微細な光でも捉えて発電し、一旦フル充電されれば半年以上連続駆動し続ける画期的なムーヴメント、光発電エコ・ドライブ。長年、シチズンではこのムーヴメントを基幹ラインでも積極的に採用しており、シチズンの看板ともいえる存在に育て上げた。  エコ・ドライブ ワンは、そのエコ・ドライブが誕生40周年を迎えたことを記念し、構造や加工方法を根本から見直して新たに設計された特別仕様の超薄型モデルだ。このムーヴメントは2016年に発表されたものだが、薄さ1mmクラスという機械はクォーツでもほかに例がない。特にエコ・ドライブの場合、発電用のソーラーセルもムーヴメント上に載せなければならないので、薄型化が技術的に難しいことは想像に難くないのだが、長年のノウハウの蓄積によって製品化まで漕ぎ着けた点は賞賛に値する。

【話題の国産ウオッチを本音レビュー|Vol.19】シチズン エコ・ドライブ ワン
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

■Ref.AR5064-57E。SS(38mm径、3.88mm厚/設計値、デュラテクトDLC加工)。5気圧防水。クォーツ(Cal.8826、光発電エコ・ドライブ)。49万5000円

 実機を見てみるとやはりその薄さは際立っている。ケーシングされた状態で時計の厚みはわずか3.88mmで、装着してみると腕にぴたっと張り付くような絶妙なフィット感が楽しめる。肌に当たるケース裏を微妙にカーブさせていることも、このフィット感の良さに一役買っている。

【話題の国産ウオッチを本音レビュー|Vol.19】シチズン エコ・ドライブ ワン
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

 外装の仕上げも抜かりがない。ケースにはシチズンでも高級機に使われているザラツ研磨が施されており、シックな雰囲気をより高めている。面によって微妙に研磨の使い分けが成されているのはもちろんだが、仕上げにシチズン独自の表面硬化技術デュラテクトが施されており、全体が美しい光沢を放っている。ベゼルに配置された大振りなビスもアイキャッチになっており、単にシックなだけでなくスポーティブな味わいを加味している点もユニークだ。風防のクリスタルには光を99%透過させるクラリティ・コーティングが施されており、薄型ケースと相まってスマートなルックスを引き立たせている。

【話題の国産ウオッチを本音レビュー|Vol.19】シチズン エコ・ドライブ ワン
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

 文字盤はシンプルなバーインデックスでカレンダー表示もなく、非常にミニマルなルックスだ。ごてごてしていないこの文字盤デザインは、薄型ケースの長所をよく引き立てていると思う。全体に薄型ケースの長所たるオトナっぽさを全面に押し出しつつ、ビスを配したベゼルやリッチなブラックのコーティングなどでスポーティブでちょっと遊び心のあるテイストをうまく加味しており、ビジネスシーンだけでなく幅広いシチュエーションで使える1本に仕上げているのは流石だ。フル充電時には12カ月駆動可能で、エコ・ドライブ ワンでは初めてとなる5気圧防水という実用性の高さも併せ持っており、性能的にもオンにもオフにも使える1本としてオススメできそうだ。  50万円近い価格はクォーツ時計としてはかなり高価だが、先進的な世界最薄ムーヴメントを積んでいて、さらにデザインも洗練されているとなると、それだけの価値は十分あるのではないだろうか。

【問い合わせ先】
シチズンお客様時計相談室 TEL.0120-78-4807

構成◎堀内大輔(編集部)/文◎巽 英俊/写真◎編集部

提供元・Watch LIFE NEWS

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