目次

  1. 新種なら犬にちなんだ名前に
2匹の犬が2億年前の恐竜の化石を発見(イギリス)
(画像=ポピーとサム、手前が化石/Credit: JON GOPSILL、『ナゾロジー』より引用)

point

  • イングランドの浜辺で、2匹の犬が「魚竜」の化石を発見する
  • 新種に認定されれば、犬2匹にちなんだ名前がつけられる予定

イングランド南西部・サマセットのストルフォード・ビーチで、約1億9000万年前の恐竜の化石が発見されました。

見つかったのは、絶滅した海棲爬虫類に属する「魚竜(ichthyosaur)」の化石。

しかも化石を発見したのは、人ではなく「2匹の犬」だったのです。

新種なら犬にちなんだ名前に

飼い主のジョン・ゴプシルさん(54)によると、化石が発見されたのは昨年のクリスマス前のこと。その日は、ちょうど嵐が去った後のことで、浜辺には1キロ近くにわたり巨大な岩版が露わになっていたそうです。

ゴプシルさんがペットの犬ポピーとサムと一緒にボール遊びをしていると、彼らは何かに気づいた様子で地面を探り始めました。

近づいてみると、そこには全長167センチもある魚竜の化石がくっきりと浮かび上がっていたのです。

2匹の犬が2億年前の恐竜の化石を発見(イギリス)
(画像=発見された化石/Credit: JON GOPSILL、『ナゾロジー』より引用)

ゴプシルさんは当時を振り返り、「見つけた瞬間は鳥肌が立ちました。最初のうちは頭が混乱して、その場を行ったり来たりしていましたね」と話します。

彼がとりあえず化石の写真を撮ってフェイスブック上にアップすることにしました。

すると写真は瞬く間に世界中に拡散され、ついには、発見者のポピーとサムが「化石犬(fossil hounds)」としてニューヨーク・ポストに掲載されるまでに。噂を聞きつけた地元民も、化石を一目見ようと現場に押し寄せました。

化石が傷つけられ、失われることを恐れたゴプシルさんは、地元の遺産保存団体「South West Heritage Trust」に連絡。その後、化石は無事に周辺の岩版ごと切り出されました。

2匹の犬が2億年前の恐竜の化石を発見(イギリス)
(画像=化石跡で遊ぶポピーとサム/Credit: JON GOPSILL、『ナゾロジー』より引用)

しかし、魚竜の種類はまだ特定されていません。頭部が欠けていることもあって調査はかなり難航しているようです。

ゴプシルさんは「もし新種認定されたら、犬にちなんで『ポピサムサウルス(Poppyisamosaur)』と名付けたい」と話します。ただし、発見者の命名が認められるには、国際動物命名規約に基づいた委員会の審査にクリアしなければなりません。

2匹の犬が2億年前の恐竜の化石を発見(イギリス)
(画像=魚竜のイメージ図/Creddit: GETTY IMAGES、『ナゾロジー』より引用)

それでも、ゴプシルさんは「名前が認められなくても、ずっと夢見ていた化石の発見が実現しただけで大満足」と話しています。

実はゴプシルさん自身、熱心なアマチュア考古学者なんだとか。今回の発見は、サンタからのクリスマスプレゼントだったのかもしれませんね。

魚竜の化石は、地元サマセットで展示される予定です。

提供元・ナゾロジー

【関連記事】
ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功