてもいいだろう。
現行のセイコーダイバーズはスプリングドライブムーヴメントを搭載したモデルなどもラインナップされており、いまでもセイコーの顔として親しまれているが、今回のマリーンマスターは顔つきもいにしえのセイコーダイバーズからの伝統を強く感じさせる。それでいて外装の豪華さや全体のスペックは大きく向上しているので、古くからのセイコーダイバーズファンにとって喜ばしいリイシューだと思う、価格は29万7000円と安くはないが、世界限定1200本というプレミアム感もあり、かなり人気を集めるのではないだろうか。
【問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室 TEL.0120-061-012
構成◎堀内大輔(編集部)/文◎巽 英俊/写真◎編集部
提供元・Watch LIFE NEWS
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