アフリカ東岸に位置するマダガスカルで先月30日、固有種の「フェルツコウ・カメレオン(学名:Furcifer voeltzkowi)」が約100年ぶりに再発見されました。

本種が最後に目撃されたのは1913年のことで、メスについては一度も見つかったことがありません。

今回はメスを含む18匹が発見されており、オスとは違った体色変化を示したとのことです。

調査は、ドイツとマダガスカルの共同研究チームにより報告されています。

目次

  1. 寿命が短すぎて見つかりにくい
  2. メスの個体が見つかったのは初めて

寿命が短すぎて見つかりにくい

研究チームは、「ロストスピーシーズ・プログラム」という10年以上発見されていない生物を探索する調査の一環として、2018年に現地入りしました。

調査主任のフランク・グロウ氏(ミュンヘン動物学収集博物館)は「当初、再発見の可能性は高いと考えていましたが、探索を進める中で予想以上に困難であることがわかりました」と話します。

フェルツコウ・カメレオンの生態は、多くが謎のままですが、生存期間が非常に短いことで知られています。

雨季の数ヶ月しか生存せず、現地の調査環境も悪くなることから、発見がより困難になっていたのです。

初対面ながらじゃれあう2匹の猫
(画像=「フェルツコウ・カメレオン」のオス / Credit: Kathrin Glaw、『肉球ドットコム』より引用)

しかし、調査を終える数日前に、現地のプロガイドの男性が1匹のフェルツコウ・カメレオンの発見に成功しました。

幸運はつづき、最終的にオス3匹とメス15匹が見つかっています。

メスの個体が見つかったのは初めて

発見された個体から、メスの方がわずかに小さいことがわかりました。オスの全長は平均16センチを超えますが、メスは15センチ以下です。

また、メスの体色変化はオスのそれと大きく違っていました。

オスの体は、明るい緑色をしており、怒りやストレスを感じると緑色のシマシマが濃くなって点滅します。

一方のメスは、緑地に赤い点が両側にあり、ストレスを受けると、緑地が一気に黒くなって、白い縞模様と紫がかったラインが体側に入ります。そして、喉元は明るいオレンジ色に点滅します。

妊娠時や天敵との遭遇時に体色変化を示すと見られます。

初対面ながらじゃれあう2匹の猫
(画像=ストレスを受けて体色が変化したメス / Credit: cnn、『肉球ドットコム』より引用)
初対面ながらじゃれあう2匹の猫
(画像=相手を威嚇するメス / Credit: cnn、『肉球ドットコム』より引用)

一方で、同チームは「本種が地理的に狭いエリアに分布しており、生息地が分断されているため、絶滅リスクも高い」と懸念しています。

しかし、フェルツコウ・カメレオンを保護するには、より詳しく生態を調査しなければなりません。

専門家たちは、こうした発見の難しい種を理解することで、生息地や自然環境の保護にも繋がると考えています。


参考文献

livescience


提供元・ナゾロジー

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