「先延ばし」という言葉には、マイナスなイメージがつきものです。先延ばしをすることで、後悔や不安の念を引き起こしたり、生産性を落としたりすることも多いでしょう。
しかし、これはあくまでも受動的な先延ばしの場合です。先延ばしのポジティブな面について、インドの心理学者Aditya Shukla氏が海外メディア「cognitiontoday」で語っています。
Active or Passive? Procrastinating on purpose may boost creativity & productivity
2タイプの「先延ばし」
先延ばしには主に2タイプあります。受動的な先延ばしと能動的な先延ばしで、前者は後悔の念を抱かせ、後者はポジティブな結果をもたらします。
両者の最も大きな違いは、前者がタスクをやると決めた後でも先延ばししてしまう傾向にあるのに対し、後者は、いつまで先延ばしするかを明確に決め、時が来たら確実にタスクを遂行する力がある点です。
受動的な先延ばしは、決断力と自己管理力のなさによって、仕事を完遂する妨げとなります。一方で、能動的な先延ばしは、あえてプレッシャーのかかる状況を作ることで、自らのベストパフォーマンスを引き出せるのです。
言い換えれば、能動的な先延ばしとは、自己マネジメントの能力と言えるでしょう。
能動的な先延ばしの4つの特徴
能動的な先延ばしには、4つの大きなメリットがあります。
1.「時間的プレッシャーへの積極性」
時間制限や締め切りにフラストレートすることなく、反対にそれを利用することで集中力を高められます。
2.「先延ばしへの主体性」
先延ばしに計画性や主体性があり、意図的にタスクを遅らせることで、モチベーションを高められます。
3. 「締め切りを守る能力」
能動的な先延ばしができる人には、タスクを遅らせるにもかかわらず、締め切りに遅れることはありません。決められた時間は守ることを前提に先延ばしをします。
4. 「先延ばしによる満足感」
能動的な先延ばしをする人は、一つのタスクに時間をかけます。短期間で完成させると満足できないことも多く、質を重要視するのです。質の高いものを完成させた際には、最上の満足感が得られます。
以上から、能動的先延ばしは、やはり自己マネジメント能力の高さと結びついていることが伺えます。
先延ばしも使い方次第では、プラスの力に変えることができるのです。
提供元・ナゾロジー
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