先週末、アメリカ中西部にあるミネソタ州のバーンズビル市当局が、衝撃的な写真を公開しました。

サッカーボールほどに膨れあがった巨大な金魚です。

アメリカでは今、ペットの金魚を野生に放す飼い主が後を絶たず、問題視されています。

そして当の金魚たちは池や湖の広大さにまかせて、どんどん巨大化し、生態系を荒らすようになっているのです。

目次

  1. 軽い気持ちで放したつもりが…

軽い気持ちで放したつもりが…

バーンズビル市は最近、住民からの苦情を受けて、地元の湖で金魚の生息状況の調査を開始しました。

水辺の害虫駆除を専門とするCarp Solutions社の協力を得て、市当局は調査チームを派遣しましたが、その専門家でさえ、見つかった金魚のサイズに唖然としたと言います。

同チームの自然資源専門家であるカレブ・アシュリング氏は、インタビューでこう答えています。

「お店で売られている金魚は、ほんの小さな魚です。それが湖から引き上げたサッカーボール大の金魚を目の当たりにすると、とても同じ種類の魚とは思えないでしょう」

市当局は「捨てられた金魚は巨大化して、生態系を荒らすので、池や湖に放さないように!」と強く住民に訴えています。

コイやムール貝のような外来生物に比べて注目度は低いものの、金魚のリリースは年々増えており、オーストラリアやカナダでも問題視されています。

金魚の寿命は10〜15年と長く、体重は最大1.8キロ、体長は30センチ以上にもなるという。

また、金魚は驚くほどの適応力を持っており、過酷な環境下でも生き延びられ、冬には凍結した水域で数ヶ月間も生活できます。

「このタフさのおかげで、金魚は容易に繁殖し、ある生態系を支配することができる」と専門家は指摘します。

さらに、金魚は水底に生えた植物を根こそぎ食べて土壌を荒らし、水質を悪化させ、藻類の大発生を引き起こします。

金魚には水質を劇的に変化させる力があり、それが他の動植物に甚大な害を与える可能性があるのです。

金魚は移動力も高く、一度放してしまえば、すぐに他地域に侵入するので、回収も容易ではありません。

この問題は日本でも十分に起きうることです。

軽い気持ちで放した金魚が、巨大化して日本の川や池を荒らし回る危険な存在になるかもしれません。

参考文献

People dumped their pets into lakes, officials say. Now football-size goldfish are taking over.

Minn. City Asks Residents Not to Release Pets After Lake Survey Turns up Football-Sized Goldfish