ハイキングは、お年寄りから子どもまで、誰もが気軽に楽しめるレジャー。「自然の中でリフレッシュしたいな~」と思ったらすぐに楽しめる、気軽さ&手軽さが魅力です。でもその一方で、天気が変わりやすかったり、日が暮れると山道なので危なかったり、多少のリスクもつきもの。ハイキングを楽しく過ごすためにも、持ち物などの準備は万全にしておきましょう。ハイキングの持ち物や服装について紹介します。

目次

  1. 1. ハイキングに必要な持ち物
    1. 1.1 リュックサックやザック
    2. 1.2 レインウェア(雨具)
    3. 1.3 帽子
    4. 1.4 水筒
    5. 1.5 アメなどの行動食
    6. 1.6 紙の地図やコンパス
    7. 1.7 日焼け止め・リップ
    8. 1.8 ゴミ袋
    9. 1.9 健康保険証
  2. 2. ハイキングであると便利な持ち物
    1. 2.1 モバイルバッテリー
    2. 2.2 携帯トイレ&トイレットペーパー
    3. 2.3 救急セット
    4. 2.4 ヘッドランプ
    5. 2.5 トレッキングポール
  3. 3. ハイキングでの服装の注意点
    1. 3.1 虫よけ&ケガ防止のため露出を控える
    2. 3.2 温度調節のしやすさを意識する
    3. 3.3 綿より化繊を選ぶ
    4. 3.4 できればトレッキングシューズ、最低でもスニーカー
  4. 4. 季節によって必要となる持ち物や服装
    1. 4.1 春~夏のハイキング
    2. 4.2 秋~冬のハイキング

1. ハイキングに必要な持ち物

あなたが行く場所や季節、歩く距離などによって装備は変わってきます。例えば、高尾山にケーブルカーを使って半日ハイキングに行くだけなら、手持ちのスニーカーやリュックでも良さそうですが、標高が高いところを歩くハイキングでは、街中よりも気温が低かったり、風が吹くと寒く感じたりするかもしれません。

ここでは、自然の中を歩く標高の高い場所にハイキングに行く場合を想定して、特に初心者には必須となる持ち物を挙げていきます。

1.1 リュックサックやザック

簡単なコースならショルダーバッグでもOKですが、転んだときに手が使えるように、荷物は手に持たなくていいタイプにしましょう。リュックサックのように背負えるものがおすすめです。素材は防水性の高いもので、軽くて疲れにくいものを選ぶと良いでしょう。

リュックサックのサイズは、日帰りハイキングなら20L~30Lぐらいの小ぶりのものがおすすめ。アウトドアブランドのリュックサックなら、レインカバー内蔵であったり、防水加工の特殊素材だったり、山用の機能満載で便利です。肩紐のズレ落ちを防いでくれるチェストベルトがついていると歩きやすいです。ちなみに、荷物を全部詰めたときに8割程度に収まっているぐらいだと、背負いやすいです。詰めるときは、下に軽いもの、上に重いものを詰めると背負ったときに軽く感じるので、ぜひお試しください。

1.2 レインウェア(雨具)

山の天気は急変しやすいもの。どんな低山であっても、天気予報で降水確率0%でも、レインウェア(雨具)は忘れずに! 登山用にコンパクトに収納できるレインウェアがたくさん出ているので、これだけはマストで揃えておきましょう。急な雨のほか、強風、気温の変化にも対応できます。

レインウェアはゴアテックス製など、防水性が高く、防寒着にもなるものを選ぶと良いでしょう。ビニールガッパは汗で内側から濡れてしまうので基本はNGです。また、雨で荷物が濡れてしまわないよう、ザックカバーもお忘れなく。

1.3 帽子

夏は熱中症対策に、冬は防寒対策に、欠かせないのが帽子です。紫外線量は標高が100m上がるごとに1%増すと言われ、山は季節を問わず紫外線が高いので、日焼け対策としても使えるように、ツバ付きの帽子がおすすめです。また、万が一転んだ際にも、頭を保護してくれます。

1.4 水筒

ハイキング中は、気づかぬうちに汗をたくさんかきます。水分不足は体調不良のもと。お茶やスポーツドリンクなどを入れた水筒は必ず持ってきましょう(ペットボトルでも)。

山歩きでは1時間に300mlの水分が必要だと言われています。喉が渇いたなと思う前に、こまめに水分補給できるように、長時間のハイキングならば、500mlを2本分ぐらいは用意していきましょう。お茶や水だけでなく、汗などで失われた水分を補うには、糖分や塩分も補給できるスポーツドリンクもおすすめです。リュックを背負ったまま水分補給ができる「ハイドレーション」というタイプもあります。

1.5 アメなどの行動食

登山やハイキングをする際に、気軽に食べてパワーチャージできる食べ物を「行動食」と言います。エネルギー切れになってしまわないように食べるものなので、携帯しやすく、脂質・糖質のある高カロリーでエネルギーになりやすいものを選ぶのがポイントです。

栄養機能食品のバーやゼリー飲料をはじめ、クッキーや羊羹(ようかん)、ドライフルーツ、ナッツなど。何を持って行くかは楽しみでもあり、個性が出るところ。アメやチョコレート(ただし溶けにくいもので!)ならば、歩きながらでも、ちょっとした休憩でも口に入れられます。甘いものは疲れを取ってくれるのでおすすめです。

1.6 紙の地図やコンパス

普段、地図はスマホで見ている人も多いと思いますが、山に足を踏み入れるならば、紙の地図やコンパスを持っておきましょう。ハイキングの場合は整備された登山道を行くことが多いとは思いますが、もし遭難したときに、滑落したショックでスマホが壊れてしまったり、充電切れだったり、電波が届かない場所かもしれません。そんなときに、あなたを助けてくれるのは案外アナログな備えだったりします。

コンパスで方向を、地図で分岐点を確認できるだけで、遭難リスクが軽減されます。いざというときに使えるよう、練習しておきましょう。

1.7 日焼け止め・リップ

ハイキングでは標高の高い高原や山道を歩くため、紫外線が強く、日焼け対策が欠かせません。日焼け止めやリップを塗っておかないと、男女ともに、スキー焼けしたようなカサカサな肌や唇になってしまいます。休憩時などにも、こまめに塗りながら紫外線対策をしましょう。

1.8 ゴミ袋

山では、ゴミは必ず持ち帰るのがルール。ラーメンの汁も、山に捨ててはいけません。野生動物がその味を覚えて人を襲ってしまったり、生態系を壊してしまったりの心配もあるからです。なるべくゴミを出さないよう、ゴミを持ち帰りやすいよう、荷造りすることも肝心です。ゴミ袋は必ず携行し、取り出しやすいところにしまっておきましょう。

大きさの違うビニール袋をいくつか持っておくと分別もできて便利です。また、荷物を濡れないようにパッキングしたり、ビニール袋は多めに持っておくと何かと使えて便利です。

1.9 健康保険証

忘れがちなのが、健康保険証。山で具合が悪くなったり怪我をしたりして、下山して病院に直行したときに必要になってきます。つい昔の記憶で「旅先には保険証のコピー」と思ってしまいがちですが、できればコピーではなく原本を持っていたほうが安心です。田舎はただでさえ病院の数が少ないので、対応してくれる病院の数が減るとかなり困ります。

2. ハイキングであると便利な持ち物

日帰りのハイキングでも、何が起こるかわからないのが山です。安全性や快適さを優先するなら、もしもの準備も抜かりなく。いるかいらないか、迷ったら持っていくようにしましょう。備えあれば憂いなし。ここでは、必須ではないけれども、あると便利な持ち物を紹介していきます!

2.1 モバイルバッテリー

緊急時の連絡にも、写真撮影にも、地図アプリや天気予報アプリにも使えるスマートフォンは、山の必携装備になりつつあります。山では気圧が低いためバッテリーの消耗が激しい場合も。予備バッテリーは、できるだけ持って行きましょう! ふだん便利に使っているぶん、使えなくなったときのショックは大きいです。水に濡れて使えなくなってしまわないように、ジップ式の袋に入れて防水仕様にして持って行きましょう。

2.2 携帯トイレ&トイレットペーパー

メジャーな整備された登山道であれば常備されているかもしれませんが、ちょっと穴場なスポットに出かける場合には、「山中にはあまりトイレがない」「トイレがあってもティッシュがない」という事態があることを想定しておきましょう。携帯トイレは1、2個あればOK。トイレットペーパーは、芯を抜いて、潰してジップ式の袋に入れておくとコンパクトに持ち運べます。

2.3 救急セット

怪我したときの応急処置に、バンドエイドや消毒液、包帯、滅菌ガーゼ、テーピングなど、簡単なファーストエイドキットを持っていくと良いでしょう。虫さされの薬も、あると便利です。もし、常用している薬がある場合は、下山が遅れた場合も想定して1日分の常用薬は持参しておきましょう。

2.4 ヘッドランプ

日帰りの予定でも、ペース配分をミスしたり、道に迷ったり、下山が遅れる場合も考えられます。山ではあっという間に日が暮れます。夜道は危険なので、ライトを用意するなら、懐中電灯やランタンよりも、両手が使えるヘッドランプにしておきましょう。濡れて使えなくならないように、ジップ式の袋に入れてからリュックの中へ入れましょう。電池切れになってしまわないように、予備電池もお忘れなく!

2.5 トレッキングポール

トレッキングポールとは、起伏のある長い道のりを歩く際や、足場が不安定な登山道、滑りやすい斜面で活躍する登山用のストック(杖)のこと。上半身の力も使って登れるので足の疲労を軽減できたり、バランスが取りやすくなったりするので転倒リスクが減らせます。

ハイキングであれば1本で使用する「ステッキタイプ」がおすすめ。片手が空くので、写真を撮りながら歩くこともできます。ただし、場所によっては邪魔になってしまう可能性もあるので、持ち歩きには注意しましょう。

3. ハイキングでの服装の注意点

初めてのハイキング、どんな服装をしていけばいいのか......悩みますよね。せっかくの楽しいお出かけで失敗しないよう、ここでは、ハイキングでの服装で気をつけたい、いくつかのポイントをお伝えしておきます。下記のポイントをおさえて、手持ちの服を活用しつつ、機能面もかなえたおしゃれを楽しんでくださいね。

3.1 虫よけ&ケガ防止のため露出を控える

山は虫が多いので、夏でも薄手の長袖・長ズボンのほうが安心です。登山道を歩くので枝の先や草の葉で肌を傷つけてしまうこともあります。山では夏場でも、腕や脚を露出させるのは控えましょう。

歩き始めればすぐ温かくなるので、少し寒いぐらいの薄着でスタートするとちょうど良さそうです。速乾性の長袖シャツを半袖の下に着たり、「山スカート」と呼ばれるトレッキングスカートの下にタイツを履いたりして、なるべく露出を控えて、かわいいコーデを心がけましょう。

3.2 温度調節のしやすさを意識する

山の気温は標高によって、雲の具合や風向きによってガラリと変わります。山では標高100mにつき0.6度ほど気温が下がると言われています。麓では20度以上あって暑いな~と思いながらスタートしても、山の上のほうへ行くとひんやりしていて、雲で太陽が隠れてしまうと少し肌寒く感じる......ということもよくあります。

なので、山では、脱ぎ着することで体温調節しやすい重ね着「レイヤリング」が基本。夏場でも、さっと羽織れる長袖はマストです。春秋ならフリースやジャケット、夏なら長袖シャツが便利です。冬は、長袖シャツ、フリースと重ねた上にダウンジャケットを着込むなど、着脱しやすい重ね着で防寒対策をしていきます。

3.3 綿より化繊を選ぶ

ハイキングでは、登山ほど本気のアウトドアウェアで揃える必要はありませんが、やはり急な天候や気温の変化に対応できる、吸汗性・速乾性、そして吸湿性のある素材のほうが安心です。特に「ベースレイヤー」と呼ばれる肌着やインナーは、コットンよりも汗を吸っても素早く乾く、化繊がおすすめです。汗が蒸発していく際に気化熱で体温を奪われるので、夏場でも低体温症などのリスクがあるので気をつけましょう。

また、ハイキングでたまに見かける、ジーンズでの登山は、できれば避けた方がいいかもしれません。コットンは汗や雨で濡れると足が動きにくくなりますし、ストレッチ性に欠けます。軽くて動きやすい化繊のトレッキングパンツやジョガーパンツの方が、足上げも楽にでき、長く歩いても疲れません。

3.4 できればトレッキングシューズ、最低でもスニーカー

足元は、ハイキングシューズかトレッキングシューズがおすすめです。整備された道ならば、歩き慣れたスニーカーでもOK。アップダウンがあったり、木の根が多い不安定な道ならば、ハイキングシューズなどの方が、滑りにくく安定感もあります。トレッキングシューズは、足首まで覆ってくれるハイカットタイプのほうが疲れにくく、怪我しにくいというメリットがありますが、低山ハイクなどであればローカットタイプでも十分。厚手の靴下を履いてできるだけ足への負担を少なくするなど、工夫しましょう。靴紐を閉めるときはしっかりと上まで。靴紐が緩いと靴の中で足が動き、捻挫や足の負担が増して、疲労や転倒の原因になりがちです。

4. 季節によって必要となる持ち物や服装

季節によっても、ハイキングの際にあると便利なグッズや必要となる持ち物、服装も少しずつ変わってきます。ここでは、春夏と秋冬の2つに大きく分けて、季節ごとに異なる用意しておくと安心な服装や持ち物について説明していきます。

4.1 春~夏のハイキング

春夏のハイキングで気をつけたいのは、日中との寒暖差と紫外線。春は、日中は暖かいので寒さ対策をおろそかにしがちですが、寒暖差が大きい季節。寒い日なら薄手の長袖、暑い日ならTシャツの上に、シャツやパーカーなどを重ねて、脱ぎ着できるコーデで寒暖差に備えましょう。マウンテンパーカーは防寒着にも、風よけにも使えて便利です。

夏のハイキングでも、Tシャツの上に長袖シャツを羽織り、強い日差しや寒暖差に備えましょう。歩いているときは暑くても、休憩時などに体温が下がってしまわないよう、夏でも生足は避け、登山用のタイツにハーフパンツや「山スカート」を合わせるコーデもおしゃれで軽快です。日差しも強くなる時期なので、紫外線対策には帽子に加えて、サングラス、アームカバー、グローブなどもあると便利。メッシュ素材なら、暑い季節でも快適です。

また、ハイキングでは、水分は通年の必須アイテムですが、特に夏場は汗を大量にかくので、多めに1L以上は持参しましょう。

4.2 秋~冬のハイキング

秋冬に気をつけたいのは、防寒対策。暖かさはもちろん、動きやすさも考慮して選ぶとより快適です。秋は、長袖の上にシャツやフリースを重ねて、その上に防寒用のジャケットを準備しておきましょう。フリースは軽量でコンパクトに収納でき、通気性や速乾性も高く、ハイキングにぴったりの素材です。冬は、秋の装いに動きやすいダウンジャケットを重ねましょう。腰に貼るカイロや、裏起毛パンツなども活用して保温していきましょう。

冬のハイキングで欠かせないのが手袋。手袋をはめたまま、スマホで地図を見たり操作ができたりするタイプがおすすめです。

いかがですか? 整備された山道を歩くハイキングは、登山ほど身構えずに、思い立ったら誰もが手軽に楽しめるアウトドアレジャーです。今後行ってみようかなと思った方は、ぜひ上記を参考に、準備をしてみてくださいね。 また、行き先によっても必要な持ち物は変わる場合があるので、行き先の情報もしっかり調べておきましょう。それぞれの季節にあった服装で、雨具などの装備を整えておけば、快適なハイキングが楽しめます。自然の中をゆったりと歩いて、心身をリラックスしましょう。

文・写真・旅の基本情報お届け部/提供元・たびこふれ

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