Point
■時間感覚の絶対法則は「年を取るにつれて時間が速く過ぎ去る」「新しいことに触れると時間は伸びる」
■時間が速く過ぎ去る原因は、日々の世界に慣れてしまって心が処理する情報量が激減することによる
■時間感覚を伸ばすコツは、内面の思考ではなく外の世界から来る感覚に鋭敏になること
今日から時間操作能力者!?
リーズ大学ビジネススクールの心理学教授スティーヴ・テイラー氏が自身の著書『Making Time: Why Time Seems to Pass at Different Speeds and How to Control it 』の中で、時間感覚を伸ばすコツについて詳述している。
テイラー氏によると方法は2つあり、1つは「親密さを避ける」こと。もう1つは「外の世界に意識を開き、感覚に敏感になる」ことだという。
では、具体的には何をすればいいのだろうか。
時間が速く過ぎ去る原因とは
テイラー氏は著書の中で、心理学的な時間プロセスに関する2つの絶対法則を挙げている。
1つは「年を取るにつれて時間は速く過ぎ去る」ということ。もう1つは「新しい体験や環境に触れると時間は遅くなる」ということだ。
つまり「時間感覚」と「心が処理する情報量」は密接に関係している。心が取り入れる情報が多ければ多いほど、時間感覚は伸びていくのだ。
子どもには時間が持て余すほどあり、大人になると時間が足りなくなるのはこれが原因だという。
子どもにとって世界は未知なる情報で満たされており、あらゆる経験が初めてのことばかり。反対に大人になるにつれ、目新しい情報は(意識的にならない限り)グッと減っていく。
要するに自分が接する日常世界との「親密さ」が増すというわけだ。時間が瞬く間に過ぎ去るのは、心が処理する情報量が少なくなるからである。
時間感覚を伸ばす2つのコツ
初めての体験や場所で時間感覚は伸び、ルーティンを淡々とこなしていると時間は速く過ぎ去ってしまう。これは誰しもが感覚的に理解していることではないだろうか。
それなら、心が処理する情報量を多くすれば時間感覚は自然と伸びていくはずだ。
しかしテイラー氏によれば、わざわざ外国や新しい習い事を始めなくても時間感覚を伸ばすコツがあるそうだ。
それは「慣れている世界(親密さ)を避け」て、普段から「五感を研ぎ澄ませる」ことだという。日常世界への慣れを覆すには、内面の思考よりも外部世界への感覚に鋭敏になることが効果的なのである。
朝シャワーを浴びるときでも「今日は何をしようか」「昨日何したかな」と考えるのではなく、今この瞬間に肌で感じている水温や音、匂いに意識を向けることが重要だという。
「見るもの、聞くもの、感じるものに注意を向けることで、日々の馴れ馴れしさは消え去る」とテイラー氏は指摘する。心の内に閉じこもるのではなく外の世界に意識を開いてみれば、心が処理する情報量は必然的に多くなる。
これで「気づいたら1ヶ月」みたいな悲しみが無くなったらいいな、とひたすら思う。
提供元・ナゾロジー
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