アメリカ・フロリダ州南部のエバーグレーズという湿地で、世界最長となる「ビルマニシキヘビ(英: Burmese python)」の捕獲に成功しました。
全長5.7メートル、体重47.2キロに達し、現在の最長記録を2.5センチ上回ったとのことです。
捕獲したのは、プロのハンターであるライアン・オースバーン氏とケビン・パヴリディス氏。
パヴリディス氏は「これほどのサイズのヘビには、2度と巡り会えないでしょう」と話しています。
”死闘の瞬間”をカメラは捉えた!
巨大ヘビの捕獲は今月2日、金曜日の夜のことでした。
両氏は日頃から、FWC(フロリダ魚類・野生生物保護団体)とSFWMD(南フロリダ水源管理局)と協力して、外来種であるビルマニシキヘビの駆除活動をしています。
死闘の瞬間は、しっかりとカメラに納められました。
パヴリディス氏は、フェイスブック上でこう振り返ります。
「深夜11時頃、エバーグレーズの奥深くで、腰ほどの深さの水場から巨大なビルマニシキヘビを引っ張り上げました。これほど大きなヘビは見たことがなく、近づいてきたときにはさすがに手が震えました。
大型のビルマニシキヘビはどれも危険ですが、このサイズは致命的です。ひとつ間違えば、病院行きは確実だったでしょう。
しかし重要なのは、このヘビが一生に一度会えるか会えないかというほど巨大なことです。たとえ、これから毎晩捕獲に出向いたとしても、2度と巡り会えないと思います。」
生態系の侵略者「ビルマニシキヘビ」
ビルマニシキヘビは東南アジアを原産としますが、現在では外来種として世界各地で見られます。
特に、エバーグレーズでは現地のヘビを制圧して侵略に成功しており、生態系を破壊し始めているのです。
本種はヘビの中でも最大種のひとつであり、大型の動物を絞め殺し、丸呑みする力があるため、エバーグレーズでは天敵がいません。
また、同地の湿った草原や沼地はヘビの繁殖に最適な環境であり、急速に数を増やして、人が近づくのも危険な場所になりつつあります。
そこでオースバーン氏やパヴリディス氏のようなプロのハンターによる駆除活動が必要なのです。
エバーグレーズからは、すでに5000匹以上のビルマニシキヘビが駆除されていますが、まだ3000匹以上は残っていると推定されています。
それでも。FWCのロドニー・バレット委員は、今回の捕獲について「エバーグレーズの生態系にとっては大きな勝利となった」と述べました。
ボスを叩けば、勢力も弱まるかもしれません。それとも、このサイズはほんの序の口に過ぎないのでしょうか…。
参考文献
iflscience
sfwmd
提供元・ナゾロジー
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