自動車のメーターは、そのコンディションや状況をドライバーに伝えるという重要な役割を担っています。その重要度というのはクルマのキャラクターやニーズによっても変わってきます。シンプルにスピードメーターだけにしているものもあれば、エンジン回転数を示すタコメーターと並べているクルマもあります。最近では液晶ディスプレイを利用することで、様々なデザインのメーターに切り替えられるクルマも少なくありません。そして、スポーティなクルマになると単位が「℃」となっている小さなメーターが並んでいることもあります。これは何の温度を示しているのでしょうか。
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メーター内にある温度計は何を測っているの?
最近はメーターではなくインジケータが多い
メーター内にある温度計は何を測っているの?
その多くは水温計といって、エンジン内部を冷やしている冷却水(クーラント)の温度を示しています。
クーラントはウォーターポンプによってエンジン内部を循環したのち、ラジエターによって外気との温度差を利用してエンジンの熱を放出する役割の持っています。いくつかの添加剤は混ざっているとはいえ、基本的には水ですから高温になると沸騰してしまいます。沸騰すると空気が混じった状態になってしまい、きちんと冷やすことができません。いわゆるオーナーヒート状態になります。
そこで走行中に、クーラントが100℃を超えないように監視するのが水温計の目的です。なお、クルマの冷却系というのは大気圧より少し高圧になっていますから、沸点は100℃より若干上がっています。しかし、95℃を超えないようにチェックすることが多いでしょう。
また、クーラントが冷えすぎた状態というのもエンジンにとってはいいことではありません。かつては水温計の針が動き出すまではゆっくりとクルマをいたわって走ろうなどといったものです。
最近はメーターではなくインジケータが多い
最近では、そうした暖まっていない状態では青いインジケータを、オーバーヒート時には赤いインジケータを点灯させてドライバーに注意を促すデザインが増えていることもあり、水温計を標準装備しているクルマは少なくなっています。そのため「何の温度を示すメーターだろう」と不思議に思うドライバーも増えているのかもしれません。
そのほかに油温計といってエンジンオイルの温度を示すメーターもありますが、この油温計を標準装備しているクルマというのは、最近ではよほどのスポーツカーくらいで、乗用車ではほぼ見かけることはないでしょう。
ちなみに、水温計は60〜120℃、油温計は60〜150℃といった範囲を示すことが多く、それは目盛りに数字が入っていない場合でも同様です。
文・山本晋也/提供元・CarMe
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