目次

  1. 7項目に分けて質問調査
  2. 「独身」の方が幸福度は高かった
恋人持ちよりも「独身者」の方が幸福度が高いという研究結果
(画像=独身を楽しむイメージ画像 / Credit:depositphotos、『ナゾロジー』より 引用)

Point

■アメリカの調査により、日々の幸福度は恋人がいる人より独身者の方が高いことが判明

■恋愛関係にある人の満足度は、自分にパートナーがいるという安心感が原因となっている可能性もある

これからの時代、「恋人がいない」と嘆く必要は無いかもしれません。

アメリカの南メソジスト大学、ミシガン州立大学の共同研究により、恋愛関係にある人よりも独身者の方が日々の充実度が高く、不満も少ないことが明らかになりました。

今回調査された7項目の内、パートナーがいる人が上回ったのは1項目だけで、残りの6項目はすべて独身者が上回っていたのです。

「冷めたカップルより独り身の方が幸せ」とはよく聞きますが、意外にも独身者は普通のカップルよりも幸福度が高いのかもしれません。

研究の詳細は、8月13日付けで「Personality and Social Psychology Bulletin」に掲載されています。

The Highs and Lows of Love: Romantic Relationship Quality Moderates Whether Spending Time With One’s Partner Predicts Gains or Losses in Well-Being

7項目に分けて質問調査

研究チームは、19歳〜92歳の被験者326人に対し、質問調査を実施しました。被験者のうち、307人は恋愛関係にあるパートナーがおり、271人は既婚、7人は婚約中です。

残りはパートナーのいない独身者ですが、中には交際経験のない人から離婚した人、パートナーと死別して一人暮らしをする人が含まれています。

調査項目としてピックアップされたのは、以下の7つです。

1.ポジティブ感情(ここ2週間以内における幸福度と満足度)

2.ネガティブ感情(ここ2週間以内における不安・不満度)

3.意義・充実度(ここ2週間以内における充実度・意義を感じるか)

4.昨日のポジティブ感情(昨日行なった、参加した活動に対する満足度)

5.昨日のネガティブ感情(昨日行なった、参加した活動に関する不満度)

6.昨日の意義・充実度(昨日行なった、参加した活動に関する充実度・意義を感じるか)

7.人生の満足度(自分の人生全体に対する被験者の満足度)

また、パートナーのいる被験者には、恋愛関係の良好さを調べる質問を別に行い、1(非常に悪い)〜7(非常に良好)段階で評価付けしてもらいました。質問は「パートナーがいることで幸せになっているか」や「お互いに良い関係性を保てているか」といったものです。

しかし、結果はロマンティックなものとはなりませんでした。

「独身」の方が幸福度は高かった

結果は一目瞭然で、恋愛関係にある人は、独身者より日々の幸福度が低く、不満やネガティブ感情を抱きやすい傾向にあったのです。日常の生活に感じる意義や充実度も独身者の方が高いという結果になりました。

ただ一点だけ、7番目の「人生に対して満足しているか」では、パートナーのいる人の方が独身者を上回っています。これについて研究チームは、「恋愛関係にあるという事実そのものを高く評価していることが原因ではないか」と推測しています。

つまり、恋愛関係にある人は、パートナーとの実際の関係性よりも、自分にパートナーがいるという事実に満足感・安心感を抱いている可能性があるということです。

パートナーがいることで返って息苦しさを感じている人は意外と多いのかもしれません。

恋人持ちよりも「独身者」の方が幸福度が高いという研究結果
(画像=Credit:pixabay、『ナゾロジー』より 引用)

しかし一方で、パートナーの関係性が極めて良好だった被験者においてのみ、7項目すべてで独身者を上回る満足度・充実度を記録しています。言うまでもなく、恋人との実際の仲が大事だということです。

この結果を見ると、独身だからといって不幸には直結しませんし、恋人がいるからといって必ずしも幸せであるとは限らないことが分かります。結局、幸せの尺度は人それぞれだということでしょう。

reference: psychologytoday

提供元・ナゾロジー

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