
<三河のあじさい寺、本光寺の山門>
最近西尾抹茶という言葉をよく見かけませんか?抹茶といえば宇治と思っていたのに、いつの間にかスイーツに使われている抹茶に「西尾抹茶」と書かれているのをよく見かけます。西尾ってどこ?と思い地図で確かめると、この抹茶の産地の西尾は愛知県の西三河地方の都市で、名古屋市から50kmほど東南に位置しているところだったのです。昔から知っている西尾が抹茶の産地だったとは驚くばがりです。それならばと、散策してみることにしました。
せっかく行くので、抹茶を楽しむ他に西尾ですることはないかとさらに調べると、西尾市のもう一つの特産は一色うなぎとあるではないですか。うなぎと言えば、これもまた浜名湖産を思い浮かべる方も多いと思います。しかし、なんと西尾市の一色町は、全国生産量の20%を誇る有数のうなぎの産地だったのです。
そして、6月といえばあじさいですよね。西三河地方にはあじさいの名所が多くあることで有名ですので、西尾で抹茶とうなぎを食し、あじさい巡りをする1日旅をすることにしました。
西尾抹茶について
出掛ける前に、まず西尾の抹茶の背景について調べました。
西尾は全国生産量の約20%を占める日本有数の抹茶の里です。文永8年(1271年)創建の実相寺境内に、その開祖、聖一国師がお茶の種を播いたことから始まりました。抹茶の生産が本格化したのは明治に入ってからで、大正後期には、てん茶 (抹茶の原料茶葉)の栽培が主となり、日本有数の抹茶の産地となりました。今では抹茶に特化した全国唯一の産地となり、西尾市とその周辺地域で産出される抹茶は、「西尾の抹茶」として特許庁の地域ブランドに認定されています。
その地域ブランドとしてのマーケティングにより、近年西尾抹茶としてその名が全国に広まったというわけです。さらには西尾市内にはお抹茶が飲める茶室、また抹茶スイーツを楽しめるカフェがたくさんあります。
西条園 あいや本店

<あいや本店入り口>
今回お邪魔したのは、明治21年(1888年)創業の老舗茶舗のあいや本店です。敷地内には抹茶の体験型ミュージアム「和く和く」があり、茶葉の品質鑑定、茶葉のブレンド、茶臼碾き体験ができる人気のお店です。(ミュージアムは完全予約制)
そして、併設しているカフェは、和の空間で、伝統職人が茶臼で碾いた抹茶スイーツの数々が楽しめると人気です。
まずは、歴史を感じる和の趣の入り口が、気分が盛り立ててくれます。中に入ると、右側が店舗、左がカフェです。カフェはソファーが置かれ、ゆったりとした作りになっています。大きな窓に囲まれていて、外には「現代ニッポンの庭百庭(創庭社)」にも選ばれた美しい日本庭園が広がっています。緑を眺めながら美味しいスイーツを楽しみ、くつろいだ時間を過ごすことのできる素敵なカフェです。
インスタ映えもする人気の抹茶の和スイーツの数々をご紹介します。
ふわふわかき氷(抹茶)

<季節限定のかき氷。今年はふわふわかき氷です>
季節限定のかき氷は毎年夏の名物詩として人気です。6月解禁のかき氷。毎年新しいバージョンがでます。今年はふわふわかき氷です。濃厚な抹茶蜜がたっぷりとかかり、そしてその上に練乳エルプーマクリームがかかっています。かき氷の中には黒糖アイスと餡、そして寒天まで入っていて、色々な食感が楽しめます。抹茶の他にほうじ茶のふわふわかき氷もあります
抹茶ぱふぇ

<一番人気の抹茶ぱふぇと抹茶を日本庭園の見えるカフェで楽しめます>
西条園一番人気スイーツは抹茶ぱふぇです。抹茶プリンの上に抹茶アイス、濃厚な抹茶ソフトクリーム、白玉、栗などが盛られていて、その上に最中が可愛くのっています。
抹茶ティラミス

<人気の抹茶のティラミス 少し和風です>
枡に入ってでてきました。表面はホワイトチョコでコーティング、その中に抹茶のわらび餅、栗、マスカポーネの他にも、もう1つ違うクリームも入っていました。とてもボリュームがあるスイーツです。
飲み物も抹茶はもちろん、抹茶ラテ、ほうじ茶ラテ、タピオカグリーンティーなど沢山あります。
【西条園あいや本店】
住所:愛知県西尾市上町横町屋敷15番地
電話:0563-56-2233
営業時間:9:30~18:30
定休日:無休(年始除く)
一色うなぎについて
一色うなぎは、西尾の一色町で生産されています。西尾抹茶とともに、特許庁の地域ブランドに認定され、今は全国生産量の20%の生産量を誇っています。名古屋にも沢山の美味しいうなぎの名店がありますが、うなぎの産地で食べるうなぎはまた格別でした。
うなぎ割烹 三水亭はなれ

<三水亭はなれの入り口と庭>
今回選んだのは、取引量日本一のうなぎ問屋、三河淡水グループが経営するうなぎ割烹の三水亭のはなれです。はなれは、本館と同じ敷地内にありますが、完全個室、完全予約制でプライベートな時間が過ごせる作りとなっています。
部屋は中庭に面した落ち着いたそして明るい空間でした。問屋さんの直営店だけあって、とてもお財布に優しいお値段なので、つい特丼とひつまぶしを頼んでしまいました。ちなみに、うな丼とうな重はそれぞれ1,950円と2,900円という信じらない安さです。
備長炭を使った関西風「遠火の地焼き」で、何度も手返ししながらじっくりと丁寧に焼き上げたといううなぎは中がふわっと、外がカリッとしていてとても香ばしく美味しかったです。
特丼
うなぎが2層に入っています。小鉢、お吸い物、漬け物、デザート、ソフトクリームのセットは、3,350円
ひつまぶし
うなぎがびっしり並んでいます、小鉢、お吸い物、漬物、薬味、だし、ソフトクリームのセットは、3,100円

セットについているソフトクリームは、西尾の松鶴園抹茶ソフト。おはしは三水亭の名前の入ったヒノキのお箸で、使った後はお持ち帰り用です。

<松鶴園抹茶ソフトクリーム>
そして、食後は3,000坪の芝生の広がる庭とを高さ7mの滝のある日本庭園を散策できます。
このセッティングで、この美味しさとボリューム、そしてこのお値段、本当に申し分なしでした。
【うなぎ割烹 三水亭はなれ】
住所:愛知県西尾市一色町坂田新田西江95-10
電話:0120-717-819
営業時間:昼 11:00~14:00(L.O)、夜 17:00~20:00(L.O)
定休日:水曜日
駐車場:あり
あじさい巡り
6月の風物詩といえばあじさい。西三河地方には多くのあじさいの名所があります。あじさい巡りに持ってこいのロケーションでした。
三ヶ根山スカイライン(西尾市)
三ヶ根山スカイラインは西尾市から形原温泉まで、標高326mの三ヶ根山の尾根を縦走する5.1kmの有料道路です。別名、あじさいロードと呼ばれるように6月には約7万本のあじさいが沿道を彩り、ドライブをする人々の目を楽しませてくれます。


<あじさいロード 色とりどりのあじさいが道路の両側に咲いています>
山頂からの眺望は素晴らしく、三河湾を一望できます。三河を代表する夜景スポットとしても人気です。

<山頂からの三河湾の眺め>
【三ヶ根山スカイライン】
所在地:愛知県西尾市東幡豆町入会山1-236
電話:0563-62-3001(料金事務所)
通行可能時間:8:00~20:00
料金:二輪自動車280円、自動車420円、マイクロバス1,100円、大型バス1,760円
形原温泉 あじさいの里(蒲郡市)
三ヶ根山スカイラインで辿りつくのが形原温泉です。形原温泉にある補陀ヶ池(ほだがいけ)周辺が「あじさいの里」として整備されています。東海地方随一の規模といわれる約5万株の色とりどりのあじさいが咲き誇る丘陵地の公園です。毎年6月の1ヶ月はあじさい祭りが開催され、夜はライトアップされ、幻想的な雰囲気であじさいを楽しめます。




<色とりどりのあじさいが咲き誇り、蒲郡の街と三河湾が見えます>
【形平温泉 あじさいの里】
所在地:愛知県蒲郡市金平町一ノ沢28-1
電話:0533-57-0660
【あじさい祭り】※2021年は終了いたしました。
開催日:2021年6月1日(火)~6月30日(水)
開催時間:8:00~21:00 ※ 期間中の21:00まで会場がライトアップされます
入場料:500円 ※ 中学生以下・障がい者手帳提示(本人付き添い1名)無料
本光寺(額田郡幸田町)
島原藩主深溝松平家の菩提寺で「三河のあじさい寺」として知られる本光寺は、国の史跡に指定されています。境内には約1万本のあじさいが植えられ、毎年6月にあじさい祭りが催うされます (2021年は中止)。
朱塗の山門へと続く石畳の参道の両脇にあじさいが咲き誇りっています。

<山門へ続く石畳の参道>
山門をくぐった後右手に続く、東御廟所への階段、そして松平家の代々お墓がある霊所にも沢山のあじさいが咲いてます。

<参道のあじさい>

<東御廊所 六代〜十九代の霊所へ向かう石段とあじさい>

<東御廊所に向かう石段のあじさい>

<肖影堂 五代目松平忠利の霊廊>
【本光寺】
住所:愛知県額田郡幸田町大字深溝内山17
電話: 0564-62-1111(代表)
営業時間:早朝~日没 ※御朱印は9時~16時
料金:無料【東御廟所】拝観料100円
駐車場: 有(無料/美化協力金300円あり)
まとめ
西尾と西三河の6月の旅、いかがでした?美しい色とりどりのあじさい癒され、そして美味しいうなぎと抹茶を満喫した一日でした。名古屋から車で約1時間の西三河地方、これからも時々出掛けたいと思っています。三河湾に浮かぶ佐久島は今アートの島と人気で、佐久島へは一色港からボートがでていますので、次はアートとグルメの旅をするのもいいなと思いました。
文・写真・Sachiko/提供元・たびこふれ
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