今やすっかり健康飲料として根付いた豆乳。
冬は豆乳鍋、夏は豆乳スムージーと、四季を通して楽しめる豆乳の栄養や効果効能について、皆さんどれだけ知っていますか?
今回は、豆乳の栄養素や私たちの健康や美容に嬉しい効果効能についてご紹介していきます。
目次
1 豆乳とは?豆乳の種類や豆乳の歴史
1.1 豆乳とは
1.2 豆乳の種類
1.3 豆乳の歴史
2 豆乳の栄養素、身体にもたらす驚くべき健康・美容効果とは!
2.1 豆乳の栄養素
2.2 豆乳の栄養素がもたらす効果効能
3豆乳をお料理に取り入れる際の注意事項
3.1 豆乳の分離を防ぐには
4 世の中にはこんな豆乳も!ネットで購入できる豆乳をご紹介
5お家で簡単!健康豆乳レシピ
5.1 便秘解消に効果的!豆乳を使ったバナナときな粉のスムージー
5.2 お料理の前菜に!豆乳のサワースープ
6 まとめ
豆乳とは?豆乳の種類や豆乳の歴史
豆乳とは
豆乳の原料は、栄養の宝庫と言われる大豆です。
原料である大豆を蒸して、すり潰し、絞った際にできる乳液状のものが豆乳になります。「乳」という漢字が使われていることから、乳製品と思われている方もいますが、豆乳は乳製品ではありません。なので、牛乳アレルギーの方も問題なく飲むことができます。
ちなみに、豆乳ににがりを加え固めると豆腐になり、豆乳を絞った後に残るかすがおからとなります。
豆乳の種類
日本で主に生産されている豆乳は、「無調整豆乳」「調整豆乳」「豆乳飲料」の3種類になります。それぞれ、どのような特徴があるのか簡単にご紹介します。
◆無調整豆乳
豆乳に水以外のものは加えておらず、大豆固形分が8%(大豆たんぱく質が3.8%)以上のもの。
◆調整豆乳
豆乳に砂糖や塩、油脂や香料などを加え飲みやすくしたもので、大豆固形分が6%(大豆たんぱく質が3.0%)以上のもの。
◆豆乳飲料
調整豆乳に果汁やコーヒーなどを加えたもの。果汁入りの場合は大豆固形分が2%(大豆たんぱく質が0.9%)以上、それ以外の場合は大豆固形分が4%(大豆たんぱく質が1.8%)以上のもの。
ダイエット中など、低脂質でできるだけカロリーが低いものを求めている場合は、無調整豆乳がおすすめですが、調整豆乳や豆乳飲料と比べると、無調整豆乳は独特の舌触りや大豆そのものの味を強く感じるなどの癖があり、少し飲みにくいかもしれません。
継続するには自分に合っているかどうかも重要な要素です。無理はせず、飲みにくいなと感じたら調整豆乳や豆乳飲料から始めてみましょう!
豆乳の歴史
今では当たり前のようにスーパーで見かける豆乳ですが、私たちの生活に定着したのは、実はごく最近のこと。日本で商品として豆乳が販売され始めたのは、1974年頃とまだ50年も経っていないのです。
豆乳が注目され始めたのは、さらに近年、2000年の栄養・健康補助食品ブームが訪れてから。大豆が原料である豆乳の栄養素に徐々に注目が集まり、2004年頃になると急激に豆乳の生産量や消費量が増加しました。最近では、スーパーでもコンビニでも豆乳を購入できるほど、私たちの生活に根付いています。
ちなみに、日本で一番需要があるのは調整豆乳で、生産量のうち55~60%の割合を占めています。
豆乳の栄養素、身体にもたらす驚くべき健康・美容効果とは!
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豆乳の栄養素
では、気になる豆乳の種類ごとの栄養素を比較してみてみましょう。
■豆乳の主な食品成分(可食部100g当たり)
対象 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | カルシウム |
---|---|---|---|---|---|
無調整豆乳 | 46kcal | 3.6g | 2.0g | 3.1g | 15mg |
調整豆乳 | 64kcal | 3.2g | 3.6g | 4.8g | 31mg |
豆乳飲料 | 60kcal | 2.2g | 2.2g | 7.8g | 20mg |
※文部科学省 食品成分データベース / 出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
やはり一番カロリーや脂質が低いのは、無調整豆乳。ですが、体作りに必要なたんぱく質は、3種のうち一番量が多いのです。無調整豆乳がダイエット食として人気があるのも、納得がいきますね。
豆乳の栄養素がもたらす効果効能
◎大豆イソフラボン
女性ホルモンの一種エストロゲンに似た構造をしている大豆イソフラボンは、体内で女性ホルモンのバランスを整える働きがあります。ポリフェノールの一種で抗酸化作用があり、更年期障害の症状を改善してくれるだけでなく、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促すため、美肌効果が期待できます。その他、女性ホルモンの増減によって起こる体の不調を予防してくれるため、にきびや抜け毛、骨粗しょう症の予防にも効果的です。
◎大豆たんぱく質
豆乳に含まれる大豆たんぱく質は植物性のため、低カロリーで基礎代謝を活性化する働きがあります。そのため、ダイエットにも効果があるとされ注目されているのです。たんぱく質は、人の体を形作る上で必要不可欠な栄養素であり、骨や筋肉などを丈夫にし、髪の毛や爪を健康に保ってくれます。
◎サポニン
脂肪の過剰吸収を防止し、血中のコレステロールを抑制してくれるのでダイエットに効果的です。高い抗酸化作用は、身体の老化を予防する働きがあるため、アンチエイジング効果も期待できます。その他、便秘改善にも一役買ってくれる頼りになる栄養素です。
◎レシチン
悪玉コレステロールの低下を促進し、血液の流れを改善します。その結果、動脈硬化などの生活習慣病を予防する働きがあると考えられています。また、脳の情報伝達をスムーズにするため、記憶力や集中力を向上し、脳の老化を予防する効果が期待されています。
◎ビタミンEやビタミンB群
血行促進を促し、ホルモン分泌を活性化するビタミンEは、老化を防ぐ働きがあるため若返りのビタミンと呼ばれます。一方で、体の代謝を助けてくれるビタミンB群は、美容のビタミンと呼ばれます。豆乳には、このどちらのビタミンも豊富に含まれています。血流がよくなることで、冷え性改善や肩こりなどの緩和作用も期待できます。
◎不飽和脂肪酸
脂肪の燃焼を助け、中性脂肪や悪玉コレステロールの低下を促進してくれるので、太りにくい体作りをサポートしてくれます。
◎オリゴ糖
オリゴ糖は腸内で善玉菌の餌となってくれます。腸内環境が整えられることにより、免疫力アップ、便秘改善、美肌効果などが期待できます。
豆乳をお料理に取り入れる際の注意事項
豆乳はそのまま飲んでも良いですが、お料理に取り入れることも可能です。
なぜなら豆乳の栄養素は、加熱してもほとんど変わりなく、とても便利なものだからです。豆乳のまろやかでクリーミーな味わいは、牛乳や生クリームの代わりに使用することができますし、肉の下味をつけるのに使ったり、だしの代わりに使用することもできます。
豆乳は加熱すると、たんぱく質の凝固が発生し、液面に膜のようなものが生じます。実は、この膜こそがいわゆる「湯葉」と呼ばれるものなのです。
ですがその性質ゆえ、気を付けなくてはいけないことがあります。それは、たんぱく質の凝固により起こる「分離」です。ここでは、この分離を防ぐためのポイントについてご紹介します。
豆乳の分離を防ぐには
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◎煮立たせないようにしましょう
豆乳は煮立たせてしまうと、分離しやすくなってしまうので、弱火でふつふつするくらいの火加減で熱するようにしましょう。
また、豆乳だけで煮るより、だし汁や水を加えることで分離しにくくなります。お鍋やスープなどに豆乳を加えたい場合は、先に豆乳を除くスープだけで煮込み、仕上げの段階で豆乳を加えると良いでしょう。
◎とろみをつけましょう
作るお料理にもよりますが、豆乳はとろみをつけることで分離しにくくなります。
シチューなど、とろみがついていても問題のない料理を作る際は、水溶き片栗粉などでとろみをつけると良いでしょう。
◎調整豆乳を使いましょう
無調整豆乳と調整豆乳を比較した際、調整豆乳の方が大豆たんぱく質濃度が低いため、調整豆乳の方が分離しにくくなっています。 ただ、無調整豆乳と違い、調整豆乳には砂糖や油脂が加わっているため、甘みが強くなっています。お料理で調整豆乳を使う際は、砂糖の量を減らすなど、味付けの調整が必要になってきます。
世の中にはこんな豆乳も!ネットで購入できる豆乳をご紹介
今や豆乳はお手軽に買える飲料となりましたが、ここでは少しだけ贅沢な豆乳についてご紹介します。
◆マルサン タニタ カフェ監修 オーガニック 無調整豆乳 1000ml×6本
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◆マルサン ソイプレミアムひとつ上の豆乳 成分無調整 200ml×24本
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◆キッコーマン 北海道産大豆特濃調製豆乳 1000ml ×6本
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◆ふくれん 九州産ふくゆたか大豆成分無調整豆乳 200ml×24個
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お家で簡単!健康豆乳レシピ
便秘解消に効果的!豆乳を使ったバナナときな粉のスムージー
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【レシピ】2人分
◎材料
・無調整豆乳 300ml
・冷凍しておいたバナナ 2本
・きなこ 大さじ2
・レモン汁 適量
◎作り方
1.バナナはあらかじめ皮を剥き1cmくらいの輪切りにし、レモン汁をかけ、冷凍しておく。
2.ミキサーにバナナ、きな粉、豆乳の順に入れる。
3.ミキサーで撹拌(かくはん)したら、完成。
3STEPで作れるとても簡単な豆乳スムージーです。お好みで具材を変えることもできますが、その際の注意点として、ミキサーには固いものから順に入れるようにしましょう。また、甘めがお好みの方は、無調整豆乳ではなく、調整豆乳を使うと良いでしょう。
はちみつやきび砂糖などを追加して甘みを出すこともできますが、甘味料を使用する場合はミキサーに一番最後に入れるようにしましょう。
あらかじめバナナを冷凍するのを忘れてしまった場合は、氷を2~3個入れることで冷たいスムージーを作ることができます。
豆乳を使ったスムージーは、野菜や果物を組み合わせることでさまざまなバリエーションを作ることが可能ですし、組み合わせによって体に嬉しい健康・美容の相乗効果が図れます。手順も簡単なので、ぜひいろいろ試してみてください。
お料理の前菜に!豆乳のサワースープ
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【レシピ】2人分
◎材料
・無調整豆乳 300ml
・万能ねぎ 30g
・ちりめんじゃこ 30g
・お酢 適量
・塩 適量
◎作り方
1.万能ねぎは5mmくらいの幅で刻んでおく。
2.冷たい豆乳を器によそい、万能ねぎ、ちりめんじゃこを加える。
3.お酢を加える。冷たい豆乳にお酢を加えることで豆乳がゆるく固まるので、固まり具合を確認しつつお酢の量を調整する。
4.塩で味を整えたら、完成。
酸による凝固を利用したお手軽なスープです。万能ねぎやちりめんじゃこの分量は、お好みで調整して構いません。
夏の暑い日などに嬉しい一品なので、ぜひお試しください。
まとめ
豆乳はスープやお鍋といったお料理にはもちろん、お料理を作る際の調味料としても、スイーツを作る際の材料としても使える、とても万能な存在です。レシピもちょっとした工夫次第でいくらでも生み出せます。
健康効果抜群で、ダイエットなどの美容効果目的でも活用できる豆乳ですが、やはり飲み過ぎは厳禁です。飲料として飲む以外にもお料理に活用するなどして、賢く豆乳を摂取するようにしましょう。
◆参考文献◆
『豆乳がおいしくしてくれる毎日のレシピ おかず・ソースとクリーム・おやつ』文化出版局
『豆乳スムージー』文化出版局
『血管がぐんぐん若返る!!豆乳オリーブオイル』集英社
『簡単でおいしいから毎日続けられる!豆乳の魔法レシピ』誠文堂新光社
文・Ms.小わっぱ/提供元・店通-TENTSU-
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