先月中旬、アメリカ・フロリダ州パームハーバーで、2つの頭を持つヘビが発見されました。
ヘビは、同州在住のケイ・ロジャーズさんが飼っているネコが口にくわえて自宅に持って帰ってきたそう。
ケイさんは「頭が2つあるので非常に驚いた」と話しています。
素人には飼育困難
庭先から帰ってきた飼いネコの”オリーブ”は、戦利品のヘビを得意げにリビングの床に置きました。
そのヘビの頭が2つあることに気づいたのは、ケイさんの娘のアベリーさん(13歳)でした。
アベリーさんは「最初はケガをしているのかと思いましたが、すぐに頭が2つあるヘビだと分かりました。結局、ドス(Dos、スペイン語で2の意味)という名前をつけて飼育することにしたのです」と話します。
しかし、いざ飼育を始めると、素人ではとても飼えないことが分かったそうです。
ケイさんは「エサを与えても、片方の頭がそれを食べようとすると、もう片方が別の方向に動くのでどちらも上手く食べられないのです」と話します。
その後、ロジャースさんたちは、フロリダ州魚類・野生生物研究所(FWC)に連絡して、引き取ってもらうことにしました。
双子がうまく分離できなかった
FWCの専門家も「双頭のヘビが見つかるのは非常に珍しく、実際に見たのは初めて」といいます。
調査によると、このヘビは同州に広く生息する「サウザンブラックレーサー」という種で、無毒ですが、鋭い歯で咬まれると「針で刺されたように痛む」そうです。
ヘビが双頭になった理由については「胚の発生時に一卵性の双子がうまく分かれず、1つの胴体に2つの頭ができてしまったのでしょう」と説明します。
また「それぞれの頭に脳があり、別々に判断を下すため、エサの捕食や天敵から逃げることが難しく、野生下では生き残りにくい」と指摘します。
この個体は生後1〜2ヶ月ほどで、現在は同研究所に保護されています。
エサも少しずつ食べ始めているそうで、健康が安定し次第、専門の博物館に預ける予定です。
参考文献
livescience
iflscience
提供元・ナゾロジー
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