目次

  1. シェルゲームとは?
  2. グリフィンは6〜8歳児と同じ知能レベル
天才インコ「グリフィン」、記憶力テストでハーバード大生に勝利!
(画像=インコのグリフィンとペッパーバーグ氏/Credit: Harvard University、『ナゾロジー』より 引用)

ハーバード大学にいるオスのヨウム(アフリカ原産の灰色インコ)、グリフィン(22歳)は、非常に高い知能を誇ります。

石を見せて「これは何?」と聞くと「Rock(石)」と答えたり、「模様の数はいくつ?」と聞くと「Six(6つ)」と正確に返答できるのです。

そして今回、同大学で行われた記憶力テストで、グリフィンはハーバード大生を上回るハイスコアを記録しました。

実験にはグリフィンの他、21名ずつのハーバード大生と6〜8歳の子どもに参加してもらい、視覚ワーキングメモリを検証する「シェルゲーム」を実施しています。

研究は、同大学の研究主任フラーグ・バイリアン氏と比較心理学者アイリーン・ペッパーバーグ氏らにより報告されました。

シェルゲームとは?

シェルゲームとは以下のようなテストです。

まず、用意した色の違うポンポンの位置を覚えてもらい、カップをかぶせ、見えない状態でシャッフルします。被験者は、どの色のポンポンがどの位置に移動したかを記憶するというものです。

天才インコ「グリフィン」、記憶力テストでハーバード大生に勝利!
(画像=『ナゾロジー』より 引用)
天才インコ「グリフィン」、記憶力テストでハーバード大生に勝利!
(画像=『ナゾロジー』より 引用)

ゲームは、ポンポンが2つ、3つ、4つの3パターンで実施され、1度のシャッフルで2個のカップを入れ替えます。シャッフル回数は0〜4回の5通りで、指定された色の位置を当てられたら成功(グリフィンはくちばしで指示)です。

グリフィンとハーバード大生は計120ラウンド、6〜8歳の子どもは計36ラウンドのゲームを受けました。

シェルゲームは、見えなくなったアイテムを記憶し、位置変更など新しい情報に直面しても対処できるかどうかを検証します。この認知機能は「視覚ワーキングメモリ」として知られ、知的活動における重要な基盤のひとつです。

グリフィンは6〜8歳児と同じ知能レベル

テストの結果、グリフィンの驚異的な視覚記憶力が判明しています。

グリフィンは、6〜8歳児のスコアをすべての面で上回り、ハーバード大生に関しても、ほとんどのラウンドで同じかそれ以上のスコアを記録しました。

天才インコ「グリフィン」、記憶力テストでハーバード大生に勝利!
(画像=Credit: nature、『ナゾロジー』より 引用)

縦軸は的中率、横軸はシャッフル回数(0〜4回)、上部のセットサイズはポンポンの数(2〜4つ)を指します。

ポンポンが2つの場合、グリフィンにミスはなく、3つの場合、シャッフル2回の除いてパーフェクト、4つになるとシャッフル数2回以上からスコアが急落しました。

それでもほとんどの条件でグリフィンがトップに立ち、鳥類の脳サイズでは考えられない驚異的なスコアを叩き出しています。

総合的に評価すると、グリフィンの知能は一般的な4歳児を上回り、6〜8歳児と同等であることが示されました。

天才インコ「グリフィン」、記憶力テストでハーバード大生に勝利!
(画像=テストを受けるハーバード大生、『ナゾロジー』より 引用)
天才インコ「グリフィン」、記憶力テストでハーバード大生に勝利!
(画像=テストを受けるグリフィン/Credit: nature、『ナゾロジー』より 引用)

視覚ワーキングメモリは、高い知能を持つ生物には欠かせない能力です。

目には見えない頭の中のイメージを操る力は、視覚ワーキングメモリによるもので、外部の視覚情報を取り込んで記憶し、それを自在にコントロールする働きを可能にします。

これが想像や空想、妄想などと呼ばれる能力です。人類が地球上のトップに立てたのは、何よりもイマジネーションに圧倒的に長けていたからでした。

シェルゲームの難易度が増すにつれてグリフィンのスコアが急落したのとは反対に、ハーバード大生のスコアが比較的安定していたのは、人特有の視覚ワーキングメモリの高さにあるのかもしれません。

研究の詳細は、5月6日付けで「Scientific Reports」に掲載されています。


Age and Species Comparisons of Visual Mental Manipulation Ability as Evidence for its Development and Evolution


reference: harvard, diazhub / written by くらのすけ

提供元・ナゾロジー

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