「クルマは道路上を走る」という常識がそろそろ覆されるかもしれません。
SFの世界で度々見かける陸も空も水上も走れる魔法のクルマが、現在イタリアで開発されています。
設計は小型クルーザーのデザインを多く手掛けるpierpaolo lazzarini氏が担当しており、その名も「Linux」。
2021年に本格的な立ち上げを目指していて、多くの企業が自由に参加する「オープンソース」での開発になります。
クルマとしての機能はもちろん、カスタマイズによって空中や水上、雪上にまで対応するモビリティの製作を目標にしています。
いったいどのような変身をみせてくれるのでしょうか。
カスタマイズによって広がる用途
「Linux」は車体下部の足回りを取り替える形で、クルマモード、雪上車モード、飛行機モード、水上モードを実現しています。
まずはクルマモードを見てみましょう。
クルマモードでは車体下部にタイヤのアタッチメントを装着し、四輪駆動を実現。小さい車体はまるでイタリアの名車フィアットのようですが、そのサイズ感に関わらず4人も乗車できます。
タイヤのアタッチメントをスキー板とキャタピラに変えた雪上車モードも備えています。
雪上車モードでは、今までのクルマにはない、雪の上をスイスイ滑っていく行く感覚を味わえるでしょう。
続いて飛行機モードです。
飛行機モードは、車体の側面にドローンのような小型のプロペラを複数搭載しています。また、重量を考え最大二人まで乗員数が減る予定です。
一般的に、離着陸のとき普通の飛行機は滑走路で助走を付ける必要があります。しかし、Linuxはプロペラを複数持っているので、その場からヘリのように上空に飛ぶVTOL(垂直離着陸機)の離陸方式をとると考えられます。
最後に水上モードです。
クルマモードではタイヤになっていた下部のアタッチメントを、船としての浮きに換装。通常のボートのような構造になっています。
クルーザーのデザイナーが最も力を入れているのは水上モード
Linuxを手掛けたlazzarini氏はクルーザーのデザイナーでもあるため、水上モードのデザインに一番力を入れているようです。
ボート型だけでなく、船体の下部にフィンを備えた格納式フォイル型や、船体を小型の甲板2つで持ち上げたカタマラン型のLinuxも設計しています。
近い将来、一家に一台Linuxのようなモビリティを置く時代が来るのかもしれませんね。
提供元・ナゾロジー
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